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志望動機書を書くために〜その①〜内容の整理

アナウンサーは「言葉」で「伝える」という仕事です。

なかでも「音声」で「伝える」のが主な仕事ですが、
「書く」こともあります。
取材をし、原稿を書き、番組構成を考え、編集もします。

取材したい相手へのインタビューでどれだけ相手の思いを聞き出せるか、
それを理解し、整理し、視聴者にどうやったら真意が伝えられるのか、
ということも日々研鑽しています。

それらを極めるうちに培われたスキルが、思わぬところで重宝されています。
就活や受験の際の「志望動機書作成」「面接対策」「小論文対策」です。

先日、これから就活という学生と話をしていた際、
これから出そうとしている志望動機書の内容と構成を聞きました。

内容は立派でよく考察されていましたが、
正直言って「よくあるタイプ」のもので、
是非に採用したいと思うような志望動機書ではありませんでした。


さて、心を動かす志望動機とスルーされがちな志望動機書があります。


これまでに志望動機書を書いたことがありますか?
今、書こうとしていますか?
もう書きましたか?

それは、就職活動のためですか?
進学・受験・留学のためですか?

いずれにしても、受験や就活でそこを選んだからには
何か理由があるはずです。

その理由が「志望動機」につながっていくわけですが、
似たような理由なのに、
ある人の志望動機は心を動かし、
別の人の志望動機はスルーされてしまうことがあります。

よく内容を読むと、
ほとんど同じ理由が書かれているにもかかわらず、です。

それはなぜでしょう。
どうしたら良いのでしょう。

それを紐解いていくための第一歩は、
まず内容を整理することなのですが、
ここでは、個人セッションの際につかっている方法の一部を紹介します。
(全員にこの方法を使っているわけではなく、
 個人個人に合わせた方法を用いて整理しています。)

どんなことが、そこを志望するに至った「動機」になったのか、ということを
2つに分けて見ると考えやすいかもしれません。

それは、
①「自分の中にあるもの」なのか
②「外にあるもの」なのか。
です。

明確には分けられないかもしれません。
「外にあるもの」の刺激によって「自分の中にあるもの」になるからです。

でも、今、その理由を自分でどう認識しているのか、
そして、その自分が社会をどうみているのかを考えてみて欲しいのです。

意識してみて欲しいのです。

具体例をあげてみます。

「医学部に行きたい」というAさんが志望動機書を書くときのことを例にします。

「医学部」の志望動機を書くときに、
考えなければならない動機は2種類ありますが、
(「医師」になりたい理由と「その学校」へ行きたい理由)
ここでは、「医師」になりたい理由のみを具体例として取り上げます。

・とにかく人の役に立ちたい
・小さい頃から近所の人によくしてもらった
・地域の人たちに恩返しがしたい
・地域の診療所はいつも混んでいる
・医療者へのあこがれ

箇条書きにすると、これくらいの理由。

それでも、ここれを先に挙げた①②に分けてみます。

・とにかく人の役に立ちたい → ①
・小さい頃から近所の人によくしてもらった →②
・地域の人たちに恩返しがしたい →①
・地域の診療所はいつも混んでいる →②
・医療者へのあこがれ →①


整理してAさんの中の理由を意訳すると

①「自分の中にあるもの」は、
人の役に立ちたい、特に地域の人たちに恩返しがしたい。医療者としてなら最高!

②「外にあるもの」は、
小さい頃から近所の人によくしてもらった。
その人たちが行っている地域の診療所はいつも混んでいる。

となります。

ここまで整理できたら、
次は「掘り下げ」です。

そして、その次は、
それをどう「文章化」するのか「言語化するのか」という話。

要望があれば、少しずつになると思いますが、
続編も書いてみたいと思います。




書いてみたこと、発信してみたこと、 それが少しでもどこかで誰かの「なにか」になるならばありがたい限りです。