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ショートショートの小部屋

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拘ることなく、自然に筆を進ませてみた。そんなショートな物語をご覧ください。
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#喫茶店

異次元喫茶店 第1話

異次元喫茶店 第1話

1. 居場所

今日も客が来るか来ないか分からない喫茶店のマスターを私はしている。

ピクピク星のスズナリという生物か名前さえも分からないやつに、ここを紹介された。
借用書もなければ契約書もない。
ここは、今日からお前の店だ。好きにすればいいと言われた。外に出ればいつも市が開かれている。でもそこにいるのは容姿は出鱈目だ。いや、私の方がおかしいのかもしれない。

ここの時間の流れ方は実に妙だ。気分に

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異次元喫茶店

異次元喫茶店

0.エピローグ

マスター、今日のコーヒーは何処産だい?

今日のはアウィーの東の市で見つけたよ。

最近はあの辺でよく漂流物が見つかるんだ。
どの世界のどの年代かはわからんが大きな積み荷が流れ着いて
その中に新鮮なコーヒー豆があったそうだ。

あんたもこの世界にきて長いんだろ。

そんなこともないさ、年という単位が生きているなら20年くらいか。
そうだなここは時間の流れが違う。場所によっても、階

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喫茶桃子の懲りない面々 第一話

喫茶桃子の懲りない面々 第一話

ねぇ、マスター、今日、朝にさあ。

いつものように五郎が話しかける。
毎朝の恒例行事だ。

喫茶桃子の朝は早い。近くに幹線道路があるためか、いや工場(こうば)もあるため、彼らの活力の源として朝早くから営業しているのだ。
すでに店を開いて、30年。常連の中に親子二代で通う人も少なくない。
営業当初は、夫婦水入らずで切り盛りしていたが、母ちゃんはダンディな男に手を出して、何処かにトンズラしてしまっ

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