マガジンのカバー画像

[詩]

5
私の詩たち
運営しているクリエイター

記事一覧

[詩] さようなら秋

[詩] さようなら秋

1年のなか いちばん
あたしのこころを 寂しがらせる

秋はセンチメンタル
呼吸が 肺に 入らない

ばいばい 手を振った 友が
あの角を曲がった あと
刃物で刺されて死なないか

あたしのこころは はち切れそう

描いちゃいけない未来が
あたしのあたまを 蝕むの

秋はセンチメンタル

こんなあたしを

許してくれるなよ

[詩]罰

[詩]罰

てきとうな相手と手を繋いで、ハグでもして、駄目な気持ちになった頃、やっと、一日は終わる。
全然綺麗じゃない月が、空に佇み、これから明けていく夜になんの未練もないような顔してる。

いつも足りない。自分を満たすものを知らない。例え知っても与えない。
ただ枯れてゆくのを待つ私の胸は、本当の愛を知らなかった。

帰り道、繰り返す過去を両手ですくい、涙と共に流れさせたら、やっと、時計の針は進む。
自分自身

もっとみる
[詩] ふらすとれぃしょん

[詩] ふらすとれぃしょん

うたをうたいたいのに
うまくうたえないとき
ぼくのからだのなかは
ぐつぐつと にえかえり
やりたい と できない に
はさまれて つぶされる

えをかきたいのに
うまくかけないとき
ぼくのからだのなかは
ぐつぐつと にえかえり
やりたい と できない に
はさまれて つぶされる

しをかきたいのに
うまくかけないとき
ぼくのからだのなかは
ぐつぐつと にえかえり
やりたい と できない に
はさま

もっとみる
[詩] 頭の中の小人

[詩] 頭の中の小人

頭の中にはきっと、小人がいるんだ

なぜだか僕を嫌ってて
蹴ったり抓ったりしてくる

それに対して腹を立てれば
今度は縄でぐるぐる巻きにして
僕の脳みそをこらしめるんだ

目を瞑ったら少し楽だけど
小人は、死んではいないから
次の出番をじっと待ってる

僕が
過去からモンスターを連れてきて、実際の何倍も大きく、恐ろしく仕立てた時

今度は
未来からモンスターを連れてきて、妄想の城のパーティーで好き

もっとみる
[詩] いかってる

[詩] いかってる

ひゅうーっと

背中から首をとおって
頭にぬけていく熱が

僕が“いかってる”ことを教える

知った、僕は
背中から首をとおって
頭にぬけていく熱を

もっと上までぬけさせる

そのままもう戻らなくてもいいという思いで
上へ上へぬけさせる

ぼうっと火がともるように

めらめらと燃え上がるように

僕はいかりの熱を頭へ
空へ天へとぬけさせるのだ