【小説】神社の娘(第38話 向日葵、土下座する)
「本当にごめんなさい本当にごめんなさい本当にごめんなさい本当に…」
「いやもういいから、済んだことなんだし」
「だめよ、葵ちゃん!優しすぎる!」
二宮向日葵は酒で大失敗したことを、早朝から被害者に土下座で謝罪していた。
葵に酒を飲ませたところまでは思い出せたが、その先は一切、記憶にない。
◇◇◇◇◇
樹は朝5時頃に葵の住む古民家にやってきた。そのことは昨夜の電話で聞いていたので、葵もその頃に起き、樹を迎え入れる。その玄関の開くガラガラ音で、加害者たる向日葵は