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美術展観賞記録

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展覧会に行ったときの感想文。Instagramに投稿しているものと基本的には同内容です。
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2024年6月の記事一覧

【画像27枚】「歌川国貞(三代豊国)の役者見立東海道 歌舞伎役者の面影」(藤沢市藤澤浮世絵館)

【画像27枚】「歌川国貞(三代豊国)の役者見立東海道 歌舞伎役者の面影」(藤沢市藤澤浮世絵館)

 美人画で知られる初代歌川国貞が三代豊国となってから制作された「東海道五十三次之内」(1852-53)、通称「役者見立東海道」。背景に東海道の風景があしらわれた役者絵のシリーズです。
当時の人気は相当高かったようで、「その二」という形で同じ宿場町を題材に描かれたり、「間(あい)の宿」と呼ばれる、宿場間にある休憩所を題材にした作品を制作していたりもし、最終的な総数は130点と、東海道の揃い物としては

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【画像49枚】「アルフォンス・ミュシャ展 アール・ヌーヴォーの美しきミューズ」(茅ヶ崎市美術館)

【画像49枚】「アルフォンス・ミュシャ展 アール・ヌーヴォーの美しきミューズ」(茅ヶ崎市美術館)

 1894年、オペラ『ジスモンダ』のヒットを受け追加公演が決定、主演女優のサラ・ベルナールが新しいポスター制作を印刷所に依頼したのは同年12月24日のこと。しかし常連のアーティスト達は休暇中、「1月1日〆切」という急な依頼に唯一対応できたのが、たまたま印刷所で校正をしていたというミュシャでした。ミュシャは挿絵画家としてサラを描いていたこともあり、ポスター制作の依頼を引き受けることに。

 そして、

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【画像59枚】「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」(森美術館)

【画像59枚】「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」(森美術館)

 陶芸・宗教・都市計画など、多岐にわたるバックボーンを持つ黒人芸術家シアスター・ゲイツ。特に陶芸に関しては日本の愛知県常滑市に1年間留学しており、現在も関わりを持ち続けております。いっぽうTEDのプレゼンテーション動画では、廃墟となった住宅(リーマンショックでしょうか…?)を地域コミュニティの拠点として再生している様が紹介されていたりもしており、その活動内容は非常に多彩。

 展覧会も陶芸のみなら

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