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格安航空会社PEACHのビジネス戦略から学ぶこと

 今日は、修学旅行引率の振替休日ということもあり、教育ネタからしばし離れたいと思う。(最終的に教育ネタに戻ってしまうのはご愛嬌で💦)
 
 かなり前になるが、LCC(格安航空会社:Law Cost Career)の一つであるPeachの路線拡大に伴う、個人客の集客のための戦略をテレビ東京「ガイアの夜明け」で紹介されていた。もともと旅行が好きなので、非常に興味深かい内容であった。

 Peachが格安航空会社である以上、1人あたりの単価が安くなるため、いかにたくさんの顧客に乗ってもらえるか、運営コストをいかに削減するかが鍵となる。具体的には、飛行機の座席の間隔を詰めて数を増やしたり、搭乗手続きを全面ICT化(自動化)して、人件費を削減したりするなどである。
 これについては、取り組み当初は効果が高まるが、取り組みが進めば進むほど、当然効果は少なくなってくる。

 ここでPeachが目を付けた戦略が、飛行機を単に乗る移動手段で終わるのではなく、飛行機を媒介にした旅行の全行程にわたって、楽しい旅を提案するものであった。そのプロジェクトがまさに課題解決学習のよい教材であった。
 
 問題点を明確にするために、観光ツアーの課題点を洗い出すことから始まる。一般的な観光ツアーは、効率よく各地の名所を回るパターンが多く、よくよく考えると、運営側の目線でツアーが組まれていることが明らかとなった。一度の旅行に、たくさんの観光地を巡ると、観光地ごとの滞在時間や人との関わりは少なくなり、景色を見たり、説明を聞いたりするだけに留まる。そこには、旅にストーリーが生まれず、印象に思い出に残りにくい。
 今やInstagramが一般化して、その活用方法も多岐にわたる。単に綺麗な写真を載せるのではなく、いかにオリジナリティある体験を記録に残すかがポイントとなっている。今に生きる人は、体験の数よりも1つにおける質(価値)を重視する傾向にあると言える。
 課題から見える、ツアーの特徴の洗い出し、今のニーズ、人間行動の仮説など、様々な視点で課題解決の方法を探る姿が楽しかった。

 Peachの導いた答えが、活動する価値を求めるような旅行ツアーである。これは、希少価値の高いもの(その地でしか味わえない、日常では経験できない、個人では、手配するのが大変でなかなか行けない場所)である。お金を出してでも行きたい魅力的なキャッチフレーズが並ぶ。

 次に、提案するツアーを具現化していく過程に移る。
 Peachは、これまで見向きもされず、見過ごされてきた、観光資源の再開発に力を入れる。地元の人たちにヒヤリングし、インターネットにはない情報を徹底的に収集した。ターゲット層をイメージしながら、集まった情報を組み合わせて魅力あるツアーに仕立てていく。

 また、リーフレットやWEB上の掲載情報も、その地に出掛けたリポーター(主にキャビンアテンダントのお姉さん)が感じたことをあえて編集せず生の声をストレート届けられるように動画で紹介をしている。紹介方法に、人を介すことで感情が伝わるからである。人の感情が加わることで、顧客が感情移入しやすいことと、現地でどんな体験ができ、どんな楽しみが待っているかもイメージしやすくなる。人がなぜ発表する必要があるか、それを改めて感じさせられた放送内容であった。

 無機質なハードウェアやインフラに投資をするのではなく、今あるハードウェアやインフラを生かし、もっと質の高い旅を提案し、自社のサービスを使ってもらえるビジネスモデルであった。多様化する価値観の中で、ソフトウェアの充実が、今の社会に必要な戦略と感じられた。

 企業のプロジェクトを垣間見ることができるテレビ東京「ガイアの夜明け」は、今の教育のあり方を振り返るよいきっかけを与えてくれる。また、何か教育に通じるものがあったら、ぜひ投稿していきたい。


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