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【長編現代和風ファンタジー】神社の娘

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「俺も悪神倒しの仲間にいれてください!」 日本のどこにあるのか分からない不思議なとある村。 刺激のない平凡な日々を過ごしていた高校生の橘平は、雪の夜、森の近くで村の神社の跡取り…
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【小説】神社の娘(第39話 村人、妖物と係長に恐怖する)

「今日は曇りときどき雨、だけど過ごしやすい気温。絶好の駆除日和ですね!」  若者を中心と…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第34話 葵、タケノコを掘らずにゴリラを倒し、そして聞き出す)

 役場の裏の竹林を会場に、毎年春になると「タケノコ大発掘会」が開催されることは既出の通り…

坂東さしま
4か月前

【小説】神社の娘(第31話 橘平と桜、ご先祖の共通点を知る)

 今日は模型作りに興味のあるお嬢さんが来る。  そういうわけで、八神本家の現当主、八神寛…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第28話 橘平、春休みに期待する)

 蔵の段ボールも念のために開ける―  そのため本日、4人は八神家に集まった。  早速、蔵…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第27話 桜、冷たい拍手をする)

「も、もしもし、向日葵さん?今、大丈夫ですか?」  柏とひと騒動あった日の夜のことだ。橘…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第25話 橘平、先輩に対抗する)

 カーテンから漏れる朝の光が目にあたる。橘平はゆっくり瞼をあけた。  夢を見た。  起き…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第24話 橘平、山は春がいいなあと思う)

 解読内容はおおまかに二人に伝えた、と桜は葵に説明した。  そのうえで、今後はどうしていくかである。桜は「まもりさんのことを調べたほうがいいのでは」と提案した。 「お守りとも何か関係ありそうだし。でね、うちにある古い文献をもう一回、別の視点で読んでみようかと思って」 「別の視点??」 「そう。女中さんとかお手伝いしてくれた人の名前とかその人たちの話とか。そういう箇所を丁寧に読んでいこうかなって」 「じゃあもう八神家にはみなさん、来ない?」  一宮家で調べ直すならば

【小説】神社の娘(第21話 橘平、遊びの約束をする)

「手のひらは上に向けて」 「は、はい」 「腰落として腰落として。『七減三加』って言ってね…

坂東さしま
4か月前

【小説】神社の娘(第20話 葵、橘平を大いに利用し、橘平、友達の話をする)

「冷静冷静、いつも通りいつも通り、笑顔笑顔、デカい声デカい声…」  向日葵は通勤中の車内…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第19話 橘平、友達をとられる)

 橘平は祖父から渡された物を前にして、腕を組んだ。  史料というのか、古文書というのか。…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第18話 橘平、祖父から贈り物を受け取る)

「じいちゃん、おはよう」 「おはよう」  橘平の祖父、寛平は自室で趣味のプラモデル作りを…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第16話 橘平、名前を尋ねる)

 風のように去った二人を見送り、橘平は家に戻った。居間では桜が手寧に紅茶を飲んでいた。 …

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第13話 向日葵と葵、虎に遭遇する)

 村の周りに出現するバケモノ「妖物」。  妖物は人間の知る動物の形をしているが、どこか異…

坂東さしま
4か月前
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【小説】神社の娘(第12話 橘平、月曜の朝から野宿の約束をしてしまう)

 カーテンの隙間から朝日がさし、橘平の部屋にあるロボットの模型を照らす。  ゆっくりと部屋の主は目を覚ました。  ああ、今日も学校だなあ。いつもの朝…ではなかった。  橘平はあの事が起床すぐに頭に浮かび、がばっと体を起こす。 「優真!絶対、聞かれる!」  少年は土曜日、バケモノ退治のアリバイ作りを親友に協力してもらった。  橘平がよほど必死だったのだろう。友人は理由も尋ねなかった。というよりも質問する隙も与えない力技で通した。  月曜日。学校に行く日。同じクラス