8月17日 読書会報告
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
2024年8月17日(土)の朝に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!
この日はリピーター様が4名、新規の方が1名の計6名で朝活×読書会。
不思議な世界に陶酔するも良し。物語から未来の在り様に思いを馳せるのも良き。だからこそ読書に終わりはないのである。
紹介して頂いた本
カズオ・イシグロ「クララとお日さま」早川書房
近未来の英語圏。子どもの遊び相手として、AF(Artificial Friends/人工知能を搭載したロボット)が店頭で買える世界。ジョジー家にやってきたAFのクララが、その家族の行く末を見守っていく。
物語はクララという人工知能を搭載したロボットの目線。機械故に、常に無意識・無感情の語り部で進んでいく。
この本を紹介された方が最近「aibo」をお迎えしたらしく、もしかしたら、私の愛犬もこんなふうに世界を見て、考えているのかなと思い馳せる。
真山仁「そして、星の輝く夜がくる」講談社
2011年の東日本大震災後、応援教師として関西の学校から赴任してきた小野寺徹平。彼自身もかつて阪神・淡路大震災を経験していたが、校庭に置かれた瓦礫の山を見て、また新たに現実を受け入れた。
小野寺は生徒たちに作文の宿題を出す。被災地での日頃の鬱憤や悩みを全部書き出すこと。言いたいことがあったら、何でも言って良いんやでと。お互いに心を通わせられないまま終わるのは、悲しいのだから。
震災によって灯りがなくなったために、あまりに輝く星を見て思う。それは美しいのではなく、怖さのような気持ち。このまま死んでたまるかという反発であった。
良くも悪くも、「忘れられる」。だけど決して「忘れられない」、「忘れてはならない」ものがあるんだって。
寺山修司「赤糸で縫いとじられた物語」角川春樹事務所
劇作家 寺山修司が綴る散文詩のような、童話のような不思議な物語(ジュリエット・ポエット)の数々。
「壜の中の鳥」「1センチジャーニー」などを、寺山修司の世界観を楽しめる。言葉が非常に……幻想的な印象を覚えたのです。
昔から好きだった作品。最近、動画サイトで古いオーディオドラマがアップロードされていたのを見かけ、楽しく聴いています。
J.D.サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」白水社
クリスマス休暇前に退学処分を受けた主人公が、廃れたニューヨークでしばらく過ごす日々を描く。
大人びた言動を繰り返し、他人にも自分にも嘘をつき、道化を演じて過ごす日。しかし周囲の人間は彼を子供扱いし、だが真摯な対応をされると主人公がはぐらかしてしまう。
どんなに追い詰められても道化を演じているのは、彼自身がそういう人間なのだと思いがちだが、紹介者曰く、それは著者がそのように描いているから余計にそう思ってしまうのである。
本当の彼は「キャッチャー・イン・ザ・ライ」をする側の人間ではなく、誰かに自分を受け止めて欲しい、心の底から対面して欲しいと望んでいるのではないかと、そう思えてならないのです。
松本清張「砂の器」新潮社
蒲田操車場にて男性の遺体が見つかる事件を追う刑事。そこには巷で話題の青年文化人集団の面々と、中心人物の出生秘密が関わっていた。昭和の偏見・差別などが色濃く移されるミステリー作品。
紹介者曰く、正直ミステリーすらあまり読まないのだが、あまりの下調べの量に脱帽する。時代背景、犯行の手口、伏線などが綿密に組み立てられていて、最後のどんでん返しには流石と言わんばかり。
話が若干逸れるが、前に「名探偵コナン」の青山剛昌さんのドキュメンタリーを見た際にも、非常に下調べをなさっているからこそ、子供から大人まで楽しめる作品になっているのではないかと思ったそうで。
2024年8・9月の読書会スケジュール
8月24日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE! → 満員御礼!!!
8月31日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!
9月14日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!
9月14日(土) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
9月21日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
9月28日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!
ご興味ありましたら、コメントや各告知ページにて是非お待ちしております。皆沢に会えるのを心よりお待ちしております(*^^*)
・注意事項
こちらの読書会は、神保町ブックセンターのカフェにて開催しておりますが、運営元のUDS様の主催とは別のイベントでございます。
お見かけした際には店員さんやスタッフさんにお伺いせず、直接主催者(アンダーリムの眼鏡の男)にお声掛け下さい。
今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。