奄美のソウルドリンク「ミキ」はおかゆっぽい!【おかゆ旅@奄美その1】
2021年7月、日本で5件目の世界自然遺産に登録されることがほぼ内定している「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」。
そんな今、最もアツイ島のひとつである、奄美大島への出張の機会をいただき、仕事と並行してちゃっかりおかゆに関するあれこれも見て聞いて食べてまいりました。今日から3回くらいに分けて、【おかゆ旅@奄美】をご紹介いたします!
今日はやさしいやさしい、奄美の飲み物「ミキ」のお話です。
奄美のソウルドリンク「ミキ」
ミキは、米・さつまいも・砂糖で作られる発酵飲料。もわ〜っとした高温多湿の気候を生かして作られる奄美のソウルドリンクです。「神酒」をルーツに持ち、今でも伝統行事で神と島の人々をつなぐお供え物として奉納されるのだとか。(『君の名は。』に登場する口噛み酒も、唾液の酵素で発酵させる神酒の一種ですね)
でも、生活から遠い飲み物ではないのです。今でもスーパーの牛乳コーナーの近くには、ミキコーナーが。ぞろ〜〜〜〜っと圧巻の品揃え!
お土産売り場ではなくて、島内の方が日常的に利用されるスーパーの光景です。島の方によると、少し前までは各家庭で仕込んで「ウチの味」を楽しむ方が多かったのだとか。
「ミキは”作るもの”だっだんだよ〜。特に夏はね、家で作って、冷やして、飲むの。今でも作っている家もあるだろうけど、売っているやつもおいしいからねえ。ただ、家の味に近いミキがおいしいって思うねえ」
と、島の方。
なるほど〜…家の味に近いミキ!だからいろんなメーカーのミキがあるのかなあ。
多種多様なお味
このミキが、なんともおかゆっぽいんです〜!甘い芋粥というか、芋の甘みがついた甘酒というか、お米の風味がふわ〜っと広がって、体力がじんわりじんわり回復する感じ。
甘み、酸味、とろみ、粒感、すべてが商品によって全然違います。
つぶつぶして、カルピスのような爽やかさがあるもの。
さらりとして、甘み強いもの。
さらに、ミキは発酵飲料。時間とともに味が変化します。できたてのミキは甘く、次第に酸味が強くなります。同じミキでも味が変化するなんて、面白すぎる!
「甘いおかゆ」「お米のヨーグルト」「アルコールなしの甘酒」……いろんな言葉で表現されるのは、その味の多様性が理由なのでしょうね。
島で飲むことに意味があるのかも
発酵食品で、味をピタリと止められないミキ。島の風土を生かして作られ、栄養価が高く、夏バテ防止にぴったりという、まさに島の知恵が詰まった飲み物です。
奄美でいただいたミキは、じと〜っと暑い奄美の日差しで火照った身体にす〜っと染み込んで、「あ〜…おいし〜い…」としみる感じがしました。優しい甘みに心もほどけて、冷たい飲み物なのに、ほっとするのです。
もしかしたら東京のアンテナショップやネット通販でも手に入るのかもしれないけれど、地産地消といいますか、その土地で、その土地のものをいただくからこその、おいしさがあるのかもしれません。ミキは、島で飲むからこそ、おいしくてやさしいのかなあ、と。
また奄美に行ったときのおたのしみに取っておこう!と思ったのでした。
(ちなみに、沖縄のミキはライスミルクに近いそうで、こちらも機会があったら試してみたいです!)
というわけで、おかゆ旅@奄美「ミキ」のお話でした。
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