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まちなかの空き物件が 小さなオフィスに変わることで生まれる未来 〜 交流人口を三島のまちへ〜

こんにちは!加和太建設 広報室の村上です。

わたしたちの会社は、JR三島駅北口のすぐ目の前に築43年の本社ビルを構えています。歴代の社員たちの思い入れがある場所ですが、近年の社員数増加や社屋の老朽化を受け、本社を建て替えようと2018年夏頃からプロジェクトとして準備を進めてきました。

しかし、計画してきた建て替えに着手する寸前、このコロナ禍に直面することに。
わたしたちが知らず知らずのうちに持っていた「大きくて立派な社屋で、みんなが集まって仕事をすることが良いこと」という固定化された価値観を、どう時代に合わせて変化させていくのか……考えを改める必要に迫られました。

行き着いたのは「準備してきた建て替え計画の中止」という苦渋の選択と、「まちなか空き物件を活用する分散化オフィスと縮小した本社屋」という新しいプランです。

今回はこの新しいプランでわたしたちが実現しようとしていることを、ご紹介させてください。

自然と利便性が融合する三島のまち

空き物件を活用した分散化オフィスの話をする前に、少しだけ三島のまちのことを紹介したいと思います。

三島の市街地は、JR三島駅の南側を中心に広がっています。主要エリアは駅から歩いて15〜20分程度の範囲。東京から新幹線で最短40分という距離にある場所にもかかわらず、駅前には緑豊かな市立公園「楽寿園」があり、まちなかには富士山の湧水が湧き出る場所が点在。そこから続く美しい川も複数流れています。

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(年によって水位が変わる。今年は過去最高水位だった楽寿園・小浜池)

特に有名なのは源兵衛川。5月末になると多くの蛍が飛び交います。夏は老若男女問わず冷たい湧水に足を浸したり、子どもたちは飛び込んで遊んだりする姿がたくさん見られます。わたしも、子どもを連れて散歩や水遊びをする大好きな場所です。

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(わたしたちが運営するシェアサイクル「ハレノヒサイクル」で水辺めぐりも楽しいですよ!)

他にも、歩きまわることが楽しくなる、魅力がたくさんあるまちでもあります。魅力的なお店、集うことのできる場所、至る所にある佇まいある建物や風景……。それぞれの感性で、きっと愛着のある場所を見つけられるのではないかと思います。

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(三島のまちなかには昔ながらの看板建築も多く、味わい深い街並みなんです。)

空き物件を活用した分散型オフィスの仕組みを構築!第一弾をスタート

三島のまちの魅力を語り出したらそれだけで何記事も書けてしまいそうなので、それはまた次の機会にして……ここからは「まちなかの空き物件を活用する分散化オフィス」について少し詳しくお話ししたいと思います。

冒頭でお話しした通り、わたしたちは新社屋の考え方を新たにし、本社を小さく建て替え、本社機能の一部をまちなかの空き物件を活用して分散化させるという方法に取り組むことを決めました。

このプランでは、旧来の計画で新社屋建替にかかると想定していた金額から投資額を大きく抑えながら、社会環境や組織状況に合わせて増減ができるオフィスを整備することに切替。なおかつ「世界が注目する元気なまちをつくる」というビジョン実現につながる取り組みにもなると、わたしたちは考えています。

具体的には、1階が飲食店、2階以上が空室となっている物件を中心に空室部分を建物所有者から当社が借り、オフィスへとリノベーションします。10名前後が使用できるスモールオフィスをつくり、事業部や課ごとにそのオフィスを利用するという考えです。

それだけに止まらず、わたしたちが利用している最中でも内覧が可能。新たな借り手がつけば、転貸借し、市街地に事業者を増やすことにもつながる仕組みです。建築工事も、不動産仲介・管理も手掛けているからこそ自社で一貫して取り組むことのできるアイデアでした。

コロナ禍でどう新しい方向性に進んでいくべきか模索の期間を経て、6月に方針を切り替え、そこから工事に着手。9月には第一弾の「まちなかオフィス」が誕生し、不動産部アセットマネジメント課が利用をスタートしました。

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広さは執務室89㎡、会議室39㎡。現在は12名が利用しています。もともとは麻雀荘だったこの物件、10年近くほとんど使用されていませんでした。

間取りは南面に小さな部屋があったため、壁で仕切られ薄暗く、実際の広さより少し狭く感じるような場所でした。今回の改修工事でワンフロアとなり、開けた明るい空間に変化。気持ちよく仕事ができると、社員自身の評判も上々です。

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3階には会議スペースもあり、ゆとりあるオフィスに生まれ変わりました。

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市街地の中心にありながらも、鎌倉古道という歴史ある落ち着いた通りに面するオフィスは居心地もとても良い場所です。時にはまちなかでランチを楽しんだり、すぐそこにはわたしたちが立ち上げに携わった、廃園となった幼稚園を改修したコミュニティスペース「みしま未来研究所」もあり、ちょっとした気分転換に訪れたりもできる距離感。

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まちづくりに取り組むわたしたち自身が、まちにグッと近くことができる環境で仕事に取り組めること自体が、新しいチャレンジのきっかけになるのではないかと、ワクワクした気持ちになります。

現在は、2件目のまちなかオフィスも検討中。一歩ずつこの取り組みを広げています。

目指すは、オフィスをきっかけにした「交流人口創出」

わたしたちはこのプランを実行する前から、三島市街地の空き物件の魅力的な活用方法を模索してきましたが、新型コロナ流行をきっかけに自社に働き方を変えていく必要に迫られたことが、大きな転機となりました。このプランを実行することに決めたのは、代表の河田。その背景を聞いてみました。

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ひとつの大きなオフィスに社員を集約させるのではなく、分散して働いてもらうということを通してまちの活性化につながる方法がないかを考えました。そうして行き着いたのが今回のプランです。

社会環境や組織状況の変化に合わせ、柔軟なオフィスの在り方を実現することは会社を強くすることにもつながります。「まちなかオフィス」へ各部門を分散させながら、並行して権限委譲も図り、それぞれの部門がより自律的に機能するように変化を生み出したいと思っています。

また、自社オフィスを転貸借するという考え方は、これからオフィスを借りたいと考えている方にとっても非常にメリットが大きいと思います。現状は、オフィス空間を探したいと思っていても、既存でそうした物件がなかなかありません。借りたいと考えている方にとっては、オフィスを入る前に実際に使用している様子を見ることがきるので、イメージも湧きやすくなるのではないかと期待しています。

まずは自分たちが、この分散型オフィスを使用するところからスタートしますが、そのさきに見据えるのは「交流人口創出」です。

まちなかで働く人をオフィス環境が整備されることで増やしていくことが実現できれば、それに伴い飲食店や商店を利用する人も増えます。そして、その人たちがハブとなり、新たな人の流れが生まれます。この「交流人口創出」の流れにつなげることが、わたしたちの目標です。

今後は今回着手したオフィスづくりに加えて、コワーキングスペースなどを含むリノベーションプロジェクトや、シェアハウスも開発も並行して取り組む予定です。

まちなかの空き物件が「小さなオフィスに変わることで生まれる未来」に向けて、1歩ずつ取り組みがスタートしました。新しい人の流れ、出会い、チャレンジがこのまちにさらに溢れるように、その渦の中に自分たちも一緒に飛び込み、まちの元気をつくっていきます。

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