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お嬢様とヒツジとの哲学的口論

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2018年9月の記事一覧

お嬢様とヒツジとの哲学的口論「議論って、する意味あるの?」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「あーあ、本当にムカつく! 今日学校でディベートをしたんだけどさ、わたしたちのグループの方が負けちゃったんだよ。絶対、こっちの方が正しいと思うのにさ!」
ヒツジ「そりゃ残念だったが、そもそも、ディベートっていうのは、別に、正しさによって勝敗が決するものじゃないからな」
マイ「

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「頼んで産んでもらったわけじゃない!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「お母さんもお父さんも、本当にウルサイ! 勉強しろ、門限を守れ、礼儀正しくしろ、早起きをしろ、食べ過ぎるな、スマホを使いすぎるなって、もう、ごちゃごちゃごちゃごちゃさあ! 子どもだから、親の言うとおりにしなくちゃいけないって、どうなの!? 産んでやったからだって? 別に、こっ

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「人間は、『花』なんかじゃない!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「学校の合唱コンクールで、『世界に一つだけの花』を歌うってことになったんだけどさ、わたし、この歌の歌詞おかしいんじゃないかなと思う」
ヒツジ「なにが?」
マイ「だってさ、『ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン』なんて言って、花屋に並んだ花を例にしているけ

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「間違ってても、伝わればいいじゃん!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「あー、ムカつく! 今日、国語の授業の時にさ、作文で、『満天の星空』って書いたのを、先生が間違いだって指摘してきたんだよ! 確かに、『満天』っていうのは『空いっぱい』って意味だから、満天の星空っていうと、空いっぱいの星空ってことになって、間違いだけどさ」
ヒツジ「間違いを正し

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「えこひいきする教師なんて、教師の資格無い!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「学校の担任が、お気に入りの生徒を露骨にひいきするんだよ! 信じられる?」
ヒツジ「信じられるかも何も、割とよく聞く話だけどな」
マイ「そんなのさ、教師としておかしいじゃん! どの生徒にも公平に接するべきでしょ!」
ヒツジ「教師だって人間なんだ。自分が好きな生徒はひいきして、

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「キャラをやめたい!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「あーあ……」
ヒツジ「どうした?」
マイ「友だちの相手して、疲れたのよ。席替えがあって、ある子の隣になったんだけど、その子、なんでもかんでもグチる子でさ、この頃学校に行くと、ずっとその子のグチを聞いているんだ……」
ヒツジ「そんなもん黙って聞いていることないだろ。『いいかげ

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「更生するのがエラいなら、普通の方がもっとエラい!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「若い頃に不良だったけど、今は更生して真面目に暮らしているっていう話がさ、時々、いい話みたいに紹介されるけど、バカじゃないの? それなら、もともと不良にならなくて、真面目に暮らしている方が、もっといい話のハズじゃん! 何でみんな更生した話なんかに飛びつくの!?」
ヒツジ「簡単

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「後悔したくないから、いい方法教えなさい!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「あーあ、言わなければよかったこと、つい言っちゃった……」
ヒツジ「気にするな。何を言ったか知らないが、どうせお前が言うことなんてつまらないことなんだから、相手も気にしてないだろ」
マイ「なぐさめ、どうも! でも、これ、相手がどうこうって話じゃないのよ。自分が後悔しているんだ

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「わたしには、わたしだけの使命があるはず!」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「はあっ……」
ヒツジ「どうした? 恋の悩みか?」
マイ「違うわよ……わたしって、どうして生まれてきたんだろうって思ってさ」
ヒツジ「まあ、そう思いたくもなるよな。才色兼備とはほど遠い、頭脳も容姿も十人並みで、特技があるわけでもなく、性格も口も悪い。絶望して死にたくなるのも分

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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「哲学を勉強して、ステキに生きる!?」

〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。

マイ「えーっと……なになに……なるほど、なるほど……」
ヒツジ「お前が活字の本を読んでるなんて珍しいな、何読んでるんだよ?」
マイ「失礼ね。わたしだって本くらい読むよ! しかも、あんたみたいなヌイグルミには分からない高尚な本を読んでいるんだから! ほら!」
ヒツジ「これで分かるニ

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