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かすみを食べて生きる76:さらば愛しきミキサー食よ
脳梗塞 発症2か月と13日目:リハビリ病院2か月目㉓
・食事:脳梗塞(ワレンベルグ症候群)の後遺症のため、嚥下ができなくなり訓練中。食事は朝夕はミキサー食。昼食はみじん食にとろみ汁物つき。首を左に向けると飲める。食事以外の時間は水分、プリン・ヨーグルト程度は食してもよい。
・状態:歩けるようになってきた。終日、館内フリー歩行自立。きょろきょろすると少しめまいがする。
1か月つきあってきたミキサー食。
別れは意外と突然だった。
これまでの記録はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
<発症2か月と12日目:リハビリ病院2か月目㉒
発症2か月と14日目:リハビリ病院2か月目㉔>
朝ごはん#19
![](https://assets.st-note.com/img/1716298433973-dArXAlqTZ2.jpg?width=800)
今朝も朝食はミキサー食。
普通のおかゆに描くことも考えてシンプルに楽しそうなもの。
おかゆを笑わせてみた。
献立はこちら。
卵豆腐
マンゴーペースト
ソフール
おかゆ
アイソカル100
卵豆腐はミキサー食でもそのまま出てくるのね。
これは食べやすい。
卵豆腐も家に帰って食事の準備がしんどい時に使えそう。
所要時間はアイソカル込みで45分。
いい調子。
さらば愛しきミキサー食よ
朝食後、言語聴覚士下浦さん(仮)のリハビリにて。
現在私の食形態は、朝夕食をミキサー食、昼食をみじん食に必要に応じて汁物のとろみを自分でつける形で食事をとっている。
昨日、一昨日と昼食でセルフとろみのみじん食を食べて今のところ問題はない。
下浦さん(仮)「いけそうなので今日の夜から、ミキサー食はやめてみじん食一本でいきましょうか!」
私「い、いけますかね」
下浦さん(仮)「いってみましょう!」
食事訓練が始まってここまでも下記のような段階があった。
ミキサー食(昼食のみ)
ミキサー食(朝・昼)
ミキサー食(朝・昼・夕)
みじんとろみ食(昼)・ミキサー食(朝・夕)
みじん食セルフとろみ(昼)・ミキサー食(朝・夕)
食事の回数を増やすこと。食形態を上げること。
毎回不安はあるけれど、この下浦さん(仮)の笑顔と勢いに背中を押されて次の段階に進んできた。
今回も、下浦さん(仮)の笑顔が頼もしい。
そもそも退院を急ぐ私には、やる、以外の選択肢はない。
こうして先ほど朝いただいたミキサー食が、最後のミキサー食となった。
ありがとうミキサー食。
君とはいろいろあったけど、嫌いにはなれなかった。
毎回味わいながら元の料理や食材が何か、頭をぎゅんぎゅん回して考えるのはちょっと楽しかった。
マンゴーペーストには悩まされたけど。
さよなら、またいつか嚥下力が衰えてお世話になる日が来るまで。
お昼ごはん#32
![](https://assets.st-note.com/img/1716300648407-utW2DDU0jh.jpg?width=800)
さぁ、ミキサー食に別れを告げた一食目。
セルフとろみのみじん食。
献立はこちら
煮込みつくね焼き、白菜の煮びたし添え
大根のかか煮
みそ汁
おかゆ
アイソカル100 1本
つくね、結構ぱさぱさする。
噛んでもまとまらないのでここはみそ汁のとろみに助けてもらう。
ひき肉だからかなぁ。
昨日のささみの方がしっとり感があって食べやすかった。
煮た野菜はいまのところ大丈夫そう。
所要時間30分。
1か月ほど前の1時間以上かかっていた時に比べると、発症前の食事時間に近づいてきた。
夕ごはん#12
![](https://assets.st-note.com/img/1716301218603-LgSxMmgrQc.jpg?width=800)
いよいよ、夕食ではじめてみじん食をいただく。
献立はこちら。
豆腐と野菜の味噌煮
ほうれん草の練りゴマ和え
みそ汁
おかゆ
アイソカル100 1本
まずほうれん草の練りゴマ和え。
しばらくもぐもぐ。
あ、これは…。
![](https://assets.st-note.com/img/1716301477593-adKw4nhvS5.jpg)
繊維がすごい!
噛んでも噛んでも繊維をつぶしきれない。
とはいえそのまま飲むとのどに引っかかりそう。
噛む、噛む、噛む。
飲みこめそうになってきたところで飲みこむ。
なんとかいける。
もう一口。今度は飲めるようになるまでの咀嚼回数を数える。
もぐもぐもぐ。
うん、300回位噛めば、飲める。
そしてもう一つのおかず、豆腐と野菜の煮物。
野菜の部分が刻んであって、豆腐の上にあんかけのようにかけてくれている。
このドロッとした野菜の塊の中にも、何かすごく強い繊維がある。
他の食材と混ざっていることもあって狙って噛めない。
野菜の繊維、これはしばらく難敵になりそう。
おかゆをゼリーにできる粉
夕食の時、摂食・嚥下障害看護認定看護師の早坂さん(仮)が様子を見に来てくれた。
家に帰った際に自分で食事を準備する際に、こういうものもあるよとサンプルをくれた。
![](https://assets.st-note.com/img/1716302114280-GOFgwJeTnt.jpg?width=800)
スベラカーゼ!
あの酵素でどろどろおかゆをゼリーにするという、スベラカーゼ!
ミキサーがゆの時に会いたかった!
私はこの存在を知っていた。
友人で言語聴覚士のみやこさん(仮)から聞いていた。
そしてワレンベルグ症候群の患者さんの闘病ブログで、訓練食として「おかゆゼリー」を食べているとの記録を見たことがあった。
サンプルはありがたい。
家に帰って使ってみよう。
ーー振り返って
ミキサー食との別れは、意外と唐突にやってきました。
最後のミキサー食と思わずにこの日の朝食を食べていました。
ミキサーがゆはベトベトするので咀嚼に時間がかかり、根気もいります。
あれに鍛えられたと思うけど、のどに張り付いてむせる危険も常に感じていました。
おかゆゼリーがあるのなら、最初はその方が安全なのではないかと思います。
セルフとろみのみじん食は、ミキサーがゆを食べ始めたころのように、食材によって飲みこみやすさの違いがありました。
どの食材のどの部分が飲みこみにくいのか。
どの程度噛めば飲みこめるのか。
一食ごとに検証しながら、退院後のために「食べにくい食材リスト」を作る日々が始まりました。
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