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【おもちゃの缶詰】みたいなnoteを目指します。多芸なのか器用貧乏なのか、後者にならな…

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【おもちゃの缶詰】みたいなnoteを目指します。多芸なのか器用貧乏なのか、後者にならないよう頑張ります。 「硬い記事」と「柔らかい記事」をカオス状態でお届けします。

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  • 早く気づいてあげて「発掘」

    ビュー数とかスキ数とか関係ないんです。玉石混交の膨大な数の記事群に埋もれた、わしがあぁいいなと思った素晴らしい記事を御紹介します。いやいや、もっともっと読まれるべきでしょ?という、できるだけみなさんに気づかれていないものを御紹介していきたいです。おせっかいですまん。

  • 童話大戦争シリーズ (完結)

    日本童話界と西洋童話界の全面戦争の物語。  かぐや姫、桃太郎、浦島太郎、金太郎、大天狗が率いる日本童話軍は、アーサー王率いる圧倒的な戦力を誇る西洋童話軍に蹂躙される。日本軍は圧倒的に不利な状況を知恵と勇気で乗り切っていきます。

  • 注釈男 世界は踊る(完結)

    アイデア一発勝負の小説らしきもの

最近の記事

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【エッセイ】あの夏の日、名画座で僕の手は

高校2年の夏休み。 男子校で彼女も作れずに暇を持て余していた僕は、中学からの腐れ縁である同級生のKに誘われて、街のはずれにあるちっぽけな名画座に映画を観に行った。 Kは、気が良くて友達が多いやつだったけど、僕と特別に気が合ったのか、休みになるとしょっちゅう遊びに誘ってきた。 観た映画は、もうタイトルさえ忘れてしまったけれど、当時流行っていた死者が蘇る系のイタリアかどこかのB級ホラーだった。 ガラガラの映画館の真ん中に陣取った僕らは、楽しそうにイチャイチャしているカップル

    • 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」  猫飼首相 (完)

       10月10日 午前8時  悪夢の1週間が、ついに終わりを告げた。  しかし、この時点で「スマホを見ないと死んじゃう病」が本当に完治したかどうかは誰にも分からない。  それを確かめるためには、誰かが命がけで証明するしか方法がない。  8時5分…8時10分…  対象者は、いまだに1分ルールを守りながら、自分以外の誰かが病気の完治を証明するのを待っている。せっかく1週間を生き抜いたのに、ここで死ぬわけにはいかないと誰もが思っている。  10月10日 午前8時15分  

      • 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 恵子と慶太(7日目)

         10月9日 午後11時   事件発生から159時間が経った。完治まであと9時間。  長谷部恵子は、最後になるであろう30分ルールの時間を迎え、仮眠中の夫に合わせて少しでも睡眠を取ろうとベッドに横になった。  しかし、身体は眠さと疲れに悲鳴を上げているのに、目を閉じても頭が冴えていく一方であった。やはり明日の完治予定時を控えて心が興奮状態にあるのだろう。  恵子は、ベッドに腰掛け、この地獄の1週間を思い返した。  対象者になったと理解した時の絶望感、多々良目駅で危うく

        • 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 Boys→Boy(6日目)

           「スマホを見ないと死んじゃう病」対策本部では、保護勧告に従わないキューチューバーユニット「突撃Boys」のライブ配信をモニターしていた。  コムコムというメンバーの死亡をモニター越しに確認したとき、  「自業自得だな…。」  本部の誰かがボソッと呟いた。  コムコムの搬送や警察による現場検証とメンバーへの事情聴取などにより、突撃Boysのライブ配信は中断せざるを得なくなった。  ライブ配信が中断された後、ネットでは、慶太が最後に取った行動に対して大きな批判が巻き起こって

        • 固定された記事

        【エッセイ】あの夏の日、名画座で僕の手は

        • 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」  猫飼首相 (完)

        • 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 恵子と慶太(7日目)

        • 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 Boys→Boy(6日目)

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        • 早く気づいてあげて「発掘」
          98本
        • 童話大戦争シリーズ (完結)
          11本
        • 注釈男 世界は踊る(完結)
          10本

        記事

          【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 長谷部恵子(5日目)

           10月7日 午後8時   事件発生から108時間が経った。完治まであと60時間。  鏡の中の私の頬はこけ、瞼は腫れ上がっている。真っ赤な目の、化粧っけのない青白い顔が私を睨み返す。  そして、外面の酷さ以上に、私の精神は崩壊寸前の悲惨な状態にある。  今も「もう嫌だ!」と叫んでスマホを遠くに投げつけたい衝動に駆られている。  「つらい」「怖い」「眠い」「苦しい」  思考能力はもうほとんどないはずなのに、負の感情だけが滝のように心から溢れ出てくる。  でも、私はまだ生

          【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 長谷部恵子(5日目)

          【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 突撃Boys(4日目)

          9カ月振りの再開です。m(__)m 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 長谷部恵子(2日目)かぷぷ (note.com) 【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 笹塚康太 (3日目)|かぷぷ (note.com)  10月6日  午後8時  事件発生から84時間が経過した。完治まであと84時間。  そして、「突撃Boys」のチキンレースが始まった。  まずは時間を遡ろう。  10月3日、「スマホを見ないと死んじゃう病」事件当日、慶太、コムコム、卓

          【短編小説】 「スマホを見ないと死んじゃう病」 突撃Boys(4日目)

          自分でも認識が甘かったと思う。 特別養護老人ホームに入所するということは、そこに「住む」ということだ。 つまり、新居に引っ越しをして、いろいろな物を揃えなければならないのと同じだ。 ばあちゃんが少しでも快適に住めるよう、もうひと頑張りせねば。

          自分でも認識が甘かったと思う。 特別養護老人ホームに入所するということは、そこに「住む」ということだ。 つまり、新居に引っ越しをして、いろいろな物を揃えなければならないのと同じだ。 ばあちゃんが少しでも快適に住めるよう、もうひと頑張りせねば。

          「さあ、週末だ!」と喜んだ次の瞬間、月曜日の朝になっている。 どうやら僕は、毎週タイムワープを繰り返しているらしい。

          「さあ、週末だ!」と喜んだ次の瞬間、月曜日の朝になっている。 どうやら僕は、毎週タイムワープを繰り返しているらしい。

          【エッセイ】本の虫のささやき #未来のためにできること

           2011年3月11日14時46分、東日本大震災が日本を襲った。  我が家は倒壊を免れたものの、基礎に亀裂が入り、家中の家具が倒れた。物は散乱して床に厚く積もり、家の中で生活できる状況にはなかった。  避難所の環境は劣悪だったので、僕ら家族は車に寝泊まりしながら、家の生活スペースを少しずつ確保していくことにした。  本当なら1階から片付けるべきなのだが、僕は2階にあった大量の蔵書の片づけに固執した。 『この家の重心は2階にある!次に大きな余震が来たら、今度こそ倒壊してしま

          【エッセイ】本の虫のささやき #未来のためにできること

          【童話大戦争】 アフターストーリーズ(日本童話界編)

          ※ 童話大戦争シリーズ(完結)の後日談です。本編を先にお読みになることをお勧めします。 【桃太郎、旅立つ】  童話大戦争が終わった後、桃太郎は家臣団の解散を宣言した。  桃太郎に深く心酔している動物たちも鬼たちもそれを激しく拒んだが、桃太郎の決心は堅く、家臣たちは渋々受け入れることにした。  桃太郎が唐突に家臣団の解散を口にしたのは、本当にやりたいことができたからだ。  戦を通じて、世界には、いや日本でも自分の知らない凄い奴らがたくさんいることを知ってしまった。  世の

          【童話大戦争】 アフターストーリーズ(日本童話界編)

          【童話大戦争】 アフターストーリーズ(西洋童話界編)

          ※ 童話大戦争シリーズ(完結)の後日談です。本編を先にお読みになることをお勧めします。 【巨大監獄】  平和を愛する西洋童話界の住人たちは、巨大な監獄に閉じ籠められ、絶望の淵に追いやられていた。  しかし、かぐや姫がやって来たあの日から、彼らの心に変化が訪れた。  諦めることを止め、希望を捨てずに前を向いて生きていく決意をしたのだ。  そして、とうとうその日がやってきた。  「ふっ ふっ ふはっ ふはっ はっははっははっはは!」  遥か遠くの虚空から誠に奇妙な笑い声が聴

          【童話大戦争】 アフターストーリーズ(西洋童話界編)

          【童話大戦争】 ⑧ 最終決戦 そして世界は(完)

          【決戦当日 夜明け】  日本童話軍にとって、瞬く間の5日が過ぎ、決戦の朝を迎えた。  開戦まであと7時間を切ったが、西洋軍の動きはまだない。  先に動いたのは日本軍だった。  日の出前の鬼ヶ島で、二千人もの天狗衆がそれぞれ大団扇を構え、大天狗の号令を待っている。  大天狗は瞑目し、腕を組み、岩場に仁王立ちしている。  やがて、東の海面が穏やかにキラキラと輝き出し、朝日が昇り始める。  大天狗は、目をカッと見開き号令を出す。 「それでは参るぞ!海をっ!打てっ!セイヤッ!!」

          【童話大戦争】 ⑧ 最終決戦 そして世界は(完)

          【童話大戦争】 ⑦ 凪の戦場

          【日本童話軍 総大将】   天然の要塞鬼ヶ島。  ゴツゴツとした岩で覆われた島の内部には、驚くほど広い空間がいくつも広がっていた。そこは、桃太郎軍を収容してもまだ十分な広さがあった。  桃太郎と鬼との激闘を機に要塞化された鬼ヶ島は、二重三重に設けられた頑丈な大門が、敵の侵入を許さなかった。  その大門の奥深くの一室に、かぐや姫、桃太郎、浦島太郎が揃っていた。  そこに、少し遅れて大天狗と共に壮年姿の金太郎がやってきた。 「久しぶりですね。金太郎殿」  浦島太郎がにこやかに

          【童話大戦争】 ⑦ 凪の戦場

          【童話大戦争】 ⑥ 結集 日本童話軍

          【同舟共命その1】  殿を務めた桃太郎と鬼たちは、命からがら海岸までたどり着いた。家臣たちの盾となり、身命を賭けて奮闘した鬼軍団は、その数を四百まで減らしていた。  何度も全滅の危機に陥ったが、なぜかその度に西洋軍の進軍速度が落ちたのが幸いした。途中からグリフォンやハービーたちが山に向かって飛び去っていったのも助かった。 『やっとここまで来たが…さて、鬼ヶ島までの船をどうしたものやら。このままでは、文字どおり背水の陣を引くしかないのう。』  桃太郎は一人自嘲気味に笑った。

          【童話大戦争】 ⑥ 結集 日本童話軍

          【童話大戦争】⑤ アーサー王の憂鬱

          【再会そして再見】  敵の迎撃部隊を遥か後方に振り切り、暗黒空洞を一気にくぐり抜けたかぐやの目の前に、西洋童話の世界が開けた。  しかし、そこにはかつて訪れた時に感嘆した美しい風景はなかった。  極彩色できらびやかな、ここにいるだけで希望が満ちあふれてくるような世界は消え去り、どんよりとした澱んだ空気が漂う、荒廃し寒々とした灰色の街並みが広がっているだけだった。  音楽に満ち溢れていた街は静寂に包まれ、西洋童話界の住人たちの姿は、不自然なほどどこにも見えない。    龍が街

          【童話大戦争】⑤ アーサー王の憂鬱

          【童話大戦争】なんだかんだいって、「スキ」もらうと嬉しいのです。

          「【童話大戦争】④ かぐや、駆ける!」が#短編小説の特スキをいただきました。  楽しんで書いている小説だけに、みなさんに読んでいただけて本当に嬉しい限りです。  童話大戦争は、ここまで西洋軍の圧勝となっていますが、かぐや姫が動き出したことで局面が大きく変わっていきます。  これからクライマックスに向けて物語が進んでいきます。  はたしてどのような結末を迎えるのでしょうか?    これから考えます! 【追記】(R6.6.4) こっちもいただいていました。

          【童話大戦争】なんだかんだいって、「スキ」もらうと嬉しいのです。