見出し画像

イライラ・怒りの感情

自分の感情を正しく分析することができれば人間としてまた一歩成長できるというものだ。

今回はイライラの感情について分析してみようと思う。

前から私はイライラのほとんどが、それ以外のストレスの八つ当たりであると言い続けている。

自分が正義で相手が悪。大義名分を持った怒りの正体

自分が正義で相手が悪の場合、相手を叩き潰す事は大きなストレス発散となる。
最近ネット上で「正義マン」と呼ばれるものがまさにこれだ。

真っ先に浮かんだのがリーガルハイのこの回。

かくいう私も、かつては完全にこのタイプだったから、心理状態はよくわかる。
しかしこのような思考の癖に陥ってしまうとなかなか抜け出すのが難しいので注意が必要だ。
SNSを眺めているだけで常に対象を見つけようという目で見てしまうし、とにかく無駄な事に時間が消費されてしまう。
自分が成長することよりも相手を叩き落とすことが快感になってしまうと今後の人生、大きくマイナスであると言わざるを得ない。

相手にイライラしたらまず真っ先に考えるべきこと

それは自分の親しい人(家族・恋人・親友)が同じ行動・言動をしていた場合も同様の感情になるかということ。

少し前に麻雀業界で炎上したのが、安斎君のタクシー運転手に対する「ちょっとぐらい値引きしろよ」的なツイート。
『働いている人に失礼』だとか、『そもそもそれは法的に問題がある』とか、皆が寄ってたかって批判していた記憶がある。
では、これを身近な人が言っていたらどうだろう?
ほとんどの人間は笑い話で済ませているのではないだろうか?

政治批判も同じ。
SNSで自分と違う考えを見ると「こいつバカじゃねえーの?」とイライラするが、そもそも自分の家族や恋人だって同じ政治思想の方が少ないんじゃないか?
けどそれに対してはイチイチ目くじらを立てて怒る人は少ない。
いい意味で諦めている場合がほとんどだ。聞き流していると言っても良い。
しかし考えてみると、自分の生活に影響を与えるのは明らかに身近な人達の方だ。

相手の考えを尊重するとは・・・

相手の考えを尊重するというなら、バックグラウンドも知らないSNS上の他人の方がよっぽど尊重すべきだ。
自分よりもっと勉強しているかもしれないし、自分の知らない事情があるかもしれない。
しかし私たちはそういうことは見て見ぬ振りをして批判する。

それは顔が見えないから相手を人間とも思っていないのだろう。
言い換えるなら、それは既に心が麻痺してしまっているんだ。

身近な人間に置き換えてみると、隣人問題。
近所に頭のおかしい人が住んでいる事なんて割とあるが、それに対しては真っ向から勝負を挑む事はほぼない。
常識外れの時間に騒いでいたり、ゴミを分別していなかったり、その他様々な問題が日々怒っていても極力関わらないようにする。
そう、これが日本人の本質だろう。
昔はよく「他人は他人、自分は自分」「よそはよそ、うちはうち」と聞かされたものだが、いつからかネットではこの感覚を失ってしまった。

むしろネットでは日々の積もった憂さ晴らしを”ここぞとばかり”に発揮するのだ。

そもそも怒りの感情など、見えにくいもの

もっとも人間が突発的に怒りの感情となることは何だろう?

それは直接的に危害を加えられることである。
殴られたら、怒り、そして反撃する。
それが最もわかりやすい動物的な本能というものだ。

しかし、もしも『100万円あげるから殴らせてくれ』と言う約束があった場合、どのような感情になるだろうか?
よっぽど生命の危機を感じる痛みだったらわからないが、ほとんどの場合は感情を制御できるだろう。
そう考えると、そもそも人間において怒りの感情とは絶対的なものでは全くないということがわかる。
殴られたとしても理性でコントロールできるレベルのものだから。
そう考えてみると、『誰かがなんか言ってた』なんていう自分とは全く関係ないことへの怒りは、それを利用したストレス発散であるということが明白である。

実はここまで話してきた内容は割と男性に当てはまる場合が多い。
それは男の方が人生において、幼い頃から善悪を決めて戦いごっこをしたりすることが多いし、悪を退治するという概念が自然と備わっているから。
また、対人ゲームで勝ち負けを決めることも多いから「勝つことの喜び」も身近だ。
それに比べ女性は本能的に横の繋がりを意識するというのが知られているし、それは争い自体を避ける傾向があるという事を示す。

また、人生経験においても女性は、争いに勝ては「成功」という感覚になりづらい。相手をうまく論破したところで「女なのに偉そうに」と、理不尽に反感を買う事も昔は多かっただろう。
現代においても同様の事象は多く、それゆえ女性は怒って相手をぶちのめす事が快楽へと結びついていない。

SNSで怒っている人に対しても「なんでそんな見ず知らずの人に怒ってるの?」と女性は達観している事が多い。


まとめ

イライラの感情が沸き起こってしまったら、まず真っ先に考えるべきことは、怒りの感情の対象が、他のどんな相手に対するものでも同様なのかを考える。
それは家族や恋人などの親しい人で例えるのがわかりやすい。

そして自分が置かれている環境についても考える。
自分が現在、人生において大成功している状態なら小さなSNSの炎上事に腹を立てるだろうか?と自問自答する。

そうやって分析してみると、いかに自分の感情がもろく、突発的なものか理解できるだろう。

最近、”うつ病もお金があれば治る”などと言われる事もある。
これは一概に正しいとも思っていないが、少なくとも人間の悩みは人間関係であるので、宝くじで何億ものお金を手に入れて、今後の人生働かなくても良くなればうつ病が治る人も多いのかもしれない。

これと似たようなことが怒りの感情でも言える。
もしあなたが今、宝くじが当たったのなら欲しかったものを買ったり、やりたかった遊びをするはずだ。

少なくとも見知らぬ誰かを退治しようなんて行動は頭にも浮かばないだろう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?