具体から抽象までのグラデーション : 抽象度の一考察
すごく好きな話題です(挨拶)
①言葉の抽象性についての考察
kaoruさんは、『言葉の展望台』(三木那由他著)の読書感想文を通して、何を思索されたのか、過程を丁寧に描かれていますね。
②抽象性と意図
冒頭の「解像度と抽象度」の例は、kaoruさんのnoteの読者が抽象度を想像することを、助けると思います。「会話的推意」について、引用なさった上で、「合理的な判断によって選択された抽象度には、相応の意思」があることを述べられた点も理解しやすいです。
『コミュニケーションの「遊びの余地」と「暴力の余地」という表現』に関しては、書き手(発信者)の表現と、読み手(受信者)の解釈の問題を、一部整理してくれるように思います。
③「解像度と抽象度」の考察
抽象とはそもそも何でしょうか。東京都新宿区A町にお住まいの抽象さんは、住民票取れないはずですよね。役所の窓口も困惑。抽象は誰かが考えて生み出したはずです。
ア : 具体から抽象は帰納法
例 : カラスを観察して、カラスは黒いとする
イ : 抽象群から抽象度の高い抽象を導くのは帰納法
例 : カラスの特徴、鳩の特徴、ワシの特徴などから、鳥は何かを導く
ウ : 抽象から具体は演繹法
例 : 子育て中のカラスのパターンから、カラスの巣があるので、散歩コースを少し変更する
エ : 抽象から抽象度を調節した抽象を生み出すのは演繹法
例 : 自分の散歩コースで、誰かがカラスの巣の下を通り、カラスに威嚇されていた。見聞きしたことを全ては伝えずに、家族に「この季節は、カラスが緊張しているね」と、話す内容を吟味する
④抽象度とコミュニケーション
kaoruさんが扱われたのは「エ」のケースかと思います。会話は前提の共有が必要です。抽象は、要点に絞ったり、情報量を減らすことが出来るから、他者と前提を共有しやすくなります。正確には、前提という「共通言語」を共有出来ていれば、抽象度の高さを維持して高速かつ厳密にコミュニケーション出来ます。専門家の専門用語などが、それにあたるかと。
対して、日本語も英語もスペイン語も共有出来なくても、Instagramに桜の花を載せれば、非言語コミュニケーションが可能ですし、「桜が咲いた」「綺麗」「桜色が可愛らしい」などとキャプションを書けば、Instagram搭載の翻訳機能で、文脈を把握してもらえます。
言語以外でも違いが有ります。例えば、英語と日本語は文化が異なります。kaoruさんに対して釈迦に説法ですが、どちらも文脈を用いるし婉曲表現は出来るけど、英語の文化圏は「主題・根拠・展開」のような流れで、対して日本語の文化圏では敬語の体系が複雑なことも関係し、あえて遠回しに話して敬意を示すこともあります。
また、上記観点から、抽象は相手のワーキングメモリーへの配慮とも言えます。
抽象度の例で解像度を挙げられたことに戻ると、前提が共有出来るようになるまで、抽象度を下げていくこと、相手に過不足なく伝えるための配慮をすることは、相手と状況によって解像度をどこまで高めるか(抽象度を下げるか)ともいえます。
⑤私の今の結論
なら、逆に抽象度を高めたらどうなるでしょう。おそらく、「永遠」などに繋がるはずです。こうして考えてみると、私達の扱う概念は、具体寄りのものから極めて抽象的なものまでありますね。
私は永遠という概念を生み出したであろう人達の想いと憧れも、相手に過不足なく伝えようと言葉を選び抽象度も調節することも、その姿勢に美しさを覚えます。
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Thank you for taking the time to read this.