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【長編現代和風ファンタジー】神社の娘

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「俺も悪神倒しの仲間にいれてください!」 日本のどこにあるのか分からない不思議なとある村。 刺激のない平凡な日々を過ごしていた高校生の橘平は、雪の夜、森の近くで村の神社の跡取り…
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#和風ファンタジー小説

【小説】神社の娘(第41話 妨害と桜)

●第4章 妨害と桜  ざっ、ざっ、ざっ。  早朝から、お伝え様の広い境内に竹ぼうきの音が…

坂東さしま
3週間前
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【小説】神社の娘(第40話 インスタントラーメンに憧れて)

「あはははは、それで野宿う!?ウケる!!」  古民家に向日葵の高い笑い声が響いていた。話…

坂東さしま
3週間前
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【小説】神社の娘(第39話 春の大駆除見学会-神秘系美人の応援で退治編)

 私たちにこんな恐ろしい怪物、倒せるの?  高校生以上の学生有術者、普段妖物に対峙するこ…

坂東さしま
3週間前
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【小説】神社の娘(第38話 2回目のゲロも君が受け止めてくれたんだ…)

「本当にごめんなさい本当にごめんなさい本当にごめんなさい本当に…」 「いやもういいから、…

坂東さしま
4週間前
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【小説】神社の娘(第37話 アニメも社会も裏を読め)

 ついに、プラモデルを、作る。    桜はニコニコ顔で午前中から寛平の家にやってきた。桜は…

坂東さしま
4週間前

【小説】神社の娘(第36話 身一つで立つ場所)

 橘平は午前中、ゆるーく陸上部の練習があった。  それを終えてスマホを見ると、向日葵から…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第35話 妹)

 まもりの痕跡を探そう。  桜は家族に気取られないよう、こっそりと、春休み第1日目から家探しを始めた。  宿題と多少の登校、お稽古ごとなどはあるが、それ以外は時間たっぷりだ。  母屋から離れた蔵から始めてみたが、貴重品も多く、気を遣う作業だった。  開始して数時間ほど経ったところで「まもりさんに関する物ってどうすればわかるんだろう?」と疑問がわいた。着物とかなんとか、そんなものは一宮家にたくさんある。これはまもりの物、と一発で分かる。 「あ、あの模様か!」  桜は

【小説】神社の娘(第34話 毎年恒例タケノコ大発掘会)

 役場の裏の竹林を会場に、毎年春になると「タケノコ大発掘会」が開催されることは既出の通り…

坂東さしま
1か月前

【小説】神社の娘(第33話 大人気ロボットアニメ鑑賞会-第一期)

『ありがとう』 「何が?」 『森の扉の絵、描き始めてくれて』 「ああ、うん」 『君のおかげだ…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第32話 なんで酒飲んでだよ、ゲロったくせに!)

 日曜日。  本日の出動は3回。  キツネ2匹、柴犬3匹、猪1匹。  強さは一般的なレベル…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第31話 物語と桜)

●第4章 物語と桜    今日は模型作りに興味のあるお嬢さんが来ると聞き、八神寛平は張り切…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第30話 君のおかげだ-バケモノ対策課、ヒグマ退治休日出勤編)

 東北地区の山に、まばゆく青白い閃光がとどろく。  「橘平君のおかげだ」  葵が穏やかな笑…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第29話 実感-クラスメイト、そして豚退治)

 翌週、桜と葵も「お守り」の効果を実感する出来事があった。  春休みも近づき、桜の通う女…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第25話 母さんの弁当は完食するもんだ!)

 カーテンから漏れる光が目にあたる。ゆっくり瞼をあける。  夢を見た。起きてすぐ、それが頭に浮かんだ。 『君は入口の絵、描ける?』 「入口の絵?」 『村の真ん中にある森に入るための。扉みたいなもんかな』 「森の扉って何?どういうの? 『君の想像でいいんだ。森が開くような絵が描ければ』  頭の覚醒につれ、橘平は夢の内容をキレイさっぱり忘れてしまった。しかし、何かに導かれるように、無意識に、鉛筆を手にしていた。  いつかの夢である。  橘平は優真たち同じクラスの仲良し組とともに