見出し画像

読書記録「ニューヨークの魔法使い」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、シャンナ・スウェンドソン 今泉敦子訳「ニューヨークの魔法使い」東京創元社 (2006)です!

シャンナ・スウェンドソン「ニューヨークの魔法使い」東京創元社

・あらすじ
テキサス出身のキャスリーン・チャンドラー(ケイティ)は、何度も「ニューヨークは変わった街」と聞いていたが、これほどとは思っていなかった。

変質者や強盗ならテキサスにもいた。だけど、宙に浮いた妖精や耳のとがったエルフが当たり前のように地下鉄に乗り、街を歩けば教会の屋根にガーゴイルがいるとは思わなかった。

いや、単純に私の頭がおかしくなっただけかもしれない。

ルームメイトが紹介してくれた会社の上司は、時折爆発的なヒステリーを起こす怪物(一応普通の人間)。1年も働いているが、仕事らしい仕事はせず、上司のメモにミスタイプがないか確認するだけ。

これはストレスで頭が変になっているだけかもしれない。事実、妖精やエルフがいても、周りの人は気にしている様子もない。ある種の幻覚なんじゃないかと。

そんな私に対して、”株式会社MSI”と名乗る謎の企業からヘッドハンティングの依頼が来る。会社の危機を乗り切るために、あなたの力が必要なのだと。

疑惑を感じながらも、今の仕事よりかはマシと思い面接に向かうケイティ。そこで彼女が見たのは、中世のキャメロット城さながらオフィスだった。

突然魔法使いやファンタジー世界の生き物(とは言え、現実世界に存在しているのだが)達の会社に入社したケイティ。彼女だけが持つ力を使って、会社の危機を脱出していく。

先日知人の家にお邪魔した際のこと。古本屋に持っていく前に欲しい本があったら上げるよと言われ、持ち前の”貰えるものは病気以外何でももらう精神”を発揮し、厚かましくも頂戴したのがこの本。

残念ながら、私は街中で妖精やエルフを見かけたこともないし、魔法が使えるわけでもない。矢に刺されてないから、幽波紋スタンド能力もない。

無論、自分が世界を変えるほどの力を持っているとは露程も思っていないし、そんな力は望んでいない。

世の中、おやつが欲しいときに指を鳴らしたり片手を振ればすむ人ばかりじゃないんですからね。

同著 232頁より抜粋

まぁ大抵の人はそういう能力を持たないわけではあるが、中には”天性の才能”を持っている人もいるし、仕事で優れた技能を所有している人もいる。

特にテレアポ時代なんか顕著だった。アポや商談に取り付ける人はどんどん「出る杭は引き抜かれる」し、会社でも話題になる。逆に私みたいに、1日中架電してアポの1つ取れない奴の肩身は狭い。

周りにいる人達が凄すぎて、自分が持っていないものを持っていて。

何と言うか、自分は役にも立たない人間なんだと思ってしまう。

だけど、自分が何も持っていないと思い込んでいるだけで、人間誰しも得意なことや、貢献できることはあるはずだ。

わたしには魔力のかけらもない。MBAの資格もなければ、ボーイフレンドもいない。でも、目の前に存在するものの真の姿を見抜く力はある。いまこの瞬間、それは大きな武器だ。

同著 398頁より抜粋

何事も適材適所がある。私の場合で言えば、結果的にライターに転身してからは、それなりに実力を発揮できるようになったわけで。

何より、人間は努力次第で能力や技能を高めることできる。流石に魔力を高めることはできないけれども、弁護士資格や宅建とかは、勉強次第で得られるスキルだろう。

それに自分よりも優れた人と一緒にいることで、自分を高められるという考え方もある。自分もそこに追いつこうという目標があれば、頑張れることもある。

そんなこんな、ケイティも彼女の持ち味を活かして会社の危機に立ち向かう。まぁ「普通の人間」と揶揄するには、ちょっとハイスペックな気もしたけれども。

仕事に振り回され、イケメンの魔法使いにやきもきし、恋愛にも大忙しのケイティ。果たして会社の存続やいかに。それではまた次回!



(小僧…力が欲しいか…?)

はっ!? 今何か聞こえた!?

この記事が参加している募集

読書感想文

今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。