創造物の正体は全体と一部
人の創造物の1つの正体は、全体の最適解と一部の最適解の繰り返しである。最適解とは創造する主体が思う「これが良い」と思う創造の結果であり、即ち自身が満足する創造物だ。全体とは創造されたすべてのもの、一部とはその個別のものだ。
どんなものでも切り分ければ一部となることからわかるように、あらゆるものは全体と、そこから切り分けられた一部分に分類される。そして創作作品においてもそれはそのまま適応する。
この全体と一部が「良い」状態を常に保ち続けることこそ、創作物の特殊性なのだ。即ち全体とは一部の集合体であり、パーツの塊であるから、そのひとつひとつが良ければ良いほど全体も良くなる…と思いきや、全体のバランスが良くなければまとまりとしてダメなものとなる。その調整を行うと、今度は一部が崩れてしまうことも往々にしてある。
結果として創作は、このように、「全体と一部の調整を行ったり来たりする」ことが本懐なのだ。それができなければ、創作物は真の完成をみない。それを避けた創作は、本物とみなされない。他者に「良い」と思ってもらうことはできない。
だから、全体と一部をぐるぐる回るのである。その覚悟のもとに創られるのである。創作は、創造力は、創造性は、その拡大と縮小と巡回に命が宿る。
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