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IDGs Summit 2022参加レポート(4/7)(Relating編)

5つのフレームの3つ目Relating、現地ではここから午後のセッションでした。

過去記事ご参考

記事まとめ



Relatingの定義

Relatingは、以下のように定義と中身が設定されています。
Beingが自身のあり方だったのに対して、今回のRelatingは、他者や外の世界、外界を対象にしたあり方を言っているように思います。
中身も、「感謝・つながり・謙虚さ・共感と思いやり」の4つで、Beingと同様心のあり方で測定しにくい内容だと感じます。

自身のあり方Beingと他者や外部との関係性Relatingは突き詰めると切り離せないことのようにも感じてきます。

東洋思想、西洋思想、そしてアフリカにも自己と他者の認識

サミット内容と少し離れての所感ですが、仏教の縁起を思い出しました。
縁起の意味は、他との関係が縁となって生起すること。
仏教瞑想の例でいくと、見ている対象を認識するときに、認識される対象イメージ(色)が頭の中に浮かび、認識する側の心(名)があることに気づけます。
ふたつに分けられることを名色の分離智といって瞑想の最初の智慧と呼ばれています。ここで、対象イメージ(色)が先にあって、認識する側の心(名)が生起する関係は、色がないと心(名)が現れないので、縁起と言われ(特に初期の仏教では)一方的な関係と考えられているようです。
外からの刺激を認識するときに、認識する側の心が現れる、逆はないと。究極的には他者との関係性が自己を規定することにも思えてくるわけで、RelatingはBeingの一部のような気もしてきます。
追記
縁起の一方向の関係を考えると、対象イメージがないと立ち所に、捉える側の心もなくなります。対象あっての心ということに。
すると、自身が相手によって成立し、相手も私によって成立している。すなわち全ては「空」である。という「空」の概念に到達します。
そこから生じるのが、慈悲の心だということでした。慈悲の心を知ると無分別智という、主客一体の智慧に到達するということの様です。
参考文献は、再掲ですが下記。

一方、西洋哲学では「我思うゆえに我あり」のデカルトや、感性、悟性、理性で主観が対象を認識するメカニズムを定義したカントの認識論などに通じます。
西洋哲学の基本が、主観と客体との対立の構図で語られるのに対し、自己と客体を分けられないとする、主客一体の東洋思想との対比がここで生まれてくるわけです。
また、今回のサミットでもよく聞いたキーワード、「Ubuntu」アフリカのズールー語で、"I am because you are. "を意味する言葉。なんだか通じるものを感じませんか?

13.30 – 14.20 Theme: RELATING
Aftab Omer, Ph.D., Brandeis University
Jennifer Garvey Berger, Ph.D., Harvard University
Micael Dahlén, Professor, Stockholm School of Economics
Elin Pöllänen/Kieli, Music artist

"Lead" by Mary Oliver

さて、本題のサミットレポート、RelatingのセッションでもMary Oliverさんの詩"Lead"の朗読からスタート。

Relating、つながり。
世界に繋がり配慮すること。
他と繋がること。自分よりも大きなものの一部であるものと認識すること。

Jennifer Garvey Bergerさんのワークショップ

ハーバード大学のJennifer Garvey BergerさんのRelatingに関するワークショップ。


1つ目のワーク。
他者との関係の中で、うまく行っているつながり、自身や他者を互いに成長させる関係を思い出し、繋がりがうまくいっている特徴は何か?
隣の席の人と意見交換のワーク。

オーディエンスからは、正直さ、好奇心、信頼、コミュニケーション、ユーモア、その人自身を受け入れること、などが挙がる。
ちなみに私は「心からの信頼」としていました。

逆にエゴは重要ではなく、お互いに人間であることを感じられるかが重要。
オープンマインドで信頼し人間性を理解してもらうのには勇気も必要。
賛成しないとしても関係を維持すること繋がるだけでなく、成長させることもできると。
、、、なかなか修練が必要そうですね。

2つ目のワーク。
逆に人間関係を失ったことはありませんか?
その時、何が自分に欠けていました?自分が正しく提示できなかった中身はなんでしょうか?
隣の席の人と意見交換のワーク。
会場では、謙虚さ、プライド、共感と思いやり、感謝、つながり、自己開示と学びのマインドセット、多角的な視点、信頼、勇気など。
私は、「思いやりと相手の視点」と考えていました。

改善のためにできることは練習。
例えば相手に境界を示して、伝えること。理解できなくても他の人にスペースをあげること。透明性を保つこと。
ぜひ勇気を持って踏み出してください。との言葉でワークショップ終了。

”良い人生とは?”ストックホルム大学Micael Dahlén教授

人生は過去、現在、未来。
過去を振り返るとき、心理的に豊かな人生だったと思えることを望む。
現在を考えると、ハッピーでありたいと思っているはず。
未来を見据えると、意味のある人生でありたい。
どうやってこのバランスを取るのが良いか。
私の考えは、3つを組み合わせればいい。

わかりやすい例を。
将来の健康のために人参をもっと食べたいと思いますね?
今の所は、アイスクリームを食べることを考える人が多いのではないですか?
過去を振り返ったときに昆虫にチャレンジした豊かさを感じたいですよね?
解決策は、人参を食べることにコミットし、投資をしてたくさん人参をかうということ。そうすれば人参を食べられます。
最善の策は組み合わせることです。人参味のアイスクリームに昆虫をふりかけて食べること。
示唆に富んでいて解釈しきれていません。。。笑

Elin Pöllänen/Kieliさんのライブ

The Time/Kieli 素敵な歌声でした。


以上 Relatingパートのレポートでした。
所感は冒頭の記載ですが、突き詰めるとBeingと密接な関係となりそうなパートでした。
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