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刀工について

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#日本刀

行光の変わり出来について

行光の変わり出来について

以前東京都支部で拝見した変わり出来の相州行光短刀について。
確か光山押形などの所載品だったと記憶している。

鑑賞会という場であったので限られた数分の時間を使用して何度か拝見した程度でしかないが、やはり行光という刀工の概念を変えるような作に感じた。

行光といえば新藤五国光の作風(精美で潤いのある鉄に細やかな小沸の付いた直刃、細い金筋がはいる)を受け継ぎつつも、のたれ刃で地景がより目立つ作風という

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鐔の現存する刀工

鐔の現存する刀工

室町時代頃の製作と考えられる古刀匠鐔などは元は刀匠が刀を1振り製作する度に簡易的な(装飾の無い)鐔も合わせて製作していたという説がある。
こうした室町期の鐔には銘が無い物が殆どであるが、桃山時代頃から鐔にも銘を入れるようになる。

代表的な所でいえば、金家、信家、埋忠明寿であるが、中でも埋忠明寿は刀の作も現存している事から、鐔も刀も現存しているという意味では一番古い刀匠であり金工であるとも言える。

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肥前国忠吉 鑑賞メモ

肥前国忠吉 鑑賞メモ

肥前国忠吉(初代)の初期作から晩年作まで3振と、陸奥守忠吉(3代)1振の重要や特重の名品を手に取り拝見させて頂いたのでメモ。(因みに画像の忠吉短刀は関係ありません。鑑定書ランクは書かなくても良いかと思いましたが名品と書くだけでは主観になり分かりづらいので分かりやすさの指標として書いておきます)

1振目はいわゆる秀岸銘時代の作で肥前国忠吉と五字銘の入った初期銘の作。
中切先でやや浅く反り南北朝頃の

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マイナー刀工の存在について

マイナー刀工の存在について

少し刀工の名前を羅列する。

さてこれらは何かというと「埋忠刀譜」に掲載されていた刀工銘で個人的に聞いた事が無かったものを羅列したもの。
中にはこれ有名だろ、という刀工もいるかもしれないが浅学なのでご容赦頂きたい。

「埋忠刀譜」は刀剣博物館が所蔵する押形集で埋忠家が1605~1660年(江戸時代初期)にかけて仕事の依頼を受けた名刀についてほぼ原寸大で精密に描かれた茎図を中心とした刀絵図が、おおむ

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貞宗の在銘品について

貞宗の在銘品について

少し前に徳川美術館で「相模国住人貞宗 建武二年正月日(1335年) 奉納御宝前 生年甲午四十二歳」と切られた小脇差が展示されていると話題になっていました。
なぜ話題になっているかと言えば、相州貞宗の在銘作は皆無と言われてきたからです。
そんな貞宗の在銘作が展示されていたとしたら大発見です。

写真を見ると徳川美術館蔵でかつ、端龍院殿墓所出土、尾張徳川家二代、徳川光友所持の物とのことで信用度がとても

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八文字長義が海外へ行った後の話

八文字長義が海外へ行った後の話

一時期販売されていて話題になった佐竹義重所持と伝わる「号:八文字長義」。南北朝期の長船長義の作。

号の由来は、鬼義重の異名で恐れられた武将、佐竹義重がこの刀で相手方の騎馬武者を斬ったところ、兜もろとも頭部が真っ二つになり馬の左右に分かれて落ちた事に由来します。

その後この刀を台湾の日本刀蒐集家が購入した、というニュースが話題になりました。

今回はその後の話になります。

なんとこの八文字長義

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虎徹の不出来説について思うこと

虎徹の不出来説について思うこと

虎徹といえば刀に興味が無い人でも名前くらいは聞いた事のある有名な刀工。最上大業物でもあり、とにかく「切れる」イメージが強い人もいるかもしれない。

そのネームバリューは海外にも通じ、確か1年ほど前のクリスティーズだったか?に出品された虎徹のミュージアムピースともなると特保でも3500万円ほどの値が付いたのは記憶に新しい。
4年前位の大刀剣市では確か4振しかない特重指定の虎徹が6000万円ほどで売り

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正宗十哲展で見た「島津正宗」の真相

正宗十哲展で見た「島津正宗」の真相

先日ようやく正宗十哲展を見に行く事が出来ましたが、京極正宗や稲葉郷などはじめ、よくもこれだけの名刀を集めたものだと感心しきりの展示会でした。
その中でも個人的に特に大ニュースというか驚いた点で言えば「島津正宗」の新事実でしょうか。

島津正宗の伝来について刀剣ワールドさんのHPから抜粋すると以下の通り。

この島津正宗は継平押形に掲載されたものと同様物が2014年に見つかった事で、京都国立博物館に

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清磨は愛刀家の終着点?

清磨は愛刀家の終着点?

先日刀屋さんより興味深いお話を聞いた。
それが「源清磨が愛刀家の行きつく先」という話。

清磨と言えば幕末頃の刀工であるが、2尺3寸ほどの刀を買おうと思えば3000万円位は少なくとも用意しないと買えない。
脇差でも1000万円以上は必要。
これは大名家に伝来した特重や重美といったクラスの古名刀が買える金額であり、幕末の刀工の作でその金額に達しているのは当然ながら清磨以外にはいない。
清磨だけ別格の

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代表的な上古刀

代表的な上古刀

最近上古刀についてのブログを書いていたので、代表的な上古刀についても紹介します。上古刀は奈良時代以前の反りのない直刀を指します。

ただ上古刀といっても約400年位の期間があります。
3世紀半ば~6世紀末頃までを古墳時代、592年~710年の期間を飛鳥時代、710~794年を奈良時代と呼んでいます。
その時代毎に登場した有名な上古刀を紹介します。

①古墳時代(3世紀~6世紀)の上古刀・金錯銘鉄剣

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肥前刀の特異 伊予掾源宗次

肥前刀の特異 伊予掾源宗次

こんなにも素晴らしい刀工が新刀に存在したのか?
と度肝を抜かれた今日。
匂口深く躍動感のある乱れ刃を小沸主体で焼いている。
反り深く明るく冴えた刃中には金筋などかかり、刀身表面は地沸で煌めき、繊細な中に覇気を感じる様はさながら古刀のような印象を受けたので、雑筆ながらメモ。
以下は刀剣ワールドさん所蔵の初代の画像。

・伊予掾源宗次について佐賀藩の城主である鍋島勝茂に仕え1606年に伊予掾を受領。後

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耳の不自由だった唯一の刀工、聾長綱

耳の不自由だった唯一の刀工、聾長綱

昨日久しぶりに帝国ホテルにある霜剣堂さんへお伺いさせて頂いた時の事。
古宇多や延寿といった作の他に、ある刀工の作を見せて頂いた。

それは歴史上刀工の中で唯一耳が聞こえない刀工の作であった。(実際にはもっといたかもしれないが記録として残っているのは彼1人)

皆さんは聾長綱(つんぼながつな)という刀工をご存じだろうか。
本名は北村市左衛門といい、近江守忠綱(初代忠綱)の門人。
二代忠綱は一竿子忠綱

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正宗らしい正宗とは

正宗らしい正宗とは

無銘が大半の正宗において、正宗らしい正宗とは一体どんな正宗を指すのだろうか。
正宗の中でも評価は人により分かれるのかもしれないが、数年前に日刀保の講師の方が城和泉守正宗(正式名称:金象嵌銘城和泉守所持 正宗磨上本阿)は正宗らしい正宗で出来も別格と仰っていたのを思い出す。
城和泉守正宗の地鉄を見ていると、今回の第27回特別重要刀剣指定で正宗に極められた短刀も同じ地鉄をしていたし、以前拝見した重美の正

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南北朝期の相州名工「広光」

南北朝期の相州名工「広光」

昨日密輸された刀の正体を追っていましたが、どうやら南北朝期に活躍した相州伝の名工「広光」の作だったようです。
大倶利伽羅広光や火車切広光が有名ですね。
今回は広光についてざっくりと調べました。

①南北朝時代の刀の特徴