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若気の松ぼっくり!の巻 📚s

バイトで貯めたお金で、初めて買っ車。

中古車であったが大っきな買い物。

大っきなオモチャである。

マツダのファミリアハッチバック365
ブラックカラーで中々カッコ良かった!

当時は、テクもないのに走り屋気分で六甲山によく走りに行っていた。

幼き頃はマッハゴーゴーに憧れ、お年頃ではサーキットの狼のように自分も走れると思い込んでいたあの頃。

裏六甲ドライブウェイを攻める!

その日も友とガソリンを満タンに峠に挑んだ!

裏六甲を走り進める。

コーナーには、番号が割り当てられ書かれている。

走り込んでいく内にコーナー番号で曲がり度合いを把握できた。

私の気分は峠を攻めているが、第三者からは安全運転で転がしてるようにしか見えなかったかもしれません。

私は調子に乗っちゃってドンドンスピードを上げタイヤを鳴らしながら走り抜けていく。

今日は行ける!

タイヤも温まりグリップしている!
タイヤを鳴らしながらタイヤのチビていくのを気にしていた。

曲がりくねった道を駆け抜ける!


うむっ。

なんだ!?

ライトに照らし出されるコーナーにうっすらと砂が浮いているのが見えた。

嫌な感じがする。

ギリギリコーナーを曲がり切った!

っと、思った瞬間!

スゥーっと車体が横に流れた。

どんどん目の前に木が近づいて来る!

スローモーションのように見えた。

逆ハンを切り頑張るも横への流れは、、、
もおぅ〜、どうにも止まらない!

山本リンダの歌が頭の中に流れた。

なんで!

目の前には松の木!

ドッカ〜ン!

ザァー、ザァー、ザァ〜!

うわっ!

雨かっ!
って思うほどの松の葉と松ぼっくりが私の車めがけて落ちて来たのである!

どれくらいの時間が経過しただろう。

ようやく落ち着いて辺りを見渡した。

辺りは真っ暗闇である。

力一杯握っていたハンドルから手を離した。

大丈夫か!

って、大丈夫なわけなかろうが。
友の身体を案じた。

がっしりした友のガタイは、びくともしていなかった。

私はどうか。

私の身体は、、、。

確認したところ、頭もしっかり、腕も曲がる。

足は!?

足の赤ちゃん指も曲がる!

大丈夫と、思った。

あはっ!

足のモモがっ!

ジーンズが破けている。

私の、私のアンヨは!いかに!

ジーンズは破けていたがアンヨはなんともなかった。

なんでジーンズだけ破けたのかは不明である。

っで、一安心。


二人とも身体の外傷は見当たらなかった。
しかし、次の日に痛みが出ることも考えられる。

身体の点検終了!

っで、私の愛車ファミリアちゃんは!

松の幹にガッツリと右の角のボンネットが食い付いていた!
あ〜ん、してと口を開けても取れそうにない。

ガソリン、オイル漏れなし。
ヨシ!

クラッチを踏んでみた。

スコスコ。

エンジンが落ちかけていた。
当然、エンジンはかからない。

再起不能。

素人の私にも廃車と認定できるほどの状態である。
私の愛車ファミリアちゃんはここに息絶えた。

冷静に見ると、もう少しで崖下に滑落する寸前で停まっていた。
というより松の幹に噛み付いていたので滑落しなかったのである。
トウセンボしてくれて、ありがとうさん。
かあさんはどこ!


ラッキーな話である。

なんかどこかで聞きたような話である。

そうだ。

詳しくはこちら。
「ラッキー!な話
📚s」
をご覧いただけたらと幸いです。

もっと冷静に考えると、この車をどうやって撤収するのか。
はたまた、どうやってここから帰るのか。

山頂に行くにも下山するにもかなりの距離である。

知り合いの車屋さんに撤収を依頼した。

その間に走り屋達が横目で見ながら走り去る。
なんとも寂しい限りである。

そんな中、一台の車が停まった。

お困りのようですね。

下まで送りますよって。

ありがたやー。

しかし、知り合いの車屋さんが車で居なければ撤収してもらわないと。

大丈夫。

一晩車を置き去りにしていたら、オーディオはもちろんのこと、ハンドル、タイヤなど取れるものは全部持っていかれるとのこと。

撤収しなくとも姿かたちも消えて無くなると言うのです。

なぁ〜だ。
そんなことか。

なぁ〜んだじゃないよ。

みんな持ってかれちゃうのって思ったけど、復活出来る状態ではない。

好きなだけ持ってけドロボー!

私の記憶では、最終的にどうやって車を撤収していただいたか記憶にございません!

停まってくれた方に下まで送ったもらいメシ食って帰ったことだけ覚えてる。

なんでかな。

初めて買った愛車ファミリアちゃんは、そのまま旅立たれました。

友と私の身体に大事なくて本当によかった。

しかし、私のお気に入りのジーンズはダメにしてしまった。

私の横で友は、
ガソリン満タンにしたのに
あんまり乗ってへんやないかと駄々をこねていた。

運転していたのは私である。
ガソリンどころか愛車をダメにしてしまったのである。

身から出た錆。

これくらいで済んだんでヨシとするかー。

悔やまれるのは、浮いた砂に気付いたのに対処できなかったこと。

次はクリアしてやるからな。

待ってろよ。

負け犬の塔越えである。


by まるまるの虫 カメさん

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