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アリスのビスケット


記憶というのは曖昧且つ強固なもので、こびりついたら取りにくく、思い込んだら定着する、形がなくとも強いパワーのある不思議なものです。

“不思議の国のアリス”の中で、ジュエリーボックスのような箱の中に入っていた、食べたら大きくなったり小さくなったりするキャンディーみたいな、チーズみたいな、色鮮やかなものは、きっとクッキーではないとわかっていながら、頭の中ではクッキーとして記憶されてます。だから、クッキーなんです。


そして、そのクッキーが入ってた箱は、実はこんな感じでもないんだけど、こんなイメージで、きっと、頭の中にあるバイキンマンを、いざ描いてみようとすると、なんかちょっと違うけど、なんか分かるものが出来上がるのと同じ感じで、なんか絶対に違うけど、それでけっこう満足だったりします。


で、実際に見てみても「あれ?こんなんだったけ?」と、拍子抜けするほどの再会で、記憶の中で生きていた長年の曖昧さの積み重ねが、現実を超えてしまうことありますよね。もしかしたら、会わないままの方がよかったなって、場合もあったりするかもしれません。


…タイトルにビスケットと書いておきながらずっとクッキーと言っているのも、もうあれですね。また、記憶が自然と塗り替えられる日も間近なようです。



ランドリー・・・

どこか懐かしさを感じる、帰る場所としての「 写真 」「 道具たち 」を扱っております。

 [ ものがたり ] 盆暮れ正月となれば、何かをするためというわけでもなく、とりあえず帰ろうとする。でも「 帰ってきた 」と、心から深くそう感じられる場所へ、ふと帰りたいと思って振り返った時には、いつの間にか、もうその場所はどこにも無いと気づくこともある。そんな時に、何気なく撮っていた一枚の写真がその役割を果たす時があるように、家のどこかでなにか見覚えのあるような道具たちも、心の帰れる場所があるのでは?と思ったのでした。みなさんにとっての「ただいま」を、感じてもらえる体験となれたらと思います。








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