やりたいことに気づき実行にうつす簡単な方法

チェロをやりたいという気持ちさえ忘れてました

先日、衝動的にチェロを再開しました。

「やりたい」という気持ちはずっとあったけど、抑えていたんですね。チェロはやりたいけれど、ピアノもやってるし。チェロをやりたい欲求がもうないと信じちゃうくらいに、自分に「やらなくていい」って思い込ませてました。

そう、「やりたい」という気持ちがもう感じられないくらいになってました。

そんな忘れ去れられて、奥深くにしまいこまれていたチェロの欲求が突然出てきて、再開できちゃった。それには理由があります。

どうやったら押し殺した欲求が出てくるか？

精神的にも、肉体的にも疲労困憊した１週間が終わったある週末。疲れすぎていて、私は「とにかく何もやらない」と決めました。

「何もやらずにむちゃくちゃ退屈になったらどんな欲求が出てくるか？」を実験してやろうと思ったのです。

ネットも使わない。手元にスマホも置かない。いつもなら、予定がない休日は一日中でも本を読んでいられるのに、本も読まない。もともとテレビも見ない。疲れてカウチにダラーっとして、ただダラダラする。疲れて動きたくもないしリモコンも使わないので、音楽さえもかけない。

最初は、ほんとに疲れていたので、何度も寝落ちました。どんだけ眠れるんだ・・・って思うくらい。土曜日は朝寝・昼寝・夜寝三昧。日曜日はまだ疲れがのこっているけれど土曜日より元気。それでも意地でも暇を通します。

日曜の夕方になってきて、退屈感がじわじわと。「たーーいーーくーーつーーーー」って大きな声で言っちゃうくらい。

退屈だけど、やりたいことがないのです。だらだらと座り続けているカウチの前に本棚があるけれど、本を見ていても読む気にならない。何か作ることも考えてみるけど、面倒くささが勝ってやる気になりません。ピアノも今弾かなくても・・・って思う。

あえて暇にして、退屈にしてはみたものの、「何もやらない」ことは楽ちんなので、あえてこの楽ちんな状態を打破してまでやりたいことというのにはパワーがいります。「本当にやりたい！」と思えなきゃ動き出せない。

横では夫がサックスを吹いていました。楽しそうに。それをずっと聞いていて、むくむくと心の奥から欲求が出てきました。「私だって、チェロ弾きたいのに」って。

仕事の邪魔になっちゃいけないから楽器はひとつだけって自分で決めてピアノだけにして。こんな年からまた新しい楽器だなんて、って思って、ピアノで我慢してた。ピアノも大好きだけど、チェロも好きなの。ピアノはチェロじゃないの。ピアノやるからってチェロ我慢したって、チェロの欲求は満たされない。

夫は仕事とか責任とか考えず、気楽にサックス吹いて好きなことやってる。私はなんで、仕事優先で、やりたいこと我慢してるわけ？　

で、「何にもやらない」ルールを瞬時にやめて、ネットでチェロの先生を探し、速攻で申し込んだのでした。退屈で仕方ないくらいに暇にどっぷりつかると、行動に起こすパワーもすごいのです。

暇と退屈の効能

私はシュタイナー教育者です。お母さん・お父さんたちに、子どもの「暇な時間」がいかに大事かっていうこともお話しします。

子どもが暇すぎて「退屈ーーー」って言うとき、そそくさとやることを用意してあげたりしてませんか？　やることを用意してもらわなければ、自分でやりたいことを見つけ出して、「やりたい」という欲求で夢中になってやるものです。

お稽古事だとかお勉強だとか、読む本、やること、いろいろ準備して用意して与えすぎてしまうと、自分が本当にやりたいことを自分の意志でやることができなくなってしまいます。

特別好きなものじゃなくても、たくさん与えられてお腹いっぱいになってたら、好きなものが出てきても食べる気にならないでしょう？

「近頃の子は、やりたいことがわからなくて困った傾向だ」って、ずいぶん長いこと問題になってます。そんなの、当たり前です。疲れちゃうくらいに忙しすぎる学校生活、宿題、テスト。暇があったら寝たい。自分のやりたいことなんて、考える暇もない。気づく暇もない。だから当然、何をやったらいいかもわからない。気づいても、実行に移す気力もない。

暇で暇でどうしようもなくなったら、子どもはやることを見つけ出す。やらされるんじゃなくて、自分で「自発的に」やりたいことを見つけてやりだす。

子どもも大人も、たまには暇になろう

大人だって同じ。というか、大人は子どもよりもっと忙しい。お母さんにいたっては、家族全員のスケジュール管理から持ち物から食べ物から全部管理して、その上に自分のことする時間なんてない。

人間、走り続けると、大事なことを見落とします。

本当にやりたいこと。
人生で本当に大事にしたいこと。

たまに暇になって、自分の内側から出てくる声に耳を傾けてみる。すごく、大事なことだと思います。

こんな私です。どうぞよろしく。