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【かすみを食べて生きる 27 リハビリ病院1か月目④】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録

脳梗塞 発症25日目:リハビリ病院4日目
・食事:飲み込みができないため絶飲食。食事は鼻からの経管栄養。
・状態:歩行訓練中。日中、歩行器自立。終日、車いす自立。
・嚥下:嚥下訓練中。首を左に向ければごく少量の水を飲み込める。

リハビリ病院序盤、日々いろいろなことが起きた。

これまでのお話はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
発症24日目:リハビリ病院1か月目③
 
発症26日目:リハビリ病院1か月目⑤>


転倒こわい

明け方、斜め向かいのベッドから、ドスンという音が聞こえた。
昨日入院した門田(仮)さんのベッド。
心配したがナースコールを押したようですぐに看護師さんが来た。
朝早い時間にも関わらず複数の看護師さんが集まり、にわかにあわただしくなる。
一人で車いすに移乗しようとしてつまずいたらしい。
車いすへの移乗はまだ看護師介助が必要だったらしく、看護師を呼ぶようにきつく言われている。
痛みもあるようでレントゲンを撮りに行くことになり、病室から連れていかれた。
転倒。こわい。
ここまでのリハビリがゼロになるどころか、けがをしたり頭を打ったりすれば、さらなる障害を負いかねない。
しばらくして門田(仮)さんは戻ってきた。怪我はなかったらしい。
よかった。よかった。
この門田(仮)さんの転倒により、私の転倒防止への意識はがっつり高まった。

病室でウクレレを

朝食。今日は同室のみなさんデイルームに食べに行かれていて、病室に私一人となった。
ウクレレチャンス、到来!
昨日中庭にウクレレを弾きに行けたことで、またチャンスが来るかもと思い、昨晩の経鼻栄養の時間に弾きたい曲のコードをWebからノートに写譜しておいた。
看護師さんには他の人がいない時には弾いていいですよと言われている。
経鼻でのお食事をいただきながら、私はウクレレを小さな音で鳴らした。
た。
いいねぇ。
ウクレレを弾きながらのお食事。優雅。
病室全員がいなくなる機会はほとんどないけど、またチャンスを狙いたい。

昨晩コードを写譜しておいたノート

はじめてのリハビリ室

コロナ感染対策で制限のかかっているリハビリ室。
病棟ごとに曜日が決められ分散利用となっているらしい。
今日は初めてのリハビリ室。
広く開放的なトレーニングルーム。
理学療法士田中さん(仮)のリハビリでは歩く練習や、数段の階段を上り下りする練習をした。
まだ頭を動かすとめまいがする私は、階段で下を見れない。
目線だけ落として段を確認するも怖い怖い。
これを何段も降りるなんて無理。
しばらく階段は課題となりそう。

氷菓子解禁!

言語聴覚士下浦さん(仮)のリハビリ。
今日は首周りの筋トレをした後に、下浦さん(仮)が私を車いすにのせて病院の売店に連れて行ってくれた。
久しぶりのシャバの空気。
そしてなんと、氷菓子であれば口に入れて出すことが解禁!!
飲み込みのできない私は、急性期病院で氷を噛んでは口から出すことで空腹をしのいでいた。
この氷に味がついてたらいいのにと思ったことは何度もあった。
これからは空き時間に売店にきて、氷菓子を買って口にすることができる(まだ飲みこめないけど)。
まずはずっと思い描いていた、森永のICE BOX!!
味の付いた氷といえばこれ!
でも売店には見当たらなかった。
泣く泣く夫にお願いメッセージを送った。

夜のコンサート

向かいのベッドの楠本さん(仮)。
挨拶するといつもにこにこしてくれる。
夜、皆が寝静まったころ、歌声が聞こえた。
はじめは寝言かと思ったけど、明らかに歌ってる。
楠本さん(仮)、寝ながら歌ってる!寝歌!
と思ったらすぐに寝息になった。
いきなり歌が始まった時は怖かったけど、次に同じことがあったらハミングでハモりにいきたい。


ーー振り返って

リハビリ病院。急性期病院と比べると自由度がぐっとあがり、日々いろいろなことが起こりました。
この日もリハビリ室と売店という新たな世界が広がりました。
ウクレレを弾くチャンスもたまに訪れます。
同室の方は皆さん大先輩のようなのですが、こちらも日々様々な変化がありました。
大丈夫ですか? それは危ないですよ! 寝歌!
急性期病院で、他の患者さんと関わることに注意深くなっていた私は、ベッド越しに心の中でツッコミまくっていました。
毎日小さな事件はたくさん起きて、私の中だけに積もっていく時期でした。

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