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2024年7月の記事一覧

地元有力販売業者が集荷し、販路を開拓か~気仙沼でクロマグロ不正漁獲②

地元有力販売業者が集荷し、販路を開拓か~気仙沼でクロマグロ不正漁獲②

 宮城県気仙沼市内の大目流し網漁業者による太平洋クロマグロの不正漁獲を気仙沼海上保安署が捜査していることを地元気仙沼の「三陸新報」紙が18日、一面トップで大きく取り上げました。筆者がおよそ一週間前、12日にこのnoteでお伝えした内容を確認した内容です。

 繰り返しになりますが、この漁業者は市内在住で唐桑半島の小さな港(小鯖漁港)でクロマグロを船から持ち出していたもようです。

 大型トラックに

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太平洋クロマグロ、2025年から大幅増枠へ②韓国、大型魚515トン枠の新設を要求~領海内は沿岸国が管理と主張

太平洋クロマグロ、2025年から大幅増枠へ②韓国、大型魚515トン枠の新設を要求~領海内は沿岸国が管理と主張

 16日まで北海道・釧路で開催した中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)などの国際会議で、韓国は、2002-04年の年平均漁獲実績に基づく太平洋クロマグロの漁獲枠の配分は不当(アンフェア)だとして、2025年から大型魚(30キログラム以上)の漁獲枠を同国に515トン認めるよう提案(写真参照)しました。

 基準年の漁獲実績に基づかない枠配分はニュージーランドやオーストラリアも求めています。ニュー

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米韓は大型魚50%増を主張、資源悪化の危険伴う日本の131%増提案~太平洋クロマグロ漁獲上限めぐる国際会議①

米韓は大型魚50%増を主張、資源悪化の危険伴う日本の131%増提案~太平洋クロマグロ漁獲上限めぐる国際会議①

 7月10日から北海道・釧路で太平洋クロマグロの漁獲枠について話し合う国際会議が開かれています。資源が急回復しているとする科学者の分析結果をもとに、日本政府は2025年から漁獲枠を大型魚については2.31倍(131%増)とするよう提案しました。米国や韓国は50%増に止めるべきだという立場でした。

 私も米韓の提案の方が妥当だと思います。日本の倍増提案はせっかく回復した資源を再び悪化させるリスクも

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JF天草の深い闇~逮捕された監事は「役員就任辞退」を条件に和解し、釈放されていた!

JF天草の深い闇~逮捕された監事は「役員就任辞退」を条件に和解し、釈放されていた!

 理解に苦しむ展開でした。6月12日に熊本県警天草署に名誉棄損の疑いで逮捕された天草漁協(JF天草)監事はおよそ一週間の取り調べを受けた後、6月18日に釈放されました。

 容疑者逮捕について報道機関に積極的に情報提供した天草署は今回、問い合わせに対しても「警察はコメントする立場にない」として釈放について一切言及しません。

 県警は地方検察庁の指揮のもとで捜査をしているだけなので「捜査の結果を検

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気仙沼でクロマグロ不正漁獲~大目流し網漁船が混獲物を加工業者に販売か

気仙沼でクロマグロ不正漁獲~大目流し網漁船が混獲物を加工業者に販売か

 「第二の大間になるのではないか」――気仙沼の漁業関係者が憂鬱そうに打ち明ける。漁獲上限が決められている太平洋クロマグロの不正漁獲がもうじき明るみに出るというのです。

 資源が急回復している太平洋クロマグロの不正漁獲、不正出荷はいま、日本各地に蔓延しています。

違法漁獲、増枠交渉に悪影響も

 不正があまりに多いので、漁業を所管する水産庁や都道府県の水産部門は、裏付けとなる証拠が持ち込まれない

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