私たち2人のバランス
彼氏は度々私に、「藍ちゃんのことを嫌いになることはないと思う」と言う。
いわゆる口説き文句とかではないと思う。いや、当たり前じゃね?くらいのテンションで言う。
食事をしない日はないとか、
ゲームは嫌いにならないとか、
仕事は突然やめたりしないとか、
そんなことを言う時と同じテンションで、私を嫌いになることはない、と言うのだ。
いやそうは言っても、人間同士の中でも恋人同士、何があるかは分からないでしょ?とみなさん思うはず。
彼は違うんです。
何を大袈裟なと思ってても聞いてほしいのですが、
彼は人を嫌うことが滅多にありません。
そんなに朗らかなの?!穏やかすぎる!とかではありません。
彼は人に興味がないだけです。
これは紛れもない事実です。
人の名前や顔はもちろんのこと、誕生日も言ったことも覚えていません。
でもコミュ力はあります。誰とでもすぐ仲良くなります。
そうです。彼は相手が誰だかわからず人と話してることが多いんです。
こう書くとバカっぽいですが、あながち間違ってはいないのでいいです。
パートナーである私も、彼からしたら、誕生日も顔も名前も知ってるし、ついでに愛してるけど、他人だから深入りするようなことはない。という対象の人間なんだと思う。
人に興味がないから、彼は人に深入りすることが全くない。
依存体質の私には羨ましい限りだ。
そんな彼のように生きていきたい。いつかどこかへ飛んでいきそうで危ういのに、私とハグをする時は無邪気で、ずっとここにいるような気がする。
私彼に夢中なんだなと思う。
でも私は愛されたい!とも思うけれど、彼が私に夢中になることで、今のバランスが崩れていくような気もするから、これでいいやと思う。
2人のバランスってそれぞれなのだ。人への興味関心が薄い彼と、誰の情報もほとんど一度で覚え尽くせる私。
ここがおんなじ感じだったら、面白くないなと私は思う。
2人にしか醸し出せない空気があるって、それだけで特別だって思うし、彼とだから今の私がいると思うと、これでよかったと思う。
彼が作った麻婆豆腐を食べながら、海外のアニメを2人で見る。
「おもしろくないこれ」
私が言う。
「えー」
彼が言う。
「2人とも面白いと思うやつ探す?」
彼が言うその言葉に、私は頷いた。
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