見出し画像

先生と生徒が一緒に価値を作るレッスン(ジャズピアノが教えてくれたこと③)


生徒の弾きたいものから出発して、一緒に形にしていく

楽しく主体的にピアノを続けるために、レッスンのやり方も工夫しています。レッスンにおける先生と生徒(私)の関わり方は、一般的なピアノ教室のイメージとはちょっと違うかも知れません。元々仕事仲間でもあり、先生のピアノが好きだから教えてくださいと私からお願いしたこともあって、最初からかなりフラットな関係性だと思います。

そして、レッスンを始めるにあたって、一般的なピアノレッスンの形式に捉われずに、どういう形でやっていこうか?と話し合い、先生から与えられるカリキュラムや課題ありきではなく、生徒が弾きたい曲やイメージから出発して、それに先生が寄り添って一緒に形にしていく形にしようと決めました。

これは3年経った今でも、当初の予想以上にうまくいっていると思います。私が主体的に考えて「こうしたい」と伝えていかないと何も進まないという、ある意味での厳しさはあるものの、自分が本当に学びたいことを先生に伴走してもらいながら学べる、さらに言えば、自分の中に眠っていた音楽が少しずつ形になっていくような喜びと驚きがあります。

メロディ、コード、リズムなどいろんな要素が絡み合い、自由にアレンジできるジャズと、こういうやり方との親和性もとても高いと感じています。

プロフェッショナルが寄り添ってくれるということの凄さ

このような形式のレッスンは、決まったカリキュラムに基づいて進めるものよりも、先生側にも高度なスキルが求められるんだろうなと推測しています。なんといっても、その場で私が何を言い出すかわからないのですから・・・

毎回のレッスンは、私が前回からその日までの練習状況を報告するところから始まります。今週はこれがうまくできた、ここがよくわからなかった、やってみようとしたけどうまくいかなかった・・・等々。そして、とにかく1回弾いてみて、上手か下手かの評価はせずに、ただじっと聴いて(見て)もらいます。うまく弾けているかよりも、前回からどのあたりが進歩したのかという練習の跡を見てくれているんだそうです。

そしてこれが毎回びっくりなのですが、プロの目から見た、私には想像もつかないようなアドバイスをくださいます。例えば、自分は練習不足で指が動かないから弾けないと思っていたのに、実はリズムに乗れていないことが原因だと言われたり・・・(え、そうなの!?と目から鱗が落ちます)だったらリズムを強化するために今日はこんな練習をしてみよう、という流れで、いわばセッション的にレッスンが始まっていきます。

これがプロに寄り添ってもらうということの凄さだと思うのです。自分のことなのに、先生からは全く違うものが見える。それに対してどうしたらいいかを的確に教えてくれる。私の「これが弾きたい」という気持ちと、先生のスキルとの相乗効果によって、自分のジャズの世界がパッと広がっていくような感覚を覚えます。

「価値共創」によって、一人でやるよりも自分らしくなっていける

これは言うなれば、「価値共創」=先生と生徒が一緒に価値を作っていくようなレッスンかなと考えています。そして、私が今、いろんなプロフェッショナルの方々にお願いしていることは、多くが同じような構造になっています。

整体師、漢方薬剤師、フォトグラファー、メイクアップアーティスト、コーチ、はたまたよく利用しているコミュニティスペースやリトリート先の宿のオーナーなど、皆さん素晴らしいスキルと実績をお持ちでありながら、「私が『正解』を教えてあげるから、あなたはこうしなさい」とは言わず、「あなたはどんな人?これからどうなっていきたい?」とまず私に問いかけ、「それだったら私と一緒にこうしていけるよ」と提案・実践してくれる方ばかりです。

そして不思議なことに、一人で何かをしているよりもずっと、本来の自分に近づいていけるように感じています。自分がこうだと思っている自分なんてほんの一部で、それぞれの分野のプロの皆さんに寄り添ってもらうことで、私って本当はもっとこうなりたかったし、実際になっていけるんだ!と驚くことばかりです。

これって双方にとって良いことだと思うのです。プロの皆さんはご自身のスキルと経験を存分に生かして価値を生めるし、私はより自分らしく伸びやかに生きていけるようになる。そして何より一緒にやっていて楽しい。立場を超えて親しい友人同士のようになり、ささやかながら私がPRのお手伝いをさせていただくこともよくあります。

価値共創的なやり方、私はとても気に入っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?