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量は運を引き寄せ、質は信頼に繋がる

 質はお金になる。しかし、直ちにはならない。量と違って質は万人が理解できるとは限らないし、万人が価値あると判断するとは限らないからだ。

 一方で量がお金になるのは、その確率を増やしているからである。大量生産によって供給させれた物たちは、そのひとつひとつが「お金を出して良いか」判断される。そしてその判断は様々な要因によって決まるが、そのひとつが運である。
 だから量を増やすことは、良い運が巡るまでガチャを繰り返すようなものなのだ。よって単純に量を増やすことは、お金になる確率を容易に上げてくれることになる。

 そう考えると、質を上げることとは、良い運を引くまでやるのではなく、一回の引きで可能な限り最大の効果を出そうという試みと言える。だがもちろん、成功するまで何度もやることではないのだから、費用対効果が悪い(ことがある)。
 少なくとも運に負けることは覚悟しなければならない。そういう意味で、質を上げることは直ちにはお金にならない。だが長期的に見て、質を上げたという事実は信頼を作り出し、確実な価値を見出されることに繋がり得る。

 そこが、量との違いだ。

 価値とは量的なものと質的なものがあることがわかっていれば、「お金になる」の意味もまた、ひとつだけではないことが理解できるはずである。

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