とんびのいない空を見上げる
山と田んぼのそばで育った自分にとって、とんびはごく日常的に見かける鳥だった。
とてつもない上空で、左右に細かなバランス取りながら、ナイフのような形の羽で風を捉える。それが彼らの生存に必要な行動なのか、能力の誇示なのか、娯楽の一種なのか、専門的なことは知らない。
地上から見上げてもその体長は測りかねるが、実際とんびの成鳥はとても大きい。水辺に休む姿を見たことがあるが、幼稚園児並みの堂々した体格だった。
ここ神戸の市街地でとんびを見かけることはほぼない。「とんびがいいひん(