記事一覧
[掌編小説] 健康的であることの限界
窓辺に飾ったゼラニウムは今にも枯れそうだった。すこしだけ開けておいた窓から、冷たい風が入ってきて、汗ばんだ身体を撫でる。女の子の痩せギスな身体の肩甲骨の窪みがいやらしい。右手を床について、左手で口から溢れだした精液を受けとめて、ぺしゃんと座っている。
ーーAV観てるとさ、フェラしてる時に女の子の顔が見えてるけど、あれ現実で難しくないか? ちんこはさ、そり返って勃ってるわけだから、それ咥えたら、
【掌編小説】 タピオカブーム終了
いまやセックスをするのにも環境問題を考えなければならない時代になった。コンドームが海洋に流れ出し、カメやイルカが誤飲して死にいたるケースが頻発しているのだ。第一、女性に対してマスラオに覆いをかけるなど、オモテナシ精神にかけるというものだ。
ケツ毛を電気シェーバーでガリガリ削りながら、そんなことを考えていると、自分がなんだかクールでカッコいい気がしてきた。ちなみに陰毛を剃ることがチンコをでかく
【掌編小説】 砂漠の自由
砂丘は相変わらずつづいていて、太陽が照りつけ、剥き出しの肌が焦げる。風も強くて、砂粒がビシビシとあたるのが、痛くて不快だ。塩まじりの砂は鼻の粘膜をヒリツカせて鼻水が止まらなくなる。汗と鼻水の出過ぎで脱水症状になって死ぬかもしれない。
陽炎でゆらめきながら、ラクダに乗って男がやってくる。男は苦悶の表情で腹を両手で抑えている。腹から血が止めどなく溢れだしていて、ラクダの背中を赤黒く染めている。
【掌編小説】 バイク修理技術と念仏
バイク修理には機械工学の知識が役に立つ。ガンプラを作った時にもそう感じたし、家のちょっとした補修などにも、案外、機械工学の知識は役に立つのだ。
親の介護を理由に仕事をやめ、親の年金に頼って生活をしてきたが、親が死んで、気づけば自分がすでに老人といってよい年齢になっていた。ろくな求人もなく、そもそもまともに働く気もないので、まるで実入りがない。
そんなある日、あてどなく散歩をしていて、川辺
【掌編小説】 枕営業
発車間際の電車に飛び乗って、手の甲で鼻をこするとマンコの匂いがした。ベビーカーに乗った赤ん坊と目が合った気がして、無表情のまますぐに車窓に目を移した。さっきまでいたラブホが目に入った。
昨夜、女は股の間でカビを増殖させていた。息を止めてクンニをする必要があった。クンニしながら自慰をしてなんとかチンコを勃たせて、適当にゴムを被せてマンコに突っ込んだら、すぐに射精してしまった。
部屋中にマン
【掌編小説】 喪服女の唄
喪服の女がソプラノで歌っている。
シュビドゥバシュビドゥバシュビドゥババ。
針金のように痩せた長身で、前髪パツンの黒髪が肩まで伸びている。細い銀縁のメガネをかけた面長は、血色が悪くてまったく女性的な魅力に欠けている。夜の歓楽街の雑踏には、あまりに不釣り合いすぎる。
ギャルビッチ女子校生のイラストがパッケージに描かれた新品のオナホと、ギャルビッチが穿いたことになっている中古のパンツを買っ