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療養食の民族比較の研修。

 職場の大学病院で開かれた研修プログラムに参加しました(医療従事者向けのプログラムです)。

 「病院食と術後食の東洋文化圏、西洋文化圏での比較」という内容だったのですが、「食療」としてどんなものが各国で食べられているかを知るというのは消化力の落ちている状態でも受け付けることができる食べ物とはすなわちその民族の腸の傾向がわかるのでは・・・と思ったからです。

 現在のわたしは、薬膳や食養生の勉強が進み、今はとにかくも胃腸の状態、消化吸収(そして細菌や微生物、土)に注目しているのです。


 周りは白衣を着た看護師さんやお医者さんがほとんどで、一介の分館の司書であるわたしはかなり緊張していましたが、講義内容はそこまで専門的な内容ではなく(というのもこの内容はまだ研究がなされていない分野だそうです)、わかりやすかったです。

(むしろ、もっと突っ込んだ胃腸の状態や消化吸収の傾向などを聞けるのかと思っていましたが、短い時間でしたし、決定的には「あーやはり西洋医学と東洋医学は分裂しているんだな」と感じざるを得ませんでした。先生が中国の薬膳文化をご存知だったらもっと突っ込んだ内容になったのでは・・・と感じてしまいました)


 東洋文化圏は穀物のスープ(おかゆ系)であるのに対し、西洋文化圏はブロス(肉と野菜のコンソメスープ系)であるという内容でした。西洋のブロスは、わたしの言葉で言えば「骨肉スープ系」ということだと思います。(中国はここでは東洋文化圏でしたが)薬膳で有名な「参鶏湯」など中国での滋養スープは骨つき肉と生薬をスープにしてその上澄み(エキススープ)を飲みます。血を作るスープですね。

 おかゆ系はエネルギーを作るスープという感じがします。この辺はまだ感覚で言っていますが。


 人は病んだ時には栄養学的な見地よりも、伝統的な「安心する」食べ物を食べているという傾向が見られて、文化人類学的にもおもしろいと先生はおっしゃっていました。


 

 偶然にも なのか やっぱり文化としてつながっているのか、食養から 腸内環境、微生物、土、環境、植生、日本という土地、島国、日本神話、種と穀物の神様美穂津姫、死体から五穀が生まれたオホゲツヒメ、ハイヌウェレ神話(環太平洋間帯にある女神を殺した後に食物が生まれるというの神話の型)・・・「うーん、次の絵の題材はやっぱりオホゲツヒメだ!」などと考えていたばかりでしたので、レジュメの中に、「照葉樹林帯文化圏」といって「女神が殺される」(おそらくハイヌウェレ神話のことです)といったことが書いてあったのには興奮してしまいました。


 余談ですが、ハイヌウェレ神話のことなど、世界の神話のおもしろさ、環太平洋間帯の文化は今まさに自分の中でとても重要な真理にアクセスできる秘密の鍵のようなもので、日本の超古代の秘密にも迫れそうだし、これを大学時代に第一人者である吉田敦彦先生の授業を小さな教室で受けられたことは幸運だったと思っています。日本神話の授業もそうだった。

 今になって、すべてのことがつながって、求める真実への階段の一段一段になっていることが不思議で奇跡的でなりません。


 勉強は楽しいです。


待ち時間に寄ったタリーズで甘酒のドーナツというものがありました。しっとりした味わいでした。

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