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「プロジェクトベースの働き方」になる世の中でも活躍できる人の3要素

今年もあっという間に終わろうとしていますが、いま現在就活に悩んでいたり、キャリアに悩んでいたりする方が、実家に帰省する年末の隙間時間のお供になれば幸い。ということで、今年僕が登壇したイベントの内容を少し加筆説明する形でこのnoteに残すべく、筆を執りました。
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これからの仕事は「会社ベース」から「プロジェクトベース」へ

よく色々なところで話がされている通り、終身雇用は既に崩壊し、労働集約的な仕事はAIに取って代わられていきます。働き方改革で副業など働き方の選択肢も多様化し、ひとつの会社でずっと働くこともなくなっていく。
これらの環境変化により、これから先はプロジェクト単位での働き方にシフトしていくでしょう。この流れは止まらないかと思います。

当社(DeNA)でも社外で副業する人は多く、『YOUTRUST』のようなサービスも盛んになり、明確に働き方自体やその価値観自体が変化しはじめていることを感じます。
また、社内でも創業20周年を機に「De20」という、トップダウンでなくボトムアップで経営課題を解決しにいくプロジェクトが走り始めたのですが、事業部や職種を超えて、共感する目標や目的に向かって有志が集まり、役割を分担して実現したい世界観に向かってバーチャル組織が組成されたりしています。その中で、持っている力を活かすこともあれば、新しい知見や知識を習得しにいくなど、個々の取り組み方も様々です。

「プロジェクトに呼ばれる」とはどういうことか

学生の方からするとまだピンとこないかもしれませんが、就職するとたくさんの仕事が待っています。
はじめのうちはどんな些細な仕事やお願いであっても、少しでも相手の期待値を超えるような動きをとれていると、「この人に任せたら大丈夫」という「安心」「信頼」につながっていきます。
「そりゃそーでしょ」と、当たり前に聞こえるかもしれませんが、この当たり前を実際に納期通りにやりきることがまず難しい。

そうやって、ひとつひとつ依頼者の期待値を超えるアウトプットをしていき、信頼を勝ち取っていくことで、責任と権限もセットで、次々と大きな仕事が任せられるはずです。
例えば、事業のリーダーに抜擢されたり、何か重要なアジェンダを任されるようになったり、時には社外の方から声をかけられるなど、まさに「プロジェクトに呼ばれる状態」になっていくことでしょう。

プロジェクトに呼ばれる人材の3要素

では、一体どんな人がそういう期待値を超えるアウトプットを生み出しているのか?という点は当然気になるポイントかと思います。
完全に私見ですが、DeNAで11年働いてきて、起業して成功している人、社内で活躍する優秀な人などたくさん見てきましたが、今回は共通する特徴を3つに絞ってお話できればと思います。

①「逃げずにやりきる人」

まずひとつめがこれです。当たり前に聞こえるかもしれませんが、本当に大事なことで、企画やアイデアって大事ではあるのですが、形にならないと全く無価値です。
「やりきる。」ってのがポイントで、ひとつの物事を進めようとするといろんなことに遭遇します。
たとえば、過去の慣習や文化の違い、意思決定者への説明、予算や制限、などなど、実行する上での制約条件や説明責任というのは付いて回るものかと思います。
思想やロジックをきちんと言葉にして伝えないといけないし、「そんなことまで考えないといけないの?」と思ってしまい、途中で投げ出したくなることもあるかと思います。
そういった小さな困難の繰り返しの中で、「最終的にやりきることができるか?」というのは当たり前のようで非常に難しい大事な要素です。

上長なり周囲の適切なフィードバックやインプットなりによって自分が出すアウトプットが、「実は知らずのうちに上長の想定する答えの範囲内に向かっている」とかいうレベルのうちはかわいいもので、やりきらねばならぬレベルがどんどん高くなり、その道で信念持って進めて、「それを正解にできるかどうか?」みたいになってくると、本当に意思の強さ(=逃げずにやりきる力)だなと思います。
このあたり、起業家や経営者のそれとは比べ物にならないと思いますが、僕の立場でも問われ続けています。

②「思考の独立性及び柔軟性」

続いて思考の独立性と柔軟性。
「2つ言っているじゃん!」と思われるかもしれませんが、大事なこととして「思考の独立性と柔軟性」は併せ持つべき資質、と考えています。

DeNAでは、人におもねったり、自分の思考を閉じたりするのではなく、「しっかりと自分の思考・主張を言語化し、伝えること」を大切にしているのですが、ここに「柔軟性」も加わって突出した強みになると思っています。

例えばわかりやすいところで言うと、自分のやりたいことと一見関係ない仕事だとしても、それをどう自分にとってプラスに変えられるか、視点を広げられるか?と角度をズラして柔軟に思考できる人は成長角度が違います。
「与えられた仕事」と捉えるか、「全体像の中に占めるこの役割を担うので、こういう動きが取れたらもっといいよな」と、状況を柔軟に解釈し、自分で思考して動けるか。
それだけ聞いても明らかに両者は違いますよね。

③自分の軸

最後に「自分の軸」と表現しましたが、これはリーダーには絶対に欠かせない大切なことだと考えます。
自分がどういう状態にワクワクするのか、何が自分を奮い立たせるのか?どういう状態だと良くない方向に進んでしまうのか。自分が自分らしくあるために、意思決定において大切にしたいことは何なのか?
就職活動や転職活動において、過去の自分の振り返りや自己分析などをすると思いますが、この先どんな道を選んだとしても、有無を言わせないような様々な困難が待っているかと思います。
時に、倫理観の問われる意思決定や、前述同様、決して誰も正解を持っていないケースにおいての意思決定を求められるシーンもあるかもしれません。
そんな時、自分の判断軸、人生軸があると、ブレずに真っすぐな意思決定ができ、そういう芯のある意見や想いは必ず伝わるし、時にロジックを超える共感が生まれ、人を動かす原動力になると思っています。

どんな経験が必要か?

さて、上述のような要素を持ち合わせていたとしても、活躍する人は皆、
たくさんの失敗と、小さな成功の積み重ねをしてきています。

個性の時代と言われ、好きを仕事にする時代と言われますが、「自分は〇〇がやりたいんです!」と、偏った情報の中で仕事を選り好みしてしまうことは、可能性を狭めてしまう危険性を感じています。

例えば、やりたいことができて起業するにせよ、最初にぶちあたるのが仲間集め(=採用)。また、ひとりでやれることの限界にぶちあたった際に、仲間と一緒にコトをなすために、マネジメント経験は重要です。
他にも、会社を大きくするために会計の知識があったら良いかもしれない。

専門知識の違いはあれど、取り組んだ事象を抽象化して構造化できると、業務内容が変わっても、ある程度仕事の進め方を再現することは可能なので、仕事を選り好みせず、どんな仕事でも前向きに取り組める人は、経験という引き出しを持っているので強いですよね。

そういったスキルを身につけるためにも、最初のキャリア選択は非常に重要だと思っています。

失敗の数=チャレンジ環境

では、どんな環境が良いのか?というのが気になるポイントかと思いますが、シンプルにその環境は「挑戦できる環境か?」すなわち、「失敗経験をどれだけ積めるか?」かなと考えます。

「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」というエジソンの名言があります。

先ほど、「抽象化して構造化して再現する」という記載をしましたが、
成功体験・失敗体験の引き出しがあることでより成功の再現性が高まり、自然と重要なプロジェクトに呼ばれる可能性も高まります。

就職活動をしていると、「うちには大きな裁量があります!」と、どの企業もアピールしていると思いますが、先ほどの話のとおり、「失敗の数」こそが「大きな裁量」や「挑戦できる環境」の本質なのではないかと考えています。

色んな会社をみて回る際に、是非、失敗自慢のネタをたくさんもっている人たちかどうか(=チャレンジしているか)という視点でその会社の方とお話してもらうことで、「そこが本当に成長環境かどうか?」という本質に触れることができるかなと思うので、ぜひ参考にしてみてください。

※twitterで気軽に絡んでください!:@kazahaya0127

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