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「確実性」という甘く美しい罠


方法論やフレームワークというのは、とても便利である。
それらは、なにかにつけて曖昧な私たちを律し、確実な方向へと導いてくれる。

そしてまた、方法論やフレームワークは美しい。
それは「成功体験」をわかりやすく言い表したものだ。目に見えない法則や仕組みや道標を、はっきりと私たちの眼前に表してくれるものである。

だが、それだけだ。

方法論やフレームワークは、ただ、それだけにすぎない。
私たちに、なにかの作業を楽にしてくれるものでしかない。

だから、それは私たちにとって、目的にはなり得ないのである。
ましてや、方法論やフレームワークに従ったから価値があるなどとは、勘違いも甚だしいものである。

とりわけ、クリエイティブな作業にとって、方法論やフレームワークは、どこまで有用なのか、怪しいものですらある。
なにかを型にはめ、結果を確実なものとし、やる前からはっきりと言い表してしまう。そのことと、創作・創造性はときおり相容れない。

クリエイティブは、この世界にある曖昧なものを拾い上げ、新しい価値観を創ることに近しい。
そのとき、どうしても、はじめから何かを決めつけてしまう方法論やフレームワークとは、協力できないのだ。

そういったことに、創作に携わるものは注意が必要である。
方法論やフレームワークは美しく、有用であるだ。
けれど、それは単なる手段であること。
そして、クリエイティブとは相性が悪くなることもあること。

そういったことを、頭にとどめたうえで、振り回されないようにしたい。


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