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アメリカで働いて感じる良い会社の条件

2003年にアメリカに渡ってから今年でちょうど20年となった。米国に渡る前日本で10年働いた。アメリカに渡って最初の5年は日本の会社で働いた。その後の15年は3つの純アメリカの会社で働いた。職種は一貫して変わらない。製薬会社で働く、新薬の安全性を研究・開発するトキシコロジストという研究者だ。今、僕は自分の仕事がめちゃ楽しい。経験を積んで余裕・自信が持てたことももちろん大きい。でも、ラッキーなことに自分にとってとてもしっくりいく会社で働けることがとても大きい。なぜ、仕事をそれ程までに楽しめるようになったか?良い会社の条件を考えてみた。

はっきりしたミッションを掲げている

自分がやりたいと思える仕事、自分の特性を活かして自分のミッションと思える仕事は、めちゃ楽しい。一方、その仕事の意義もわからないまま、ただただ上から「やれ!」とだけ言われて、しなければならない「やらされ仕事」となると、これほど苦痛なものはない。場合によっては、精神や体まで病んでしまう。会社が、はっきりしたミッションを掲げており、それが自分のミッションとしっくり一体化したとき、超やる気モードになれると思う。会社がミッションを明確にしてしてくれていれば、自分がこれだ!と思える会社に巡り会える可能性が高くなる。今僕のいる会社は、独自に開発したプラットフォームで、十分に治療法が確立されていない種類の癌の治療薬を開発して患者さんに届けることをミッションとしている。僕は、これまでにない新たな治療薬を世に出すことにめっちゃワクワクする。特に癌や難病の治療薬にこだわりがある。はっきりしたミッションを掲げている会社は良い会社だと思う。

失敗を恐れず、リスクを取り、挑戦する社風がある

失敗やミスを恐れてビクビク働いていたら、もちろん仕事は楽しくない。失敗やミスを恐れる余り、何の成長も期待できない、新たな経験にもつながらない無難な仕事ばかりしていても楽しくはない。チャレンジングでどう転ぶか分からない、でも、どうしても気になる、ワクワク感が消えない時、それは自分が挑戦すべき仕事のサインだと思う。そんな雰囲気で100%能動的にプロジェクトが始動できる風土ができている会社は良い会社だと思う。

もちろん、会社は、利益を出さなければ、潰れる。全く現実味のないチャレンジを、社員の成長のためだけに許し続けていれば、会社として成り立たない。学ぶだけの学校ではなく、ビジネスの真剣勝負の場なのだから、自分の特性を活かし、100%自分で説明責任のとれるプロジェクトにする覚悟の上にしかチャレンジできないという厳しい緊張感も併せ持った社風が必要だと思う。

時間でなく貢献で評価する

日本のビジネスのニュースや特集番組を見ていると、あまりにも時短、ワーク・ライフ・バランスを気にしていると感じる。ただ、1日の労働時間が7時間を超えたから、消化不良でも途中で仕事をやめて帰宅しろというのが健全なワーク・ライフ・バランスとは僕にはとても思えない。アメリカで働いていると、マネージャーが部下の労働時間まで監視したり、口出しするところを経験したことがない。誰もがプロフェッショナルとして働いているのだから、他人に労働時間を管理されるのはおかしいと思う。長時間働いても疲れず、それでも元気に働ければ、それはそれでいい。ただ、自分の頭で考えて、濃い働き方、短時間でも圧倒的な貢献ができる働き方を工夫できれば、それがもっと素晴らしい。自分の頭で考え、自分の最高のパフォーマンスが出せる働き方を見出すことでプロフェッショナル意識が高まると思う。僕には、日本の会社のマネージャーがただただ労働時間が長くならないように監視するシステムが、部下がプロフェッショナル意識を持ち、成長していくのを、邪魔しているように感じられてならない。会社は、単純にそれぞれの社員がどれだけ会社に貢献するかで評価すれば良い。時間の使い方は、それぞれの人間が、自分自身の頭で自分の特性を理解して考えろ!と放任するのが本当の意味で自立したプロフェッショナルを育てる会社の風土だと思う。

以上の3つが僕がアメリカで20年働いてみて感じるワクワクする働いていて楽しい良い会社の条件だ




#COMEMO #良い会社の条件

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