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あの時のあの感じ

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安達茉莉子さんの連載「あの時のあの感じ」に関する記事のまとめです。[バナーデザイン=著者本人]
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記事一覧

月に一度海辺の街にアイスクリームを食べにいく時のあの感じ|安達茉莉子

 何事にも基本だらしない私だが、いくつか守っているルーティーンがある。そのひとつが、毎月…

風薫る晴れた日に外を歩くあの感じ|安達茉莉子

 風薫る、と最初に言ったのは誰だろう。 「薫風自南来」(薫風、南より来たる)と、中国の…

山を登っている時のあの感じ|安達茉莉子

 運動は苦手なのに、なんでつい山に登ってしまうのだろう。普段駅の階段も使いたくないのに、…

水が流れだす春のあの感じ|安達茉莉子

 外を歩くと、あちこちで芽吹き始めている。  怖いくらいゆっくりと過ごした2月が終わり、3…

冬の日、部屋の中で火をともすときの、あの感じ|安達茉莉子

 2月はまるで冬の底のように思う。少しずつ日が長くなっているはずだけれどその実感はなく、1…

初日の出を見逃した正月、海に夕日を見にいくときのあの感じ|安達茉莉子

 年の暮れ、世間は一斉にお正月に向けて進んでいく。大掃除、お正月の準備に年越しそばにと、…

冬の一日が暮れていくのをただ眺めている時の、あの感じ|安達茉莉子

 冬の一日は、いつも少し足りない。  明け方に目が覚めたとき、まだ窓の外が暗いと、ああ冬になったと思う。たくさん眠っても、外が暗いと自分が早起きできたような気分になるから得した気持ちになる。夏は眠ってもあっという間に朝が来るから、物足りない。  夜明けまでまだまどろんでいられる時間が好きだ。ベッドの中で布団にくるまったまま、ただぼんやりと窓の外を眺める時間。この時間のためだけに早起きをしている。  だけど冬の場合、この時間はそう長くない。時計を見ると、もう7時が近い。さ

湖のそばで何もしないときのあの感じ|安達茉莉子

 短い旅が好きだ。長旅じゃなくていい。数日間でいい。どんなに短くてもいいから、普段の生活…

「光あるうちに光の中を歩め」|あの時のあの感じ|安達茉莉子

 長距離を飛ぶ国際線の飛行機の中で目覚めたとき、機内はまだ夜だった。  どれくらい眠って…