冬の一日が暮れていくのをただ眺めている時の、あの感じ|安達茉莉子
冬の一日は、いつも少し足りない。
明け方に目が覚めたとき、まだ窓の外が暗いと、ああ冬になったと思う。たくさん眠っても、外が暗いと自分が早起きできたような気分になるから得した気持ちになる。夏は眠ってもあっという間に朝が来るから、物足りない。
夜明けまでまだまどろんでいられる時間が好きだ。ベッドの中で布団にくるまったまま、ただぼんやりと窓の外を眺める時間。この時間のためだけに早起きをしている。
だけど冬の場合、この時間はそう長くない。時計を見ると、もう7時が近い。さ