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田舎は都心の先をいく町?”地域”をテーマに探究学習を進める2人の高校生にインタビュー

今年の4月から、全国各地の高校で「総合的な探究の時間」が始まって半年。そろそろ自分の探究テーマが見えてきて、調べ学習の手段を考えてみたり、自分なりの仮説を立ててみたりしている高校生も多いのではないでしょうか。

この記事では、認定NPO法人カタリバが運営する、探究学習に取り組む高校生たちのコミュニティ「カタリバオンライン for Teens」を利用している子の中から、「地域」をテーマに選んだ2人をご紹介。

地域で暮らす楽しそうな大人たちの姿に影響を受けたり、地域のさまざまな立場の方と出会い話し合う中で思わぬ広がりを見せたり、一人ではできなかったようなチャレンジができたりと、地域ならではの環境をうまく活用してプロジェクトを進めている2人に、プロジェクトの内容や、探究学習を通して起きた変化や得た学びについて聞きました

※本記事で紹介しているインタビューの内容(全文)は、「カタリバオンライン for Teens」が運営するマガジン「 ”問い”を育む 高校生たちの物語。」に掲載されています。

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■ありをさん(広島県在住、高校2年):サイクリング×商店街活性化で「移動商店街」に挑戦


他地域から高校進学で広島県神石高原町に移り住んだ”ありを”さん。地域課題と自分の好きなことを組み合わせてテーマを検討する中で、「移動商店街」にたどり着きました。

写真はイメージです


――今取り組んでいるプロジェクトについて詳しく聞かせてください。

地域創生同好会のメンバーや友だちを誘い、授業外の時間で学校の近くの商店街へ出向いてスノードームの販売活動などをしました。

「自分自身の好きなもの」と「社会課題」をどう結びつけるかを考える中で、「サイクリングが好き」と「商店街の活性化」がつながり、移動商店街のアイデアにたどり着きました。

実際には、コロナの影響で人が集まることへのリスクがあり、なかなか販売してほしいという声をいただくことができなかったり、スノードームは手作りなので生産が間に合わなかったり、上手くいかないことも多かったです。

それでも、販売活動をする中で、たくさんの地域の方やお客さんから温かい声をかけてもらい、感想をいただけたのはとても嬉しかったです。

――探究活動を通じて、どんな学びや変化がありましたか

学校がある神石高原町には高校生になってから初めて来たのですが、神石高原町の課題と向き合う中で、ある意味、田舎は都心の先をいく町だと思いました。自分が住んでいる町もいずれ高齢化しますし、今住んでいる町でできる対策なども考えることができました。

神石高原町のことはよく知らなかったのですが、純粋に深く知れたことが嬉しいし、色々な人に協力してもらい、人って温かいんだなと感じました。自然がきれいで、景色が良くて、野菜が美味しい。そんな神石高原町の魅力にも出会うことができました。

もう1つは、人との交流の楽しさを知ったことです。
人と交流するのは得意ではなかったのですが、活動を通じて多くの方に声をかけていただき、自分が提供しているものに反応があったりする中で、色々な人と積極的に交流していきたいと思いました。

▼プロジェクト詳細、これからのチャレンジ、メッセージなどインタビュー全文はこちらから

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■けだまさん(宮城県在住、高校3年):地域の魅力を伝える”オリジナル図鑑”を作成


宮城県丸森町の「わくわく」「魅力」を伝えるために自分は何ができるだろう......という想いから、得意だった絵を活かして、地域の方々と一緒に手書きの図鑑を作るプロジェクトを進めるけだまさん。丸森町だけでなく、最近では仙南地区の図鑑づくりにも取り組んでいます。

作成した図鑑の一部


――今取り組んでいるプロジェクトについて詳しく聞かせてください。

図鑑を作成し、地域のわくわく(魅力)を伝えていくことが、私のマイプロジェクトです。まず宮城県の丸森町を舞台に「丸森図鑑」 の作成に取り組みました。 町に愛着を持つみなさんに魅力を書いてもらい、地域の魅力がどんどん伝わっていくことを目指していました。

そして、今年はフィールドを広げ仙南地区を舞台に「仙南図鑑」を作るために動いてます。「丸森図鑑」が一区切りついたタイミングで仙南地区以外に活動を広げようか迷ったのですが、社会教育主事で講習をしている方や仙南地区の皆さんとお話しをする中で、「もっとここにいたい!」 と思い、引き続き仙南地区で活動しています。

丸森町も私にとっては地元ではなかったのですが、マイプロジェクトを通じて新しい出会いや学びがたくさんあり、今度は「仙南図鑑」を作ることで、もっとたくさんの刺激やワクワクが待っているんじゃないかと感じています。

――探究活動を通じて、どんな学びや変化がありましたか?

1番は「自分のワクワクする気持ちを大事にしたい」と思えるようになったことです。 丸森町でのプロジェクトを通して、自分が好きなこと・叶えたいことを大事にしている人がたくさん いて、すごくキラキラ輝いていました。 そんな姿を見て、私自身もそうやって生きたいと思いました。まずは自分自身がその気持ちをずっと大切にしたいし、自分の想いを言葉にする力がついたと感じています。

もちろん、楽なことばかりではありませんでした。周りから何度も「なんで?」と問われることでモヤモヤすることも多かったですし、自分自身と向き合う作業が続き、思い出しても苦しかったりします。

その中で、「生きることと学ぶことは一緒」だということに結びつきました。学校の勉強がすべてではなく、丸森図鑑の作成など地域の活動や日々の生活の中にさまざまな学びの形が転がっていて、それを積み重ねていくことで成長するということを活動を通して学びました。また、活動が未来にいつかどこかでつながるんだろうと感じています。

▼プロジェクトを始めた理由、これからチャレンジしたいこと、メッセージなどインタビュー全文はこちらから

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いかがでしたか?
SDGsなどと並んで探究テーマに取り上げられやすい「地域」というテーマで具体的にどんなプロジェクトが進んでいるのか、地域での探究活動を通してどんな気づきや変化があったのか、実際の声をお届けしました。

最後に、この記事を読んでくださった高校生と教員のみなさまへご案内です。

高校生のみなさまへ

認定NPO法人カタリバが運営している「カタリバオンライン for Teens」では、探究学習に取り組む高校生向けのさまざまなプログラムを無料で提供しています。

ワークショップやファシリテーションなどのスキルアップを目指すもの、対話しながら学びを深めあうもの、高校生自身が自分のやりたいプログラムを企画化したものなど、自分にあったプログラムにぜひ参加してみてください。


高校教員のみなさまへ

この記事で紹介している「カタリバオンライン for Teens」は、生徒たち自身のサポートだけでなく、探究学習を担当している先生方のサポートもおこなっています。利用している先生方の声や、活用方法などはこちらからご覧ください。


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