2022年の「かしわもち」 #noteまとめ

 2022年も残りわずかとなりましたが、柏書房の公式ウェブマガジン「かしわもち」では今年もたくさんの記事(自社比)をお届けしてきました。

#noteまとめ レポートによれば、こんな感じだったようです。

(2022年12月28日時点)

 たくさんの方にお読みいただき、本当にありがたいです。

 本稿では今年始まった連載や、今年「かしわもち」から書籍化された本の情報などをまとめたいと思います。よろしければ、年末年始の読書の参考にしてください。

 それでは来年も、よろしくお願いいたします。

柏書房一同

2022年の新連載

高島鈴『巨大都市殺し』

【内容】本連載は、人を管理し封じ込めようとする、あるいは周縁化し排除してかかろうとする巨大秩序=メガロポリスの暴力に抵抗するため、個別具体的テーマから都市に対する〈殺意の言語化〉を試みるものだ。われらはいかに都市に叛き、いかに都市の侵蝕を図りうるのか。巨大メガロ都市ポリス殺しの武器はそこらじゅうに転がっているはずである。

【情報】高島鈴さん初の単著『布団の中から蜂起せよ』(人文書院)が「紀伊國屋じんぶん大賞2023」第1位に選出されました。おめでとうございます!

安達茉莉子『あの時のあの感じ』

【内容】今、私たちは、生きています。けれど、今を生きている私たちには、自由な「時間」が十分になかったり、過ぎていく時間の中にある大切な「一瞬」を感じる余裕がなかったりすることがあります。生きているのに生きた心地がしない——。どうしたら私たちは、「生きている感じ」を取り戻せるのでしょうか。本連載ではこの問いに対し、あまりにもささやかなで、くだらないとさえ思えるかもしれない、けれども「生きている感じ」を確かに得られた瞬間をただ積み重ねることを通じて、迫っていきたいと思います。

はらだ有彩『絵にモヤモヤする人のための描かない絵画教室』

【内容】私たちの身の回りには、さまざまな絵があふれています。仕事であれ趣味であれ、自ら描く人もいれば、純粋な楽しみとして描かれた絵を見る人もいるでしょう。しかし、そんなありふれたものだからこそ、絵にたいしてモヤモヤする瞬間も、たくさんあるのではないでしょうか。とりわけ、「女性のイメージ」を描いた絵にたいして……。本連載では、そんなモヤモヤにたいする解像度を高め、(良くも悪くも)絵がもっているパワーと厄介さを理解し、最終的にはそれでもやっぱり「絵が好きだ」と思えるようになるための「描かない絵画教室」です。

西本千尋『まちは言葉でできている』

【内容】都市計画は「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与すること」を目的に掲げ、新自由主義体制の下、資本の原理と強く結びつきながら、私たちの生活の場を規定してきた。そうした都市計画制度の中に、住民や市民が登場することはほとんどなかった。しかし今、経済成長と中間層拡大という「前提」を失った都市は、迷走している。誰のための都市なのか、それは誰が担うのか……。
「都市計画」はそもそも得体が知れない。だからこそ私たちは、それと対峙し、言葉で批判を展開するのに苦労する。しかも、言葉を飲み込んでしまえば、その沈黙は計画への「同意」を意味することになる。望んでもいなかったものが、望んだものとされてしまう。あまりに理不尽で、あまりに摩訶不思議な世界ではないか。
本連載では、「みんなのため」に始まる都市の暴力に屈しながらも抗うために、「わたしたちのまち」を「わたしたちの言葉」で語り直すことから始めたい。都市計画やまちづくりのもつ課題を「ケア」の視点からパブリックに開くためにも、「言葉」を探っていきたい。

2022年の書籍化

三好愛『怪談未満』

【内容】怪談とまではいかないけれど、今もわからないままのこと、ずっと腑に落ちずにいること、少しゾッとしたときのこと。そんな27篇。

▼元になった連載▼

柏書房編集部=編『絶版本』

【内容】「あなたが、いまこそ語りたい『絶版本』はなんですか?」語りたくても語る場がなかった一冊について24名が思う存分に語ってみた。

▼元になった連載▼

2022年の完結作品

五十嵐大『聴こえない母に訊きにいく』(書籍化準備中)

【内容】CODA(コーダ)――両親のひとり以上が聴覚障害のある、聴こえる人。そんな「ぼく」を産んだのは、「聴こえない母」だった。さほど遠くない昔、この国には「障害者は子どもをつくるべきではない」という価値観が存在した。そんな時代に、「母」はひとりの聴覚障害者として、女性として、「ぼく」を産んだ。母の身体に刻まれた差別の記憶。自身が生まれるまでのこと。知らなかった過去を、息子は自ら取材することにした――。本連載では、その過程を不定期で読者の皆様にも共有してゆきます。

その他の情報

柏書房営業部『新刊速報』

来年も現場の声とともに、フレッシュな新刊情報をお届けします!

荒井裕樹先生の受賞情報

今年4月に第15回「(池田晶子)わたくし、つまりNobody賞」を受賞、柏書房から刊行した『まとまらない言葉を生きる』が「キノベス!2022」第15位にランクインした荒井裕樹先生。その新作『凜として灯る』(現代書館)が「紀伊國屋じんぶん大賞2023」第9位に選出されました。本当におめでとうございます!「わたくし、つまりNobody賞」の受賞スピーチ全文については、「かしわもち」で読むことができます。これを機に、ぜひご一読ください。

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