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#7 台南のラピュタへ!安平・碗粿(ワーグイ)・牛肉湯

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この日は、台南市の西部にある海沿いの街・安平というエリアにバスで移動。

台北は、交通網がかなり発達していて、中心部なら観光客でも簡単に電車で移動出来て便利だけど、台南はそれに比べるとやや不便。
もちろんタクシーやUberを使えば快適だと思われます。

ただ、私は昔からバスやローカルが主に利用する交通手段に乗るのが好きで。(ただし治安は確認して、危険性が高いと判断した時は避けるけど。)
それに1人利用ならタクシーより圧倒的に安いしね。

台湾は、基本的に乗る意思をアピールしないとバス停にとまってくれないので、乗りたいバスが来たら、手を上げるなどをして運転手さんに知らせるシステム。
難しいように思えるけど、私が利用したバスはすべて前方上部に路線番号が大きく表示されていたので、遠目で確認できたし、慣れればなんてことなかった。

安平へはおよそ30分のバス旅。

目的地は「安平家屋」という、ガジュマルに覆われてしまった廃屋。

イギリス人によって1867年に設立された商社で、戦後には塩工場の事務所として使われていたものの、時代とともに使われなくなるなかで、ガジュマルが繁殖し、次第に建物が飲み込まれるように浸食されていった場所。

ガジュマルの生命力と人間の手の入れ方のバランスが絶妙

まるで天空の城ラピュタのような雰囲気で、木の根をこじあけて向こう側に滑り込みたくなるような場所がいくつもあった。

屋根もすっかりなくなった完全なる廃屋なのに、それをびっしり覆うような濃い緑や太く力強さのある幹は、エネルギーのかたまりのようで、朽ちるという表現は似合わない。植物の生命力はすごい。
まさにここから森が始まっていくような、パワフルさがある。

浸食したはずなのに、かつての営みを守っているような健気さすら感じられた。

いつでも崩れ落ちそうだけど、そこは鉄骨などでしっかり補強されていて、階段もあり、上から建物を眺められるなど、観光地としても見応えも考えられた手入れがされていた。

とはいえ、いずれはどうにもこうにも支えきれなくなり、廃屋だったこともわからなくなる日が来るだろう。

人におすすめかというとどちらかというと地味だしなんとも言えないけど、私はめちゃくちゃ行ってよかった。
あ、撮る人によってはめちゃくちゃ映えスポットだと思う。

ちなみに植物のパワフルさは生き物にも伝播するようで、しっかり対策していたのに2か所くらい蚊に刺されていた。蚊もエネルギッシュなのでご注意を。

さて、安平には他にも見どころがいくつかあるのだけど、1人の時は興味がある場所以外は基本的にあまり観光をしないので、メインストリートに立ち寄りながらぶらぶらと海の見える方へ。

ワンピースの存在感たるや…

港は、綺麗に整備されていて船も多かったけど、ワンピースのイベント中だったらしくあちこちにパネルやオブジェがあって、どこを切り取っても麦わらの一味が写ってしまった。

ちなみに台湾で人気なのか、とにかくチョッパーの存在感が主役級にすごかった。

チョッパーしかいないじゃん

海辺を散歩し小腹が空いたので、近くにあった牛肉湯2件目へ。平日の開店時間直後だったにもかかわらず満席で、5分くらい待った。いいね。

申し訳程度の野菜を添えて。

ここは、前回食べたものよりスープに塩気があったけど、牛肉が大ぶりなのでちょうどいい。そして、大きいのにかなりやわらかい。超ジューシー。

(1軒目のお店はこちら)

食べ比べてみたらスープは1軒目、牛肉は2軒目のが好みという結果に。きっと台南のどこかにこれを叶えてくれる牛肉湯屋さんもあるんだろうな。

青菜もニンニクたっぷりで、アツアツで美味しかった。しかし本当に名物ばっかり食べてたら野菜不足になるわ。

それからまた路地裏なんかを散策し、バスで台南市街地へ。

日が傾きだしてからふらふら歩いていると、碗粿(ワーグイ)の文字を発見。
これ、食べてみたいものリストにあったやつだと思い、そのままお店へ。

碗粿(ワーグイ)と四神湯というホルモンスープを。

照明がチラチラしていたからか色ムラがすごい

噂では、ライスプディング的な、茶わん蒸しのような伝統食と聞いていたけど、正直イメージはできないよね。

スプーンを差し込むと、けっこう弾力がある。
なんだろな~。例えが難しいけど、決してプリンや茶わん蒸しのようなちゅるんとしたテクスチャーではない。もっちり?むっちり?

まず研究してみると、中には鶏肉、エビ、きのこなどの具がゴロゴロ入っている。

味の想像ができないまま食べてみると、もうこれが美味しいのなんの。今回の旅行の中でも、衝撃度で言えばかなり上位に入るくらい美味しかった。
食べられるならまた食べたいし、もしまた台南行ったら、これの食べ比べがしたい。

とはいえ、先に行っておくけど、もっとわかりやすく美味しいものはあると思う。期待して食べたら「そんなに?」ってなるかもしれない。

どちらかというと地味な味。味付け的には中国醤油ベースの甘めダレかな?って感じ。確信は無い。ざっくりいえば照り焼きダレに近いかな。というか、炊き込みご飯?ちまきを粒が無くなるまでギュッとした?みたいな味かな。笑

滋味深いというか、伝統的な家庭料理みたいな落ち着きのあるおいしさで、いい発見でした。
ちなみにホルモンスープは何度も食べたことあるけど、ここのはめちゃくちゃほろけるくらい柔らかいホルモンに、大根やハトムギが入っていて、豪華で美味しかった。この店、たぶん他のも美味しいんだろうな。

それから、神農街というどのガイドブックにも乗っているであろうスポットまで散歩したものの、台南レトロな写真が撮りたいか、ちょこっとした雑貨屋さんで買い物したいという人が楽しい場所だったため、私は散歩道として通り過ぎるくらいで満足。

その途中にもちょこちょこガイドブックなどに乗っているようなスポットがあったけど、やっぱり私は特にそそられるものが無かった。

入り組んだ裏路地に急に現れるモダンな光景

1人旅は基本的に話し相手がいない。
何をしても、感じても、考えても、共有できる人がいない。

だから、自分の中の会話がものすごく増える。
声に出さないだけで、頭の中は普段の8倍ぐらいずっと独り言をつぶやいているようなものだ。

だからこそ、気付けることもある。
自分の好き・きらい、楽しい・つまらない、という子どものような感覚をそのまんま自分に伝えることができる。

大人になると、どんなに親しい間柄、たとえ家族でも、ドストレート直球で会話するなんてことはほとんどなくなってくる。
本音を伝えるにしたって、相手を思い、なるべくやわらかな表現で伝えようと心がける。

それは決して悪いことではないけれど、自分との対話が増えると、自分に遠慮は必要ない分、バシバシ感情が開けてくるような感覚がある。

台湾旅行4日目。私は久しぶりにその感覚を取り戻した気がした。

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