母が私を産んだときの超安産な話
私が高校に入学して最初に出された宿題が、生い立ちの記を書く、というものだった。国語の宿題ではなく、提出先は担任で、一年生全員に出された課題だったから、高校入学という節目に人生を振り返る、ということなのかな、と思った。何か書いて出せばいいんだろうというくらいの気楽さで、私は親から聞いたことのある話を適当に書き連ねて提出した。
後日、担任の、数学科の、生徒たちから名前に「ダンディ」をつけて呼ばれていた先生に、
「生い立ちの記、おもしろかった」
と言われた。うれしかったけど、たぶ