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かすみを食べて生きる82:食べてはいけないクッキング

脳梗塞 発症2か月と19日目:リハビリ病院2か月目㉙
食事:脳梗塞(ワレンベルグ症候群)の後遺症のため、嚥下ができなくなり訓練中。食事形態は、昼食は常食(普通食)、朝夕食はみじん食。首を左に向けると飲める。
状態:歩けるようになってきた。終日、館内フリー歩行自立。きょろきょろすると少しめまいがする。

今日は調理訓練。
久しぶりに、包丁で肉を切る。
そして作ったものを食べることはできなかった。

これまでの記録はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
<発症2か月と18日目:リハビリ病院2か月目㉘
 
発症2か月と20日目:リハビリ病院2か月目㉚>


朝ごはん#25

おかゆアート:16分音符

朝はみじん食。
献立はこちら。

  • ほうれん草の和え物

  • 大根の味噌汁

  • マンゴーペースト

  • ジョア

  • おかゆ

  • アイソカル100

出たな!繊維が曲者のほうれん草の和え物!
先日のほうれん草の練りごま和えの際、300回噛めば飲みこめたほうれん草の和え物。
今日はどうかな。

ほうれん草は繊維がしっかり

前回よりは、繊維が少なく柔らかい感じがする。
でもしっかり噛まないと飲み込めない。
家で葉物の和え物を作る時は、かなり柔らかめにゆでた方がよさそう。
所要時間は45分。がんばった。

食べてはいけないクッキング

今日の作業療法のリハビリは調理訓練。
ADL室の中にある、キッチンスペースで行う。
台所での調理を想定したリハビリを行える場所で、流しにコンロ、調理台、調理器具や食器も一通りそろっている。
今日のメニューは家でもよく作る親子丼。
材料は作業療法士の花井さん(仮)が準備してくれた。

親子丼の材料

まずは玉ねぎと鶏肉を切る。
ここまでリハビリ用パテを使って包丁の訓練はやってきたけど、実際の食材は切った感触が違う。
脳梗塞の後遺症で感覚異常のある右手にとっては久しぶりの感覚。
玉ねぎはまだ大丈夫だったけど、鶏肉は切ると手に力がかかりぞわぞわ感が走った。
うぅ…気持ち悪い…と唸りながら切った。

玉ねぎを調味料と水で先に煮て、鶏肉を加えてさらに煮る。
鍋をかきまぜた時、鍋からの湯気が右手に当たり、またしても感覚異常発動。
ぞわぞわで気持ち悪い。少し痛い?熱いのか!
右手は温度感覚が鈍っているから、料理の時はやけどに気をつけないといけない。
特に湯気は当たった感覚がないからわかりにくい。

あと料理で集中しすぎると、唾液を飲むことを忘れて途中でむせてしまう。
これは家でも要注意。

最後に卵を加えて半熟の状態でごはんにのせてできあがり!

おいしそうにできた親子丼

久しぶりに作ったにしては、おいしそうにできた。

でも、これは食べてはいけない。
なぜならコロナの感染症対策のため。
味見も許されない。一口も。
コロナ、こんなところまで。

食べていないので本当にちゃんとできたかわからないけど、家に帰って親子丼は作れることがわかった。

お昼ごはん#38

軟飯アート:ヘ音記号

親子丼のお預けをくらっておなかがすいたけど、すぐにごはん。
昼食は常食
献立はこちら。

  • ビーフシチュー

  • サラダ

  • 果物

  • 軟飯

  • アイソカル100

おぉぉ!ビーフシチュー!!
牛肉、会いたかった!!
牛肉の塊が飲みこめないのではという不安もあったけど、牛コマだったようでよく噛めばおいしくいただけた。
ちょっとお肉を探してしまった。
サラダの生野菜も少し心配だったけど、これはもやしと同じく噛めば水分が出てくるのでそれを先に飲んで、残った繊維をしっかりかみつぶせば飲める。
カット白桃はおいしいけどなかなかの量。

所要時間は58分。
ぎりぎり、1時間を切れた!

ブランコにのると気持ちが悪くなる

午後からは理学療法士田中さん(仮)の第5回屋外歩行訓練。
今回は少し離れた公園まで歩く。
外を歩くことにはだいぶ慣れてきた。
途中小さな公園があった。
私が退院後、子どもと一緒にブランコに乗れるか心配という話をしたところ、田中さん(仮)は試してみましょうかと言ってくれた。

誰もいない公園で、恐る恐るブランコに乗る。
2、3回こいだところで気持ちが悪くなった。
田中さん(仮)「これはまだやめておいた方がよさそうですね」。
子どもと二人で公園に行ってうっかり乗っていたら、気持ち悪くなって動けなくなるところだった。
試してみること、大事。

アイスのナッツに気をつけろ:カロリーを求めて#4

病院にいるうちに、食事以外にもいろいろなものを食べる練習をしている。
今日はこちら。

アイス:SUNAOマカダミア&アーモンド

アイスクリームを食べたかったけど、手ごろなものがなく、ナッツ入りのものになってしまった。

アイスの中にはナッツがごろごろ

表面はなめらかだったけど、アイスの中にはナッツがごろごろ。
口に入れて先にクリーム部分を飲むと、残るナッツ。
噛んでも噛んでも、ザラザラ。
これは危険。誤嚥注意報発令。
途中で断念しかけたけど、ナッツだけでなくクリーム部分も一緒に噛んで飲みこめば何とかなることがわかった。
でも難易度は高い。

夕ごはん#18

おかゆアート:ストライプ

お風呂に入ってさっぱりしたら夕食のみじん食。
献立はこちら。

  • だし巻き卵、大根の煮付け添え

  • 高野と南瓜の煮物

  • おかゆ

  • メイバランス(ミックスベリー味)

卵と高野は噛んでも口の中でぽろぽろになる難易度高ランク食材。
今回卵は大根と、高野は南瓜と一緒に食べることで乗り切った。
食べ合わせがよく食材をまとめてくれるものが一緒だと食べやすい。
所要時間35分。
いろいろあった一日の最後に、いいタイムだった。


ーー振り返って

作ったのに食べられない調理訓練。
味見だけでもしたかったです。
調理訓練の時には気づかなかったのですが、家で料理をする時、味見をした後によくむせています。
首を左に向け味見をした後、すぐに目の前の料理の方を向かないといけないので、嚥下が中途半端な状態になってしまうようです。

理学療法の屋外歩行訓練ではブランコを試してみました。
この他にも理学療法士の田中さん(仮)は私が子どもと遊ぶことを想定して、サッカーやキャッチボールもリハビリに取り入れてくれました。
後遺症で足元のバランスが悪いので、発症後初めてボールを足で止めて蹴り返す動作をやった時は怖かったです。
頭を左右に動かす動作も苦手なので、サッカーの試合でボランチをやるのは難しそうだなと思っていました(やったことはないけど)。

明日は家族も交えて、リハビリ医の四谷先生(仮)との面談です。
今後の見通しが立つのか立たないのか、ドキドキしていました。

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