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映画「鬼太郎誕生日 ゲゲゲの謎」ネタバレ 感想

映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観て、うーんと思った。水木さんが戦地を体験した際、「お前らは死ね、俺は見て、上に報告するから」と言う隊長の様子には、恐怖を覚えた。

戦地から帰還した後、水木さんの母が親族に騙された様子は、実家での経験を彷彿とさせ、「家を出たおじさんたちに財産を狙われる」という共感をした。うちも、家長の祖父が早くに亡くなり、父親が祖母と「意地汚い親族(祖父の兄弟ら)」と、うわべは綺麗に丁寧に「財産を奪われないように」と頑張っているのを見てきたからだ。

人は、お金や「上の命令」やらで、いつでも、鬼になることがある。水木さんの経験は、人間不信に陥ってもおかしくないと感じさせた。

また、「社会の活性化のため、文明開化や、産業を豊かにするため、誰かを犠牲にしても良い」という考えは、明治時代から日本が続けてきたことだと思う。戦時も戦後も、この考え方は変わらないと思う。労働基準法など、新しい憲法の中で築かれたり、守らねばならない「権利」はある。しかし、どれだけの会社や行政が「働く人」を大事にしているのだろうか。「人権尊重」と言いつつ、安全安心に働き、迫害されない権利を主張し、戦わなければ守られない現実がある。

特に、桜の木に幽霊族を巻き付け、生きながら血を吸わせて利益を得る映画のシーン姿、社会の比喩のように映る。

私が非正規公務員として働いていた時、上司から「障害者はトラブルを起こすから、やめてくれ」という差別的な発言を受け、上司らを信じられなくなった。そして、「公務員の平等委員会」に訴えたものの、「聞けません」と言われた。「労働局」は管轄外だとされた。
なぜなら、私の立場が「非正規公務員」だからだ。

そうした理不尽な境遇を作る側(私の場合は行政機関や公務員)には、理不尽さは関係がないと思う。
ある首長が暴言で止めさせられていたけど、「公務員」が「平等委員会」に訴えたらしい。しかし、彼らは「試験を通過した公務員」だ。

あの翁は「理不尽さを作る」側で、「やられる側の気持ち」は理解できないのだ。それは、まるで私に「障害者はトラブルを起こす」と伝えた、ある公務員の上司(課長、係長)と同じのようだ。

家庭内の性的虐待については、母親や他の家族は無視することが多いと思う。あるニュースで性的虐待をした父親を訴えた娘に「祖母や母」が「止めろ」と伝えた話を聞いて、ゾッとした。そんな実話(ニュース報道や、記事の取材)を彷彿とさせた。

作中で女の孫が、祖父に贄として差し出される場面は、この問題を象徴している。

映画は、社会問題を包括し、最後には「必死に生きる」というメッセージを伝える。

また、閉鎖的な村の空間は社会風刺として描かれている。

また、「女性は供物であり、何をされても良い」という考え方は、昔から変わらずに存在する。

「光る君」という大河ドラマは平安時代を舞台にしており、貴族で位が高ければ、自分の妻、娘や姉妹に「子を生め」と迫り、天皇に嫁にさせる。そのあと、妻になれば、同じように迫る。また、娘に良い位の貴族の旦那がいれば、「私を重用するように伝えろ」と命じる。

これを見ると、「自分たちは何もしないのか」という不快な感情を抱かせる。

そんな時代背景を知りつつも、やはり不快だ。どんな国にも「王朝」や「政治」があると、必ず起きそうだ。

清少納言(ききょう)や紫式部(まひろ)が、己の心のままに時に諦めながらも懸命に生きる姿は、非常に魅力的に感じる。苦労をしても、生きる。

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