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絶版本

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連載『絶版本』に関する記事のまとめです。[バナーデザイン=髙井愛]
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記事一覧

『絶版本』の情報まとめました

2022年9月下旬に柏書房から『絶版本』という名前の本が出版されました。 発売から何週間か経…

「絶版」がモンダイなのだ|山本貴光さんと吉川浩満さんが選ぶ「絶版本」

1.思い出の「絶版本」吉川篇山本 今日は柏書房のウェブ連載「絶版本」の最終回ということで…

自然科学における絶版本――色褪せない価値を放つ一冊との出会い|榎木英介さんが選ぶ…

 日進月歩の自然科学研究(いわゆる理工系、医歯薬系)では、最新の情報こそ価値あるものとさ…

本をもらう、本をあげる|工藤郁子さんが選ぶ「絶版本」

 私淑する先生は、いつもにこにこしながら峻しいことを言う。「​​自分の研究の独創性を過大…

忘れられた思想家|畑中章宏さんが選ぶ「絶版本」

 だれしもが若かりし日の読者体験のなかにおいて、読む、読まないにかかわらず持っておかない…

それでも手放さなかった一冊|辻田真佐憲さんが選ぶ「絶版本」

 マルジナリア(余白の書き込み)は、しばしば悲喜交々のタイムカプセルである。  すっかり…

ファンと甦り|荒木優太さんが選ぶ「絶版本」

 生きている作家に興味がない。存命中の小説家が書いたものを決して読まないわけではない。だから厳密にいいなおせば、ある小説を読むとき、その作家が生きていようが死んでいようがまるで関係ないかのようにしか読む方法を知らないのだと思う。作家なるものが目の前に現れても、それは文の羅列とは似ても似つかぬ、そこらへんにいるただの人間にすぎないし、彼が実際の著作者だろうが、はたまた盗作によって世を欺いた偽作者だったことが判明しようが、目の前にある文の組成が変わったりするわけではないのだから、

内田善美の「隠遁」|稲葉振一郎さんが選ぶ「絶版本」

 書籍の品切・絶版の意味はネット書店の出現以降、大きく変わってしまった。  インターネッ…

知の散逸を防げるか|西田亮介さんが選ぶ「絶版本」

 研究者であり、また文筆業を生業とするという仕事柄、絶版、そして絶版本と向き合う機会は少…

日記だから書けること|原武史さんが選ぶ「絶版本」

 一般に日記というのは公開されることがない。誰にも見せないからこそ、自由なことが書けるの…

「忘却されつつある歴史」に属する本|隠岐さや香さんが選ぶ「絶版本」

 今、地球上で最も読みづらい本の一つは、20世紀後半の日本の絶版本である。そのことを実感す…

人間性なるものへの問い|小川さやかさんが選ぶ「絶版本」

 民族誌には、調査に裏付けられた客観的な記述・分析だけでなく、人類学者自身が長く現地に住…

「絶版」になれない本たちへ|荒井裕樹さんが選ぶ「絶版本」

 「絶版」という言葉に、私は羨ましさに近い感情をもっている。版が絶えたとはいえ、街の本屋…

よみがえる名著|佐藤卓己さんが選ぶ「絶版本」

 私は実用主義者である。書架にガラス引き戸は不要と考えている。だが、寝室の書架にはガラス引き戸が付いている。その上段には野田宣雄先生の著作が左から刊行順に並んでいる。『大世界史24 独裁者への道』、『二十世紀の政治指導』、『教養市民層からナチズムへ』、『歴史の危機』、『歴史に復讐される世紀末』、『文明衝突時代の政治と宗教』、『ドイツ教養市民層の歴史』、『二十世紀をどう見るか』、『歴史をいかに学ぶか』、『二十一世紀をどう生きるか』。その文庫版や編著・共著もそこに揃えている。それ