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2022年3月の記事一覧

2019-2022年のウェブ小説書籍化② 日本のウェブ小説における有料販売の歴史、中国・韓国式有料課金モデル導入の夢|飯田一史

日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史 2010年代後半に日本にやってきた「北米型チャット小説」は、書籍化も有料サービス(新しいビジネスモデル)も軌道に乗らなかった。  では「中国・韓国型有料ウェブ小説」はどうだったか。その話に入る前に、ふたつの流れを確認しておく必要がある。  ひとつは日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史と作家への利益還元の潮流。  もうひとつは中国と韓国におけるウェブ小説市場の隆盛だ。このふたつの流れが合流したところで、日本における「中国

画像が語るウクライナ情勢 (2)

時は変わってもやってることは似たようなもの。まさか2022年のこの現代にタイムワープのようなことが起こるとは。 2枚の画像の類似点を見て悲しくなる。過去から何も学んだことはないのか。 ウクライナの人々はペットを連れて逃げる。置きざりにはできない、家族だから。 泣きながら猫を連れて逃げる。 👇シェルターにもなるキエフの地下鉄駅に避難してきた市民たちです。ありそうもないことが実際こうして起きてしまった。 ミサイル実験を繰り返す物騒な国が近くにある日本、緊急時のシェルター

グリエール《ザポロージャ・コサック》Op. 64(1921)とコサックについて

レインゴルト・グリエール(1875-1956)はキエフ出身。モスクワ音楽院でタネーエフ、 アレンスキーらに師事し、作曲を学んだ。同時期にスクリヤービンやラフマニノフがモスクワ 音楽院に在学していた。音楽院卒業後、同校で教鞭をとる傍ら交響曲や室内楽作品の作曲を行った。ロシア革命後もモスクワに居住し作曲活動、教育活動に専念し1956年に他界した。 初期の作曲活動においてグリエールは後期ロマン主義時代に特徴的な「伝統的な音楽語法からの離脱、もしくはその拡張」を試みると同時に、チャ

再び道を誤らないための〈暮らし〉リアリズム:花森安治の思想 : 『灯をともす言葉』

書評:花森安治『灯をともす言葉』(河出文庫) ずいぶん昔、酒井寛の『花森安治の仕事』(朝日文庫)を読んで感動した。以来、花森安治のファンである。 花森安治という人は、先の戦争で、国の掲げたプロパガンダを信じた結果の悲惨さを目の当たりにして、もう二度と同じあやまちは犯すまいと決意した人である。 そして、その花森が拠って立ったものとは「暮らしの思想」だ。つまり、日々の暮らしにおける実感を大切にすること。言い換えれば、決して「観念」的にはならない。「生活者のリアリズム」によって

食の風景「里芋とほうれん草、人参の炊き合わせ」

三月の初めの頃のお話です。自家製里芋が残り少なになって参りました。寂しいけれど、美味しい内に味わいたくもあり、更に今年も植えるのか、だとしたら残しておかなければなりません。保管の箱の中を見詰めては、ううん唸っております。 さて今日の里芋は、優しい味の炊き合わせに致しましょう。法蓮草は湯掻いて、水洗いして、絞って、適当な大きさに切っておきます。人参と里芋を蒸し茹でにします。さっき法蓮草を茹でた湯がありますから、そこへぽいぽい入れてしまいます。食材が水面から少し顔出す位の水量で

みらっちセレクション⑤ わりと人生を狂わせがち

今回は中学校編です。 中学時代は、以前書いたことがありますが、私の中では少女小説全盛時代。 そのうえ、どちらかというとアニメに夢中でした。 当時のアニメは、勢いがあったんですよね。 『アニメージュ』という雑誌もありました。 『風の谷のナウシカ』が連載されていた気がします。 特に『超時空要塞マクロス』『北斗の拳』『うる星やつら』はかなりハマっていました。「小白龍~」と一緒に歌ったり、「あたたたたた!」といって遊ぶ人が誰もいませんでしたね。孤独でした。笑 いまでいう、オ

詩 366

  プラネット ナイトテーブル 骨で立つ トリケラトプス こがね色 溶けて 忘れて もう 春だ ショールに ボタン ガーゼ とめ 夜景に自画像 列をなし レモン ころがる 水たまり 空席 見つけて 靴を 置き プテラノドンの歯が 燃える 天井 近づく 冥王星 弱い心を彫刻し 名誉の代償 エチゼンクラゲ ろうそく ずぶぬれ ことば なく 百年 福音 待ちわびて 焦点 むすんだ クチナシの色

DIYデスクをぶっ壊して「デスクとしての役割」に限定した

という話です。 おうち時間とDIY2020年2月に今の家に引っ越してきたんですが、直後にウイルスが蔓延してしまい、在宅勤務と外出自粛の日常がやってきました。 全国各地へ放浪する癖(ポジな放浪癖です)のある僕は「おうち時間」とやらにかなり苦しめられ、この状況に適応するために1人で楽しめる趣味を始めました。 その中の1つがDIYでした。 もともと前の家から簡単なDIYはやったことがあったこと、すべての予定が吹き飛んだ週末の時間を使えるようになったことで、最終的にはなんだか大

ウクライナ文学を紹介

『ペンギンの憂鬱』アンドレイ・クルコフ , 沼野 恭子 (翻訳) 何が起こっているのか知らないほうがいい。自分もその謎を作りあげた張本人なのだから――。欧米各国で絶大な賞賛と人気を得た、不条理で物語にみちた新ロシア文学。 恋人に去られ孤独なヴィクトルは売れない短篇小説家。ソ連崩壊後、経営困難に陥った動物園から憂鬱症のペンギンを貰い受け、ミーシャと名づけて一緒に暮らしている。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたヴィクトルだが、身辺に不穏な影がちらつく。他人の死が自分

自主制作映画(ATG)も総括が必要なのかも

『ヌーベルバーグ以後―自由をめざす映画 』佐藤忠男(1971年/中公新書) 六〇年代を通じて、日本の映画産業は一貫して衰弱をつづけたが、逆に、日本映画の内容はかつてなく多彩をきわめるようになったのである。そして、それは、一言で要約すれば、資本がつくる映画から、作家のつくる映画へ、という動きであった。 佐藤忠男氏が亡くなって偶然古本屋で見つけた本を読んだ。1971年出版の本だから60年代の映画総括という感じ。アメリカ・ニュー・シネマの時代、そのあたりの映画好きになったの

『牛久』へようこそ

『牛久』(日本/2021)監督トーマス・アッシュ 解説/あらすじ 在留資格のない人、更新が認められず国外退去を命じられた外国人を“不法滞在者”として強制的に収容している施設が全国に17か所ある。その一つが茨城県牛久市にある“東日本入国管理センター”、いわゆる牛久。この施設内には、紛争などにより出身国に帰れず、難民申請をしている人も多くいる。本作は、厳しい規制を切り抜け、当事者達の了解を得て、撮影されたもの。 “隠し撮り”という手法で、面会室で訴える彼らの証言を、記録し続けた

3.私だけのデスク

今日はつい最近買ったデスクとそのデスク周りについて語っていきたいと思います!デスク周りに関してはすっっっごく頑張って飾ったので、写真だけでも見ていただけると嬉しいです〜!! ベッドサイド改造計画 唐突ですが、皆さん日記って付けてらっしゃいますか?私は【書く事】が大好きで、毎日日記をつけています。その日記を書く場所は寝室にあるローテーブルでした。どうしても寝る前に書き始めるので空調が効いた部屋の中で書きたくて寝室の中で済ませていました。 しかしローテーブルな為、ちょっと書き

ウルトラ怪獣から学習漫画へ!漫画家・迎夏生先生インタビューのこぼれ話がおもしろすぎました

ご存じない方も多いと思いますが、ポプラ社から刊行されている学習漫画「コミック版 世界の伝記」シリーズが通算50巻を迎えまして、ご愛読いただいている読者の皆様には、ひとえに御礼申し上げます。 さて先日、毎日小学生新聞さんに、このシリーズに多数ご執筆いただいている漫画家の迎夏生(むかい・なつみ)先生へのインタビューを掲載していただきました。迎先生といえば、「コミック版フォーチュンクエスト」や「ワンダル・ワンダリング!」(いずれもメディアワークス)を手掛けられた実力派漫画家。掲載

2011年3月11日の現場の悲鳴は、『声』の悲鳴だけではなく『心』の悲鳴もある

僕は、岩手県宮古市出身です。 今日は、11年前のことを振り返ってみます。 ◆東日本大震災Wikipediaから情報を拾ってきました。 ◆発生時当時僕は横浜市に住んでいました。妻のゆかりちゃんとは、まだ遠距離恋愛中です。 僕は仕事が非番でした。当時僕は、タクシー運転手だったのです。 スーパーでの買い物中に、あの巨大地震が発生しました。 普通の地震ではありません。揺れがどんどん大きくなります。立っていられないほどの揺れでした。 ビルの倒壊も頭をよぎりました。 揺れがおさ