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#拵

拵をつける重要性

拵をつける重要性

昭和60年刊行の大素人第28号を読んでいたところ、「拵をつける重要性」と題した小海次郎氏による興味深いコラムを発見。

詳細は上記を読んで頂けたらと思うが、このコラムで言いたそうな部分を抽出、要約すると主に以下のような感じだろうか。

さてこのコラムが寄稿された時から40年近くが経っているわけであるが、今はどうなのだろうか?
私自身この刀の世界に飛び込んでまだ5年しか経っておらず詳しい事は依然分か

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三日月宗近の拵を見てちょっとした発見

三日月宗近の拵を見てちょっとした発見

昨日「本阿弥光悦の大宇宙」を見たついでに、東京国立博物館常設展の刀剣コーナーを久々に見てきました。
すると三日月宗近が展示されていたのですが、なんと拵も展示されていました。
私自身初めて見ます。

興奮。

そしてこちらが拵。柄や鐔は消失してしまっているのでしょう。

鞘尻に付く石突金物も消失しています。

石突金物はこんなやつです↓

さて拵をよく見てみます。

鞘部の蒔絵を見るとなんと右から五

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時代拵が異様に安く買えるお店

時代拵が異様に安く買えるお店

模造刀に数万円出すのはちょっと待って…!
そのお金で質の良さそうな本物の時代拵が買えますよ、というお話です。

模造刀のどの部分に価値を見い出すかは人それぞれですが、大体3~5万円程というのがそこそこ良い模造刀を買う上では必要な金額ではないでしょうか。
中でも○○モデルなどのように有名な刀を模した高級模造刀になると10万円を越してくる場合も。
そんな中ではありますが、実は3~5万円出したら本物の拵

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1億円の日本刀の返礼品が…!

1億円の日本刀の返礼品が…!

今年も残すところあと少しですね。
12月といえばふるさと納税、という事で今年も日本刀関係の返礼品が無いか調べていたのですが、目新しい物はあまり…

ありました…!!!

1つだけ超高額、1億円の返礼品ですが。
毎年変わり映えのしない返礼品の中、今年初めて見た気がします。

ルイヴィトンやブルガリなど世界的なブランドを手掛けるアトリエ・オイ(atelier oi)氏と関市のコラボ商品。

過去にも銀

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卓上短刀箱2.0の設置例

卓上短刀箱2.0の設置例

お客様より短刀の刀身、拵、白鞘の3点を同時に飾りたいと要望があり、
良い方法はないかというご意見を頂きました。
現状制作している展示ケースで3つ同時に飾れる物は作っていないので、既存のもので実現する方法について書きます。

①「卓上短刀箱2.0」を3台組み合わせて展示する例

以下の「卓上短刀箱2.0」を3台使用して刀身、拵、白鞘を展示する方法です。

イメージとしては以下のようにケースを横並びで

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ヘンテコな拵

ヘンテコな拵

私が刀沼にはまってから早5年。
まだこれを超えるヘンテコな拵に出会った事がありません。

まさに魚好きな人の為の拵。
さかなクンのように魚好きな所有者が過去いたとでも言うのだろうか。
この拵を腰に付けて街中を歩けるというのは、なんだか少し微笑ましい。

因みに以下の拵もなかな見たことの無い図柄で面白い。

今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです^

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身分による下緒の色(江戸期)

身分による下緒の色(江戸期)

打刀拵を見ると鐔のすぐ近くに紐が付いており、これを「下緒(さげお)」という。

下緒は脇差拵や短刀拵にも付いていて、栗形に下緒を通して帯と固定する事で鞘が容易に抜け落ちないようにするという用途がある。
伝承では下緒を使って悪い者を捕まえるための縄にしたというのも聞きますが、編み込まれた紐であっても御用するほどの耐久性や即効性の面で効力があるのかは個人的には疑問が残る。
例えば帯に巻き付けた紐を直ぐ

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刀の傍に銅碗

刀の傍に銅碗

刀展示ケースに拵を飾るにあたり冬場は乾燥してしまう事があり、今までは加湿器などを付けて40~60%に納まるよう調整していたのだが、刀屋さんなどでもよくコップ1杯の水を刀の近くに置いておくだけでもだいぶ違うよとアドバイス頂けた事があったので、実戦したい気持ちは以前よりあった。
(乾燥しすぎていると拵の漆にひびが入ったり割れたりしてしまうので、刀身と違い拵の管理には特に神経を使う)

しかし適当な容器

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切羽の取付け向き

切羽の取付け向き

小判のような形をした板に茎孔が開いている物を「切羽(せっぱ)」と言い、鐔を挟む形で取り付けられます。

切羽の役割としては刀剣ワールドさんに以下のように書いてあるので引用させて頂きます。

他には鐔を交換した際に、若干厚みが異なるとガタついてしまうので、スペーサーとして切羽を入れたという説もあります。 

・切羽の取付け向きが混乱するしかしこの2枚の切羽は見た目が非常に似ているため、取付向きが良く

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2023.2.18 東京都支部刀鑑賞会①

2023.2.18 東京都支部刀鑑賞会①

本日は今年初の東京都支部の刀鑑賞会へ参加してきました。

テーマは刀が「末古刀」、刀装具が「拵と笄について」でした。
今日は刀装具を拝見しての感想を書き、明日入札鑑定の振り返りを書こうと思います。

刀装具のテーマは「拵と笄について」・拵拵がテーマという事で並んだ拵は、島津家伝来の大小拵、伊達家伝来の小さ刀拵、毛利家永久家老の益田家伝来の腰刀拵など。
まず目を引くのが益田家の腰刀拵であり、黒漆を塗

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日本六十四州 文化文政間(1804~1830)諸大名紋所集

日本六十四州 文化文政間(1804~1830)諸大名紋所集

先日祖父の遺品の中から文化・文政(1804~1830)ころの諸大名紋所集なるものがあったので頂いてきました。
祖父は富山刀剣研究会に所属していたのでしょうか。

こちらの資料は昭和31年に富山刀剣研究会の岡田兼次氏と山村正之助氏が世話人となり発刊されたものであり、文化文政年間の諸大名の家紋を載せた本のようです。
支部で配られたものと思われ、今では希少本になっていると思われます。
勿論愛刀家の方で所

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刀装具は高いが拵はそうでもない不思議

刀装具は高いが拵はそうでもない不思議

刀装具の名品は高い。
「重要刀装具」に指定されている刀装具等であればそれこそ良い刀を買うのと変わらず300万円以上は基本かかってくるし、それを拵用に集めるとなると軽く1000万円位はかかってしまう。
更に上のクラスともなると鐔1枚で数千万などしてくるから驚愕な世界である。
そもそもそうした名品は現代は疵を避けるために拵に付ける物ではなく、単体で鑑賞を楽しむものであったりする。(尚後藤家の作のように

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白手袋を使うタイミング(日本刀の話)

白手袋を使うタイミング(日本刀の話)

刀や刀装具を扱う上で白手袋はどんな時に付けるべきなのか混乱されている方もいらっしゃるかもしれません。
結局のところ「郷に入っては郷に従え」という所が最終的な答えなのですが、ここでは多くの人がしている一般的なルールについて触れます。

①白手袋を着用してから触るもの・拵

拵には漆や柄糸、金具など様々な材質の物が凝縮されています。
漆しかり柄糸、金具然り、古い時代拵に手の油が付く事で劣化が進むものも

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