和葉

歌人、参与観察、文章、写真。

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マガジン

  • 玉石混淆:石ころ日記

    フェミニズムについて、女について、考えることを書いています。玉石混淆の石ころになる。

最近の記事

7日目

解放された。 自由だ、という気がする。 下がっていたモチベーションが突然戻ってくるので、めちゃくちゃポジティブな人になったような気がする。 面倒だからと見てみぬふりしたり、後回しにしていたことを一気に片付けた。 生理はだいたい1ヶ月のうちの1週間。3日で終わる人もいれば7日で終わる人もいる。 その7日間を書き出してみたわけだけど、読んでくれた人は何を思っただろうか。 生理の前後には1週間ずつ、PMSというのがあって、ホルモンバランスが乱れて、生理同様に個人差はある

    • 6日目

      今日は朝からすごい楽になった 眠いのは眠いし 動きが遅いのは遅いんだけど 気持ちが楽 痛みがあんまりない日常、最高

      • 5日目

        今日は朝から鬱々としていた。 動こうにも体が重くて、気持ちも落ちっぱなし。何もする気が起きない。ずっと寝ていたい。 そろそろ楽になってきてくれても良いんだけどな。 お昼過ぎから発熱。 生理中は体温が上がってずっと微熱状態なんだけど、ぐっと熱があがる。眠い。 顔色が悪い時はチークを耳朶にもちょっとつけると良いですよ、と教えてくれたのは企業向けのメイクアップセミナーだった。 男性も女性も受けるその講習で10代の私はアシスタントをしていて。爪の手入れ方法や、清潔感をあげる

        • 4日目

          腰の鈍痛、眠気。 血の量は減ったり増えたり。全体的に見れば減ってくる。 食欲が失せているので半ば無理やり食べている感じ。義務感が強い。 大好きな珈琲も、この時期は気持ちが悪くなるので飲めない。 首や肩がこる。眠い。 肌荒れがおさまりはじめる。 文字が頭にあまり入らない。油断すると寝る。 普段と変わりなく過ごせている人たちを尊敬するし、私と同じくふにゃふにゃになる人たちを愛しいと思う。 みんな自分なりの向き合い方を持っていて、私は私の手のなかにある『諦める』とい

        7日目

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        • 玉石混淆:石ころ日記
          14本

        記事

          3日目

          今日もほとんどの時間を寝そべったまま過ごした。 生理になると、私は嗅覚がかなり敏感になる。 正確に言えば、自分から常に漂う血のにおいに。 すぐ隣にいる家族や友人に聞いても気付かないというんだけど。これがかなり苛々する。 一緒にいる相手が誰であっても(TPOは考えるし、嫌がるそぶりがあったらしないけど)、私はわりとオープンに生理の話をする。 今日、頭が痛いんだよね。みたいなノリで。 歩いてても、食事中でも、痛い時には痛い表情をする。嫌な思いをしてるとか、辛いとか、し

          3日目

          2日目

          昨日買った入浴剤が嘘みたいに青くて、生理用品のCMみたいな色でゲラゲラ笑った。 生理中のボロボロになった女が、あの青い水っていうファンタジーにつかってるの。バカみたいで笑ったあとはまた泣いた。 精神安定に効果があるという香りは柑橘系にも似ていて、ここ何日か、うまく眠れなかったり、早く起きすぎたり、睡眠が良くなかったのが嘘みたいにぐっすり眠れたから良かったのかもしれない。 改めてみるとかなり大量の血が自分から流れ出ていて、なんだかそれはもう『生理』っていう『血』とは別の

          2日目

          1日目

          情緒不安定で電車のなかで泣きかけてる。 良い香りのボディークリーム買って帰ろう、安眠できそうな香りのやつ。 そう思って自分を立て直そうとしたんだけど。 家の棚に並んだボディークリームの微妙にへこんだ容器だとか、パウダリー、ホワイトフローラル、ハニー、シュガー、リラックス、そんな香りを思い出して、自分を立て直す方法のバリエーションがあまりにも無いことに傷付いたりしている。 いつだって余裕ある大人のふりをしていたいのに。 入浴剤を買おう。 気になってたリップも。 それか

          1日目

          生理、月経、女の子の日、アンネ、月の日、ストロベリーウィーク、日本が攻めてくる日。使い物にならない体で恋人が血のついたシーツを洗っているのを眺めていた日。

          その日はよく晴れていた。 丸い窓の形が好きで選んだ恋人の部屋で、ベランダに立って煙草を吸っている彼の背中が好きだと思った。 彼が、私の血がついたシーツを洗って干し終えたところだと気が付いて、ちょっとそれはどうなの?と思いながら、でもまぁそれもいいかと力の入らない体でぼんやりと寝そべっている休日の朝。 20代の始めに付き合っていた恋人は、当たり前のようにそういうことをする人だった。いつだって私はいつの間にか柔らかな毛布にくるまれていた。 生理用品は自分で買ったけど、それ

          生理、月経、女の子の日、アンネ、月の日、ストロベリーウィーク、日本が攻めてくる日。使い物にならない体で恋人が血のついたシーツを洗っているのを眺めていた日。

          「幸せでいなければならない」という圧力に押し潰されそうになる。キラキラ女子とか干物女とか、構わないでよと思いながら今日も剥げかけたネイルで電車のつり革を握っている。

          名前をつけることで、構造を理解し、救われることもある。 共感したり、仲間を見つけたり、もやもやした思いを言語化してくれたり、見ないふりをしていたものを見せつけられたり、自分を見つけてもらえたようでぼろっと涙がこぼれたり。 電車の中吊り広告や、インターネットの広告、テレビや雑誌や、生活していれば嫌でも目にはいるそれらのなかで、時々ものすごく息苦しくなることがある。 「幸せでいなければいけない」 そんな圧力に押し潰されそうになる。 モテるための洋服、モテるためのメイク、

          「幸せでいなければならない」という圧力に押し潰されそうになる。キラキラ女子とか干物女とか、構わないでよと思いながら今日も剥げかけたネイルで電車のつり革を握っている。

          「おばさん/BBA」は何故、罵倒語として成立するのか。若さと美しさと性的魅力と、あなた。

          「女」と言われて、あなたが思い浮かべるのは何歳くらいの人だろうか。 分類としては、生まれたばかりの乳児から高齢者まで全年齢の人が「女」であるはずだが、社会で使われる「女」という言葉にはどこか「若い女性」という影がついてまわる。 ネットスラングに「BBA」という言葉がある。意味はおおむね「ババア」。 その含意は何だろうか。 ・容姿が美しくない ・発言者の恋愛、性的対象でない ・年齢が10代半ば、または発言者よりも高齢である ・雑に扱うことで逆に親愛感情を表している い

          「おばさん/BBA」は何故、罵倒語として成立するのか。若さと美しさと性的魅力と、あなた。

          胸というコンプレックスと、イラストの中の女性の話。ところで、目の前に立っている人があなたのネクタイピンをちらちら見ていたら絶対気付くからぜひ試してみてね。

          胸が大きいことが、ずっとコンプレックスだった。 胸の大きさで大人と間違えられることも。 否応なしに「女」として見られることも。 私の意思とは関係ないのに「そんな身体をしているくせに」と嗤われることも。 痛みや、性感の発達なんてお構い無しに乱暴に扱われることも。 「男のロマン」が、私の痛みを無視することも。 初対面の男性の多くが、私の胸と会話していることも。 ずっと嫌だった。 「胸が大きいんだから淫乱」、「性経験も豊富にあるはず」と決めつけられることも。 胸の

          胸というコンプレックスと、イラストの中の女性の話。ところで、目の前に立っている人があなたのネクタイピンをちらちら見ていたら絶対気付くからぜひ試してみてね。

          ふれあわずには生きていけない私とあなたが生きている此処を社会と呼ぶが、「私」を売りに出したつもりはないので財布を仕舞え。

          「ふれる社会学」という本のトークイベントに行ってきた。短大でも、大学でも社会学を専攻していたのだけど、その頃に自分が書いた論文を読み返すとまじでちんぷんかんぷんでびっくりする。 自分の脳の劣化と言うか、もともと私は一晩で覚えてテストで良い点数とって次の日には忘れてるタイプなので、試験に落ちても悔しさとか感じられないし、残るものがないという点では勉強しないで他のことを楽しんだり学んだ人の方がよっぽど正解だと思う。便利どけどね。 さて。 昨日はInstagramの中で、女性

          ふれあわずには生きていけない私とあなたが生きている此処を社会と呼ぶが、「私」を売りに出したつもりはないので財布を仕舞え。

          見えにくいけど「女が自由に語れる場」が広がっていること。レスポンスを私たちは見つけられているだろうか。

          昨日の投稿で紹介した「シモーヌ」では、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない 女になるのだ」という言葉を引用していた。 これは結構面白い言葉で、性別を逆転させた時にこの言葉が成立するか否かで考えがわかれる人がいると思う。 つまり、体の性別とは別に、社会化するなかで獲得される性があると考えた時、なにも強制されていない状態を男ととらえるか、女が強制されていることで「女でない」状態を強制する力が男にも働くか、という話。 まぁ、それは各々考えてもらえばいいん

          見えにくいけど「女が自由に語れる場」が広がっていること。レスポンスを私たちは見つけられているだろうか。

          フェミニズム入門ブックを買った日のこと。

          『シモーヌ』という現代書館から出ているフェミニズム入門ブックを買った。 スマホで検索すればすぐにわかるタイトルを思い出すのも億劫で、駅前の大型チェーン店の検索機に「フェミニズム」と打ち込んだ。 刺激的なヘイトと街づくりについての講演を聞いた後で、他のことに頭を使いたくなかったから。 あまり期待もしていなかったのに、シモーヌは検索順位2位。棚は「no.46 フェミニズム/ジェンダー」。 ここで頭のスイッチが切り替わった。 この本屋にフェミニズム棚なんてあった? 都内

          フェミニズム入門ブックを買った日のこと。