独断と偏見による読んで良かった自転車エッセイ漫画・自転車漫画6選
自転車漫画といえば、有名なのは最近では「弱虫ペダル」で、今回自転車について相談した友人も漏れなくペダル経由でビアンキを乗りだした口でした。
「自転車を買う前に先に読んでおけばよかったな」と思った本
私はペダルは全く読んだこともアニメも見てなく、去年の春、コロナ禍で突如始まった自転車生活がきっかけで、自転車関連漫画を読みだしました。できたら実体験に基づく漫画形式がいいなと思っていくつか手をだして、「自転車を買う前に先に読んでおけばよかったな」と思った本を紹介。エッセイ以外もありますが主にエッセイ漫画中心です(アフィやってないけど自動的にAmazonアフィリンクになるので、リンクは踏まずに自分で検索してください。)
基本的に電子書籍有の本ばかりなのでDLしてすぐ読めます。女性作家が多いのは体力や脚力、腕力(輪行時)に共感できるからですかね。あと動画見るのが面倒な人はエッセイ漫画はおすすめです。
わたしがロードに至るまで。(狐古さやか)
商業じゃなくていきなり創作同人誌なんだけど、一番のお勧め。私は一番読み返してる。真面目に自転車買う前にこれを読んでおけばよかった!と思う。
プロの漫画家さんなので何より読みやすく、キャラが狐やタヌキの擬人化なので可愛いし、全ページ多色カラーなので見易い。作者のお姉さんがロードバイクやクロスバイクを乗り出した理由から始まり、知人のローディさんからミニベロを借りてスタート、その乗り心地や体験、その後ロードバイクを買ったりアイテム揃えたり、慣れるまでの「超初心者が知りたい体験談」が全部詰まってます。
2巻目はツールド千葉初参加レポもあり、初心者が大会に出る場合はどうなるのかも解り易い。エントリでよく見かける「グループライド」はついていけないから個別じゃないと無理だなと思ってたけど初心者のためのもの等、これで初めて知りました。
体験談って大抵、「買った」>>>(飛ぶ)>>>「100km越えガチ」になりがちで、中間の「超初心者が初心者第1、2歩、3歩になるまで」って案外無いんですよね。これを読んでたら先にミニベロ買ってからスタートしたなあと思います。レーパンもショートパンツ型じゃなくて最初からスパッツ型にしたかも。レーパンは柔軟剤禁止もこれで覚えました。
商業誌ではないから「薄いしちょっと高いかな?」と思ってもフルカラー同人誌としてはとても良心的だしオリジナルなのでAmazon 以外からもDL販売してて手に入れやすいので、自転車を買う前に1,2巻一緒に買って、どういう自転車がいいのか考えるのにマジお勧めです。(1.5巻は2巻に全部入っています。)作家さんのpixivFANBOXで一部お試し読みできます。現在「穂高輪花のチャリと飯」という商業コミックスも連載中。
おりたたみ自転車はじめました(星井さえこ)
サイトを結構前に見て、その時は少し読んで「うーん」と思ってそれ以来だったんですが、最近TLで本が出るというのを見かけたのと他のエッセイ本で読んでる作家さんがお勧めしてたので試しに電子書籍で購入。
サイトの漫画再録修正&描き下ろしかな?本は大変読みやすくなってて、これもちょっと高いな?と思うかもしれないけど全頁フルカラー本。
ふわふわとしたキャラとは反して、詳細な景色描写が輪行旅行の良さを非常に解り易く伝えています。船や構造物・自転車が異様に上手いと思ったら工業デザイナーが本業だそうで。
ブロンプトンという折り畳み自転車を手に入れてから近所をサイクリング>輪行で街中ぶらりや温泉>しまなみ海道完走と、折り畳み自転車ならではの「輪行」旅行の気軽さや楽しさが一目でわかる作りの本です。
また章ごとに「この時はこういう恰好で行きました」と鞄の中身や服装イラストが必ず1ページついてくるのは大変解り易い。こういう私服でいいんだよとか。漫画以外の合間にあるQ&Aやテキストコラム、ルート地図等プレゼンがしっかりしているので表紙の見た目に反して情報量が多い。
しまなみ海道レポは特に計画立てるのに参考になるかなあ。ちょっと行きたくなる。
ゆるポタ輪行旅行でどこまで荷物は減らせるのかはガチ勢以外の様子が知りたいもの。noteに作家さんのページがあるんでそっちでお試し読みもできます。サイト再録分は「漫画」としては一部読みづらいとこもあるけど、全体的にいけばそれなりに読みやすくなってるのでプロの編集がつくとこんな読みやすくなるもんだと…。
余談ですが私のミニベロよりちょっと重いブロンプトンでこれだけ輪行してるのを見ると、持ち運びサイズって結構重要だなと思いました。KHSの20インチは他のミニベロより一回りサイズが大きいので、女性だと結構持つ時に無理がでてくる。通勤の走行性重視前提なのでKHSにしたけど、今ならミニベロはもうちょっとサイズが小さい16インチにしたかもなあ。(おかげで今K3かDove plusが欲しい)
かわうその自転車屋さん(こやまけいこ)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B087M7X4R7/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i2
Amazonリンク上手くいかなかったけど2件までだっけ。
色々自転車関連漫画を探してる時に最初に読んだ本。動物たちが住む街のカフェみたいな自転車屋のかわうそ店長とその周りを描いていく自転車界隈では有名な漫画らしいと後で知る。1~3巻まで一気読みするのお勧めします。
自転車のアイテムや色んな種類の自転車からロードレースの見方自体はこの本で初めて知りました。ランドナーやグラベルロードもこれで知った。こちらも初心者が「自転車って結局どうやって遊べる道具になるの?」「乗る時に気を付ける事」等がお話になってて解り易い。フェリー輪行の話とかもあるし。
羊のヨウコさんぐらい走れると気持ちいいだろうなーと思いつつ、キャラとしてはクロスバイクをダイエットのために始めた貝原ユズちゃんがお気に入りです。サイクルフェスタもこの本で知って名古屋で開催待ってたんだけどコロナ禍で悉く中止で今年こそはと思っています。
じこまん1巻(玉井雪雄)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00H2AYK8O/ref=dbs_a_def_rwt_hsch_vapi_tkin_p2_i11
kindleだと今は無料になってた。青年漫画なので正直、青年漫画独特のクセがあるのでハードルがあるんだけど、「事故らない自転車の乗り方」はこの漫画が一番参考になりました。交差点で後ろを常に振り向く、交差点の対向車の運転手を見る、マジ大事。全然変わりました。
1巻だけでも読むのをお勧めします。私も1巻しか読んでない。
サイクリングごはん(夏福)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B083XKS7B7/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i0
自転車エッセイ漫画を探してる時に、表紙の食べ物の絵の上手さに惹かれて購入。こちらもオールフルカラー。やはりペダルからロードにいきなり入り、近場の魚市場までライドから水曜どうでしょう聖地巡りまで、「グルメライド」を船旅輪行までやったエッセイ漫画。とにかくご飯が美味しそう。
今現在、「自転車どうでしょう」という実際に自転車を買ってから輪行やアイテムをそろえていく様子を連載中なので、そちらが単行本化しないかなと思っています。そういう段階踏むところが知りたいんですよねえ。
のりりん(鬼頭莫宏)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00A2MD0SA/ref=dbs_a_def_rwt_hsch_vapi_tkin_p3_i1
「ぼくらの」の作者とは知ってたけど青春漫画?とびっくりした。自転車ことはじめのリーマンが主人公でこちらもロードからクロス、ミニベロまででてくることと、蘊蓄・豆知識が事細かく漫画に出てくるので、初心者に非常に参考になります。最後は草レースだから目線が高くないので「こういうのもあるんだ」と知れる。漫画としてももちろん面白いし、全11巻なのでさらっと読めます。鬼頭漫画なのに誰も死なないし、不幸にもならないから安心して読めます。お勧め!
その他有名どころの個人的に忖度なしのストレートな感想。
・「弱虫ペダル」:乗り出してから読むと初期の頃が一番実感がわいて面白い。巻末の豆知識コーナーが便利。杉本くんが地味に練習して新歓イベントに出走する話が好きです。ただもしも最初にこれ読んでもロードに乗りたいとは思わなかったから、オタクと言えどもやはり人それぞれ。漫画としては最高に面白いので今も読み続けてるし、女性用フレームが広がった原因には感謝しかない。
・「腐ったオタクの自転車ライフ(再録1・2)」:界隈では有名腐女子ライダーのPEKOさんのエッセイ漫画同人誌。意外と1巻は参考になるけど、それ以上は真似できないwこれで知って、超軽量輪行袋を買いました。
・「ろんぐらいだぁす!」:本編ではなく、0巻の作者・担当の実体験漫画がちょっと参考になった。本編は3巻で脱落。坂でのブレーキングの考え方は今参考にしています。
・「おりたたぶ」:2巻で脱落。上記含めて、主人公がアホの子すぎるのはちょっと受け付けなかった…。
・「くるくる自転車ライフ」:自転車の選び方には参考になるけど、旦那キャラが読んでてイラつきすぎて。作者である奥さんに軽くモラハラしてるので、相手を尊重できない「実在人物」自体とのバトル等をネタにする本ではなく、あくまで「自転車生活エッセイ」だからそれを面白いとは思えなくて読んでて嫌な気分になるので、その辺があまりお勧めできない。
・「亀が無理してロードバイク乗ってみた」:ペダル経由から始まった人の体験談だけど、自己卑下はやりすぎると汚いからお勧めできないし、内容的にもそんなに参考にならないため1巻で脱落。嫌すぎてDLデータ自体削除してしまったから、「卑下」「自虐」=「面白い」と思い込むのは考え物だなと思った本。
・「サイクリーマン」全3巻:話自体が消化不良というか、山もなくオチもなく、だからどうしたになりがちというか、他の漫画に比較してもあまり「自転車に乗って楽しいよ」というのが伝わってこない。中村光さんのツイにつられて全3巻だからと一応全部読んだけどいまいちだった。
・「おかわり自転車」:上記同。同じ作者の「まるしばポタリング記」という、WEB連載のエッセイ漫画の方が読んでて面白い。「まるしば~」はnote内にあるんでリンク先からお勧め。
・「自転車女子はじめました」:ポタリングエッセイ連載漫画の本。ポタリングって何?と思う時に参考になる。自転車の種別から服装から、実際に行ったポタリング情報が整理されてて端的に読みやすい。女性作家さんなので前述通りに漫画はとても参考にもなっていいんだけど、合間にある共著の女性ライターさんのエッセイが自己主張が激しくてくどい。
・「ぶらりポタりずむ」:元は同人誌ならなるほどと思う、さらっと読むポタリングの本。参考にはなるかどうかといえば、ただ読むだけかな。
・「じてんしゃ日記」(全2巻):高千穂遥にむかつかなければほどほど読める。内容が古いからそこは承知の上で。一応商業だけど内容が昔の高橋留美子調の絵柄の同人誌っぽいし、人間関係も同人に慣れてる方が読みやすいかも。
・「自転車で痩せた人」:作者が高千穂遥なので、高千穂遥の超上から目線を流せばエッセイとしてはさらっと読めます。
・「Let's ゆるポタライフ」:女性作家さんで確かに初めて自転車生活始めるな自転車エッセイ漫画なんだけど、中身が薄すぎていまいちなのでお勧めしない。
・番外:「荒川アンダーザブリッジ」巻末漫画 RTでこれ読んで自転車はじめました。端的に自転車が楽しいと解るからプロすごい。(尚荒川も聖お兄さんも一切読んでないから中村さんの漫画自体これで初めて読んだ)
総括
結局のところ、「ガチ勢」じゃないと楽しめないかどうか、「始めたばかりでも楽しめるか参考になるか」「漫画自体として面白いかどうか」はそれぞれ別方向なので、「始めたばかりでも」だと上記にお勧めで上げた本が良いです。そりゃ漫画力でいけばペダルは強い。でもやりだしたばかりだと「知りたい」ことが多いから、そういう意味ではエッセイ漫画はひとつの手段かなあと思います。もう1つ言えるのは「そんなにガチな姿勢でやってない。」これにつきる。週末軽く練習ゆるポタ、頑張っても50km程度、Tシャツにレーパンぐらいでアイテムはまだそんなにそろえてない。その感覚で軽く読めるエッセイ漫画で1冊で終わる本がいい。
初心者向きに、を第一のスタンスに描いている「わたしがロードに至るまで。」と「おりたたみ自転車はじめました」はそういう意味ではその辺がよく考えられている本だと思いますね。動画見るの面倒くさい系は特に。
また作者が女性なので最初に書いた通りに体質体系的な問題も踏まえて紹介してるのは女性作家以外はいないから、かゆいところに手が届く情報があって良いと思います。しかし書き出してみたら思った以上に結構種類あったなあ。
喘息があるため真冬の1,2月はサイクリングできないままきたのと、花粉症が喘息にも影響でてしまってどうやらオフシーズンが3月も続くので早くサイクリングに行きたいなと思いつつ、色々読む日々です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?