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フットボールの無い土曜日の前日譚【2】

天皇杯トーナメントの季節がやってきた

カードが決まる前から
絶対に行くんだって妄想していた試合

柏レイソル×柏レイソル U-18
翌々月に出産を控えていたけれど
重いお腹を抱えながら指定席に座った

試合が始まった

思っていた展開とは違って
高校生たちは躍動していた

だぶだぶのユニフォームを纏って
前進する選手に興味を惹かれつつ

久しぶりにちゃんと試合を観ていた

この場所に辿り着いてくれた彼らに
涙が溢れた

全力でぶつかっていくその姿に
未来が見えたと勝手に思い
幸せだと思った

ボロボロ溢れる涙を拭う事もせずに
ただただ試合を見ていた

ずっと無視していた
ポッカリ空いた穴が
ちょっと修復された気がした

ポッカリ空いた穴が
幸せな記憶で
満たされていた

この日私は
生涯忘れない試合を観てしまった

大好きだったあの選手
監督として信州の地に出向していたけど

いつの間にかこのチームから離れていた
正式なアナウンスが無かった様に記憶している

そして翌月
ちょっと早めにこどもが生まれた

子育てのバタバタが
ひと段落して
スタジアムに行く生活がまた始まった

割とマニアックな
ジョージイタリアーノという
チャントが刺さったらしく
遂にこどもに黄色い血が流れた
これを機に

そしてサイドを切り裂く
ノリノリな選手の覚醒が後押しし

長い冷戦が終結した
ついに夫とサポ仲間になった

沼落ちまでは至らなかったけれど
私はこどもと同じ背番号4を着た
中谷 進之介
移籍したことを伝えた時
こどもはちょっとだけ怒って
その後悲しんだ

違うチームにいくなら
応援出来なくなっちゃうと

とはいえ毎年必ずA名古屋戦には
進ちゃんが褒めてくれた
このボードを必ず持って行きましたよ


こどもながらに
個サポになることよりも
チームのサポーターになることを
自然に選択していて驚いた

自分も新しい番号を纏おうと思った時に
目にとまったユニフォームは
ポッカリ穴が空いた時から
ずっといた選手

当時はちょっとチャラくて
大丈夫かなぁ、、
なんて思っていたのに

いつの間にか赤い腕章が似合っていた
大谷 秀和

リスペクトが強過ぎたのか沼落ちとは違ったけど

コロナ禍明け
初のファンサを貰いにいきました♡


そんなとある日
流山からJリーグへ

聞いたこともないクラブの
Instagramが流れてきた

ふーーん、そうなんだ
感想は以上

私にとって応援するチームは唯一無二
大学サッカーだって見なかった

学生時代にサッカー部の彼に
何度誘われても
応援に行かなかった、、
そういえばCFだったらしい
でもそこが理由ではない 笑

その位基本的にはドライで
拗らせた人間なので

好きなチーム以外は観に行かない事だけは
自然と徹底していた

だから今
色んなチームの試合を観る様になったのは
まさに青天の霹靂

今は私も使えるようになったけど
夫がTwitterをしていて
楽しそうな呟きは
たまに見せてもらっていた

好きなチームのサポーターさんで
推しアイテムを
無限に回収しているコ達がいて
そんな総じてユース推しの彼女達を
微笑ましくみていた

あんなにゴール裏で
肩肘張って 負けん気張って
女だからと言われない様にと
無理やり意地をはるのではなくて

こういう応援のカタチは良いなと
明るくて 光が射しているなと

その中のひとりが
NAGAREYAMA F.C. のマネージャー
になることを知った

〝あ!そのチーム聞いたことある!〟
やっと繋がった点と点
チームに興味を持って調べようと思った

好きなチーム以外観ていないから
元Jリーガーである代表のことすら
分からないポンコツぶり、、、

ただ、1人だけ記憶に引っかかる名前があった

平久 将土

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