いつも誰かがうらやましい、そんなあなたへ
ぼくの中には、どうにも性格のひん曲がった奴がいて、どうしても品行方正な考え方、やり方ばかりしていると、ああもう限界じゃ!となってしまいます。
といっても、盗んだバイクで走り出すわけにもいきませんので、ぼくと似たような、ひん曲がった性格をお持ちと見受けられる方の本を読んで、そうそう、それそれ、わかるわ〜、とひんまがった性格の持ち主はぼくだけじゃないんだなぁ、と孤独を癒やしています。
失礼ながら、ぼくと同じように、ひん曲がった性格をお持ちかな、と最近思いあたった方に、鹿島茂先生がいます。
鹿島先生とは図書館で出会いました。
今時、珍しい分厚い本で、辞書くらいの厚さがあります。
その名も「大読書日記」という、ド直球の本に出会いました。
電子書籍なんて知るか、と言わんばかりの心意気に惚れて早速借りました。
(鹿島先生、購入じゃなくてすみません。)
その中に、こんな言葉があったんです。
「一流の作品ばっかり読んでたら、駄目になりますよ。自分でも、なんか書ける、そんな気持ちにさせてくれる、そんなものを、読んだほうがいいじゃないですか。」
例えば、重い文章ってあるじゃないですか?
漢字がいっぱい使ってあるやつ。
漢文?って思うくらい難しい、見たことない漢字が使ってある文章。
ああいう大作家の難しい文章見ると、ぼくなんか思わず「馬鹿に生まれて、すみません」って思っちゃうんです。
結果、なんもしないで、おれはだめだなぁってウジウジして、一日終わります。
これは何も文章を書くことだけじゃなく、ほかのことでも、ぼくにはよくあることです。
前に、辻仁成さんのエッセイを読んでいたら、
「パリは芸術家にとって天国でもあり墓場でもある」って言葉がありました。
僕も詳しくは知らないんですが、パリを有名にした、パリを拠点に活躍した有名芸術家たちって、実はけっこう外国人が多いらしいんです。
ピカソもヘミングウェイも、そしてジャック・タチも。(ジャック・タチ好きな方は、是非今度飲みましょう)
辻さんが言うには、パリにはすでにあまりに素晴らしいアートが沢山あるので、後発世代が萎縮してしまう、ってことらしいんです。
そりゃ、あんな素晴らしい建築や絵画や彫刻が街中に溢れていて、日々それを目にしていたら、それらに負けないものをつくってやろう!って、なかなか思えないかもしれません。
だって、すでに素晴らしいものがあるんだもの…、あふれるほどに…
もちろん「憧れ」は、自分を向上させるモチベーションになります。
でも、「憧れ」を見上げてばかりだと、そのうち首が疲れてしまいます。
見上げるのに疲れたら、自分と同じくらいの高さで戦っている人、べつに戦っていない人でもいいわけですが、そんな人を見渡して、一つ自分もやってみるかという気になる、そんな影響を与え合う関係というのも、なかなか良い気がします。
そして、個人的には、できあがった人ももちろん良いのですが、まだこれからって人に魅力を感じます。だって、成長の伸びしろだらけなわけですし。
未熟は魅力にもなる
そんなふうに、僕は思うんです。これからの方々、是非一緒にがんばりましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?