【小説】神社の娘(第42話 喧嘩上等、I hate you)
遡る事ひと月ほど前の話。
野生動物対策課に一人、有術者が着任することになった。強力になり始めた妖物対策としての、増員である。
しかし誰が来るのか。課長ですら知らなかった。
「今日の午後から出勤なんだけどさ、誰かまで教えてもらえなかったんだよね~。使える子だと定時に帰れるなあ。伊吹君、しばらく面倒みてあげてね」
「分かりました。一体誰が来るんでしょうね。男子か女子か?強いのか?」
そして午後の勤務が始まる少し前。
やって来たのは、ぱっつりと切りそろえられた艶や