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かすみを食べて生きる74:セルフとろみのみじん食

脳梗塞 発症2か月と11日目:リハビリ病院2か月目㉑
食事:脳梗塞(ワレンベルグ症候群)の後遺症のため、嚥下ができなくなり訓練中。食事は朝夕はミキサー食。昼食はみじん食に追加とろみ用汁物つき。首を左に向けると飲める。食事以外の時間はスプーン飲みであれば水分を飲んでもよい。
状態:歩けるようになってきた。終日、館内フリー歩行自立。きょろきょろすると少しめまいがする。

みじんとろみ食からさらに一歩、みじん食へ。
ここからまた、一つ一つの食材と向き合うことになる。

これまでの記録はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
<発症2か月と10日目:リハビリ病院2か月目⑳
 
発症2か月と12日目:リハビリ病院2か月目㉒>


朝ごはん#17

おかゆアート:チューリップ

朝食はミキサー食。
チューリップもいい感じに描けた。
献立はこちら。

  • えび玉あんかけ

  • マンゴーペースト

  • ソフール

  • おかゆ

  • アイソカル100

卵ベースにえびの風味のあんかけ。おいしい。
所要時間はアイソカル込みで40分。

セルフとろみのみじん食:お昼ごはん#30

昨日、初のとろみ食で、おかずがすべてとろみの味になることに衝撃を受けた
そこで相談したところ、おかずはもう一段上のみじん食に移行して、汁物にとろみをつけてもらい、必要に応じておかずにとろみを足す形にしてもらえることになった。
食形態、セルフとろみのみじん食という2.5段階目、的な食形態となった。

おかゆアート:みじん

全粥に梅ペーストで「みじん」と書いて気づく。
でこぼこしていて書きにくい!
ミキサーがゆは平たくて、まるで白いキャンバスみたいだった。

それはさておき、みじん食。
献立はこちら

  • 和風グラタン

  • 炒り豆腐

  • みそ汁

  • おかゆ

  • アイソカル100 1本

刻んでひと塊にまとめてある。
うまくのどを通るかな。
いただきます。
まずは左上の和風グラタン。これは食べやすい!
元の料理も恐らくソースが具材に絡んでいるから噛んでも口の中でまとまりがいい。
そして何より、噛んで食べる喜び!おいしい!!
右上の炒り豆腐は少しパサつきがあって、口の中でばらける。
これはとろみ付きのお味噌汁と一緒にいただくとちょうどいい。
おかゆもおいしい。
噛んで食べると食べた感がぐっと出る。
ひどくむせることはなかった。
ごちそうさま。
所要時間45分!
ミキサー食と大差なし。いけそう!

でもここで一つ落とし穴。
最後、栄養剤のアイソカルに薬をといて飲むのだが、溶け切らずどうしても粉が残ってしまう。
それをうまく飲めないと、がっつりむせてしまう。
要注意。

駄々っ子系男子

最近、食事でデイルームに集まる患者さんに新しい方が入った。
大柄な高齢男性。
とにかくすぐ大きな声を出して看護師さんを呼ぶ。
特に食事が食べ終わった後。
病室へ戻るのに介助が必要な患者さんは、食べ終わると順次看護師さんが同行する。
看護師さんの人手は限られているので、食べ終わった後もしばらく待つことになる。
これまで皆さん比較的穏やかに待っていた。
しかし、新しく入った男性はお構いなし。
「おーい!早く連れて帰ってくれー!」
大きな声で何度も叫び続ける。
困ったことにその方は大柄なので、介助に看護師さんが二人必要でどうしても後回しになる。
そうするとこれまでは静かに待っていた患者さんたちも、「遅い!」「遅すぎる!」とざわざわし始めた。
デイルームの雰囲気はたった一人の患者さんによって支配された。

その中で私は耳にイヤホンを入れて一人黙々と食べる。
男性の大きい声は、高齢者といえど怖い。
イヤホンのボリュームを二段階上げて食べるようになった。

夕ごはん#10

さて夕ごはんはミキサー食。

おかゆアート:すみれ的なもの

ミキサーがゆにはお絵描きをしやすい。
でも絵心があるかどうかは別のお話。
献立はこちら。

  • ミートローフ

  • チンゲン菜の煮びたし

  • キャベツのスープ煮

  • おかゆ

  • アイソカル100 1本

手前のキャベツのスープにはトロトロで食べやすい。
奥のミートローフはお肉感があってのどにやや抵抗がある。
とはいえミキサー食は食べやすい。
所要時間もアイソカル込みで35分。
最速記録更新!


ーー振り返って

みじん食デビューでした。
ミキサー食と違い「噛める」「食感がある」ことは大きな感動でした。
提案してもらった汁物にとろみをつけ、必要に応じて追加するスタイルはとても助かりました。
特に和風グラタンはほぼ一カ月前にミキサー食でいただいたメニューだったので、やっと近い形で食べることができました。
ミキサー食の時はなぞのピンク色で魚の独特な風味に首をかしげながら食べましたが、今回は鮭とホワイトソースを感じることができました。

病棟の患者さんはそれぞれ随時退院して、また新しい方が入院してきます。
メンバーは少しづつ入れ替わりながら、病棟の雰囲気も徐々に変化していきました。
時には一人で、デイルームの雰囲気を引っ張るような方もいます。
これまでデイルームの環境は比較的落ち着いていたんですね。
自分のペースを乱されないよう、気をつけていました。


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