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車の運転と脱毛に見る男女平等

「高速道路の運転は男に任せる〜」と言っていた友達がいた。その気持ちの奥底にはどんな理由があるのか知りたくなってしまった。
まず、男と女で車の運転の上手い下手の差はあるのだろうか。いや、多分、ない。多分というか確実にないと思う。
女は事故を起こすから運転してはいけないということなのだろうか?
それとも、男のほうが女よりも運転することに長けている生物なのか?だとしたら平等に免許を取れるというのは果たして正しいのだろうか?
私だって普通車の免許を持っている。オートマ。その免許に、「この免許で運転はできるけど男性の方がうまいから男性と一緒にいるなら男性に任せな」という意味が含まれていたのだろうか?そんなこと教習所では一瞬も習わなかったけど。

ディズニーを友達と二人で歩いていたとき、ベンチいっぱい使って眠っている男性がいた。周りには家族であろう女性と、小さな子供たちがいた。
「パパ、運転で疲れてるからね」
と、その女性が言った。
えっ。運転で疲れているのは男性一人?それとも女性も運転で疲れているけれど子供たちの世話で眠れない?交代交代で眠っているのか?女性は免許持ちではない?
いろんな疑問の中に、もしかしたら、昔からあるあの「男性が運転するべき」みたいな呪いに巻き込まれて、この男性はディズニーを楽しめずここで眠ることに必死なのか?という一握の不安が滲み出した。

私がこうした疑問を抱くのは、私の家が割と男女平等な社会だからかもしれない。運転は父も母も交代でしていたし、料理や裁縫なんかは父が担当していて、母は洗濯やその他を担当していた。お皿洗いも父がしていたし、庭仕事は両親共にやる。ゴキブリの退治に関しても、両親どちらも平気な顔してやる。

男性に運転は任せようみたいな風潮って、どこからやってくるんだろう。
本当に男性のほうが車の運転が上手いとしても、平等に免許が与えられている時点でそこに男性を苦しめるような「がんばれ」は必要ないだろうと思った。
高速道路の運転を男性に任せたら、事故を起こさずに目的地まで辿り着ける約束がされるのだろうか?
女性たちはその間なにを任されるのだろうか。


最近もう一つ疑問があって、それはまたしても友達の言葉から湧いてきた疑問だった。
「友達がノースリーブ着てたんだけど、脇毛生えてたの見ちゃって〜」という言葉。
頭の中にたくさんのクエスチョンマーク。
それは「だめなこと」?

脇毛って悪なのだろうか?剃りたいから剃るものじゃないのだろうか?
「脇毛は剃らなくてはいけない」
という縛りは、一体誰のもの?私は女として生まれて生きているけれど今は剃っていない。別に、脇毛の処理なんて必要ないからだ。
剃っている人は剃りたいから剃るものではないのか?

「そういうところがあの子のだめなポイントだよね〜」

というあの言葉が忘れられない。そしたら私はだめだめすぎる。だめ人間すぎる。
でも納得いかない。脇毛を剃るのってなんでそんなに重要視されているのだろうか。どうしてそれが「女性の」当たり前みたいになってしまったのだろうか。

ちなみに男性は剃っていないのが普通ですか?そうだと思っています。その差はどこからなんだろうと疑問に思う。

高校生のとき、クラスの男子のスネの毛があんまり生えていなかったことで、女子たちの中で話題になった。
「あいつ、剃ってるのかな?」
「足?やばー」
いまいちなにが、やばー、なのかわからなかった私は上手い相槌が打てなかったのだけれど、男性は男性で、剃っていたらやばー、って思われてしまうのかと思うと大変だと思う。


私は何度も言っているのだけれど、男性(女性)として生まれたらこうするべき、という言葉は呪いだよなと思う。
私も初めてショートカットにした日は母親に怒鳴り散らかされたし、祖父母が買ってくれる洋服は全て姉とお揃いのフリフリワンピースだった。
姉はその点強くって、もらったフリフリワンピースを一度も着ないで平気で捨てたりしていたし、幼い頃から男の子が好きそうなアニメのグッズばかりを親にねだっていた。

みんな本心で、車の運転を男性がするべきと思っていたり、脱毛は女性だったらするべきで男性ならしていたら変だと思っているのだろうか。
それが世の中の呪いからなのか、自分の心からなのか、それがはっきりとわかっていない人が、今日も誰かを傷つけているんじゃないかと、私は心を痛めている。

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